IEEEメンバーが提言 『新型コロナウイルスとの戦いに貢献するAR/VRテクノロジー』
[20/05/18]
提供元:@Press
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IEEE(アイ・トリプル・イー)は、世界の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。
スーパーまで食品を買いに来たIEEEメンバーのトッド・リッチモンド(Todd Richmond)氏は、店員に次のように語りました。「まるでパックマンで遊んでいるような気分です。通路に入り、人の姿を見かけたら慌てて反転して別の通路を目指しています。」
新型コロナウイルスの感染拡大により、スーパーでの行動も、世界のその他のことと同様に一変してしまいました。この未曽有の危機をくぐり抜けながら、リッチモンド氏をはじめとする多くの技術者は将来に目を向けています。
リッチモンド氏は、次のように述べています。「将来は、ソーシャルディスタンスの維持に役立つAR(拡張現実)アプリが開発されるのではないでしょうか。理論上こうしたアプリは、基本的に別のユーザーがいる場所との関連でユーザーの位置を図に示します。人口密度などの要因に基づいて高リスクの場所に関連するデータを引き出し、ユーザーが特定の場所により安全に辿りつけるようにします。」
常軌を逸する困難の時代には、リッチモンド氏が指摘するような常軌を逸する革新的なソリューションが求められます。新型コロナウイルスなどの困難な戦いに有効なAR/VR(拡張現実/仮想現実)テクノロジーの活用方法は、ほかにもあります。
【医療従事者に役立つVR】
新型コロナウイルスと呼吸器系に影響する他のウイルスとの違いは、感染者の肺に与えるダメージです。医療の専門家の調べでは、ウイルス感染者は呼吸困難に陥る場合があり、深刻なケースでは肺に炎症が生じます。肺の病が進行すると、肺炎となり、肺のすべての領域に影響が生じます。
IEEEのシニアメンバーであるジェイコブ・シャーカンスキー(Jacob Scharcanski)氏は、次のように説明します。「VRおよび3D画像テクノロジーを活用すれば、新型コロナウイルス関連の特性をよりうまく特定できます。新型コロナなどのウイルス感染の肺画像に重点を置いたデータを医師が利用できれば、ウイルスと患者への影響を早期に特定できるようになります。これは、適切な治療を開始する上で極めて有効です。」
IEEEメンバーのアンダーソン・マシエル(Anderson Maciel)氏は、没入型テクノロジーはこの20年間医学教育に利用されてきたと指摘します。「没入型テクノロジーは、長く医療に利用されてきました。その用途は、難しい手術を前にした医師への情報提供から、医師による患者の仮想問診など、多岐にわたります。」
さらに、AR/VRテクノロジーは新型コロナウイルスなどの特定の病気について医療従事者の理解力を向上させることができ、ウイルスとの戦いにこれまでにない知見を提供します。
【一般の人の教育と正常な感覚を保つこと】
マシエル氏は次のように述べています。「新しい未知の感染症と戦う上での最高のAR/VRアプリケーションは、感染拡大につながる行動の是正に重点を置いたものになると考えます。」
「特にウイルスの存在を感じさせることができる仮想現実は、医療の知識を持たず、無意識のうちにウイルスを拡散させてしまいがちな一般の人の日常の行動を矯正する上で理想的です。仮想シナリオに没入した人々は、現実の世界と同じように行動する傾向があります。これは、公共サービスからの発表や、人々にベストプラクティス(最善慣行)を伝えることに重点を置いたデジタルキャンペーンなどの教育方法では見られないことです。人々を実際に危険なシナリオの中に置くことなく、経験的な知識を正確に提供するには、仮想現実が最も適しているからです。」
没入型テクノロジーは、教育以外にも、正常な感覚を保つことで新型コロナウイルスの感染拡大にさらされている人々に貢献できるとマシエル氏は指摘します。ソーシャルディスタンスの維持や外出自粛を実践する人々のために、AR/VRテクノロジーは、運動に重点を置いたゲームの強化、仮想旅行の実現、オンラインでの懇親会などにも利用できます。
リッチモンド氏は、将来的なディスラプション(革新的なイノベーション)に役立つツールとしてのAR/VRにも注目しています。複数人で実施するVRとテレプレゼンス(*1)のテクノロジーがさらに進歩すると、共有の仮想スペース内で人々をつなぐ機能は、我々がリモートにつながる方法を大きく変えることになるでしょう。
ソーシャルディスタンスの維持は現在も確実に有効です。人々が離れたままつながる上で、リッチモンド氏が指摘するような複数人のVRプラットフォームが大きな役割を果たすのかもしれません。
*1 遠隔地のメンバーとその場で対面しているかのような臨場感を提供する技術のこと
