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より一層の抗菌薬適正使用の推進を 全国抗菌薬販売量2019年調査データ2020年4月27日公開

薬剤耐性菌の増加が世界的に問題となっており、わが国でも2016年に薬剤耐性(AMR)アクションプランが策定されました。2020年までの目標として抗菌薬の合計量を33%、広域抗菌薬である経口セファロスポリン、経口フルオロキノロン、経口マクロライドを50%減少させることが目標となっています。AMR臨床リファレンスセンターでは、アクションプランを推進するための取り組みのひとつとして薬剤耐性に関するさまざまなサーベイランス情報を収集し、取りまとめたデータを発信しています。今回は、2013年から2019年までの全国抗菌薬販売量データを公開いたします。

全国抗菌薬販売量サーベイランス:
http://amrcrc.ncgm.go.jp/surveillance/020/20190902163931.html

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/211523/LL_img_211523_1.jpg
全国の抗菌薬販売量(2013-2019年)

◆今回発表のデータダイジェスト
2019年全国の抗菌薬販売量は13.3 DIDであり、2013年(14.9 DID)と比較して、10.9%減少しました。継続的に減少しているものの、2018年からの減少は0.7%であり、減少幅が小さくなっています。種類別にみると、2013年と比べて内服セファロスポリン系薬は22.7%、内服フルオロキノロン系薬が18.0%、内服マクロライド系薬が20.6%減少しています。一方、内服ペニシリン系薬は2013年と比べて33.6%増加していました。


◆結果の総括
薬剤耐性(AMR)アクションプランで指定されている内服の広域抗菌薬を中心として、抗菌薬販売量は継続的に減少しています。全体が減少する中で内服ペニシリン系薬が増えていることからは、「抗微生物薬適正使用の手引き」などの普及を通じ、急性気道感染症を中心に外来での抗菌薬適正使用が進んでいることが示唆されます。
しかしながら、この結果からは徐々に抗菌薬販売量の減少幅が小さくなっています。日本の抗菌薬の多くが気道感染症に処方されていること(1)、気道感染症にはまだ不必要な抗菌薬投与が多いこと(2) など、各種の研究結果からはさらなる減少が可能と考えられます。より一層の抗菌薬適正使用の推進が求められます。
AMR臨床リファレンスセンターでは、抗菌薬適正使用の推進に取り組むとともに、定期的にサーベイランス情報を発信していきます。


(1) Hashimoto H, et al. Int J Infect Dis. 2020;91:1-8.
(2) Kimura Y, et al. PLoS ONE. 2019;14:e0223835.
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