■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。
詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。
スーパーまで食品を買いに来たIEEEメンバーのトッド・リッチモンド(Todd Richmond)氏は、店員に次のように語りました。「まるでパックマンで遊んでいるような気分です。通路に入り、人の姿を見かけたら慌てて反転して別の通路を目指しています。」
新型コロナウイルスの感染拡大により、スーパーでの行動も、世界のその他のことと同様に一変してしまいました。この未曽有の危機をくぐり抜けながら、リッチモンド氏をはじめとする多くの技術者は将来に目を向けています。
リッチモンド氏は、次のように述べています。「将来は、ソーシャルディスタンスの維持に役立つAR(拡張現実)アプリが開発されるのではないでしょうか。理論上こうしたアプリは、基本的に別のユーザーがいる場所との関連でユーザーの位置を図に示します。人口密度などの要因に基づいて高リスクの場所に関連するデータを引き出し、ユーザーが特定の場所により安全に辿りつけるようにします。」
常軌を逸する困難の時代には、リッチモンド氏が指摘するような常軌を逸する革新的なソリューションが求められます。新型コロナウイルスなどの困難な戦いに有効なAR/VR(拡張現実/仮想現実)テクノロジーの活用方法は、ほかにもあります。
【医療従事者に役立つVR】
新型コロナウイルスと呼吸器系に影響する他のウイルスとの違いは、感染者の肺に与えるダメージです。医療の専門家の調べでは、ウイルス感染者は呼吸困難に陥る場合があり、深刻なケースでは肺に炎症が生じます。肺の病が進行すると、肺炎となり、肺のすべての領域に影響が生じます。
IEEEのシニアメンバーであるジェイコブ・シャーカンスキー(Jacob Scharcanski)氏は、次のように説明します。「VRおよび3D画像テクノロジーを活用すれば、新型コロナウイルス関連の特性をよりうまく特定できます。新型コロナなどのウイルス感染の肺画像に重点を置いたデータを医師が利用できれば、ウイルスと患者への影響を早期に特定できるようになります。これは、適切な治療を開始する上で極めて有効です。」
IEEEメンバーのアンダーソン・マシエル(Anderson Maciel)氏は、没入型テクノロジーはこの20年間医学教育に利用されてきたと指摘します。「没入型テクノロジーは、長く医療に利用されてきました。その用途は、難しい手術を前にした医師への情報提供から、医師による患者の仮想問診など、多岐にわたります。」
さらに、AR/VRテクノロジーは新型コロナウイルスなどの特定の病気について医療従事者の理解力を向上させることができ、ウイルスとの戦いにこれまでにない知見を提供します。
【一般の人の教育と正常な感覚を保つこと】
マシエル氏は次のように述べています。「新しい未知の感染症と戦う上での最高のAR/VRアプリケーションは、感染拡大につながる行動の是正に重点を置いたものになると考えます。」
「特にウイルスの存在を感じさせることができる仮想現実は、医療の知識を持たず、無意識のうちにウイルスを拡散させてしまいがちな一般の人の日常の行動を矯正する上で理想的です。仮想シナリオに没入した人々は、現実の世界と同じように行動する傾向があります。これは、公共サービスからの発表や、人々にベストプラクティス(最善慣行)を伝えることに重点を置いたデジタルキャンペーンなどの教育方法では見られないことです。人々を実際に危険なシナリオの中に置くことなく、経験的な知識を正確に提供するには、仮想現実が最も適しているからです。」
没入型テクノロジーは、教育以外にも、正常な感覚を保つことで新型コロナウイルスの感染拡大にさらされている人々に貢献できるとマシエル氏は指摘します。ソーシャルディスタンスの維持や外出自粛を実践する人々のために、AR/VRテクノロジーは、運動に重点を置いたゲームの強化、仮想旅行の実現、オンラインでの懇親会などにも利用できます。
リッチモンド氏は、将来的なディスラプション(革新的なイノベーション)に役立つツールとしてのAR/VRにも注目しています。複数人で実施するVRとテレプレゼンス(*1)のテクノロジーがさらに進歩すると、共有の仮想スペース内で人々をつなぐ機能は、我々がリモートにつながる方法を大きく変えることになるでしょう。
ソーシャルディスタンスの維持は現在も確実に有効です。人々が離れたままつながる上で、リッチモンド氏が指摘するような複数人のVRプラットフォームが大きな役割を果たすのかもしれません。
*1 遠隔地のメンバーとその場で対面しているかのような臨場感を提供する技術のこと
■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。
詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。