IEEEメンバーが提言 新型コロナウイルスによりネットワークが教育の必需品に
[20/06/30]
提供元:@Press
提供元:@Press
IEEE(アイ・トリプル・イー)は、世界の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、春休みが明けても、学生の多くはオンラインで授業を受けることになりました。オンライン授業は、人から人への感染リスクを減らすことに効果を発揮しましたが、学校には新たな問題を提起することになりました。どうすればすべての学生が確実にインターネットに接続して、リモートで授業を受け続けられるかという問題です。
IEEEのシニアメンバー、デイビット・ヴィトコフスキー(David Witkowski)氏はこのように述べています。
「新型コロナウイルス対策としてソーシャルディスタンスや外出自粛令が出されるまでは、学生たちはブロードバンドに接続する必要があれば、学校のコンピュータ室や公立の図書館、構内Wi-Fi、公衆Wi-Fiなどのネットワークが使えました。Wi-Fiを使って宿題を仕上げるために、学生がファストフード店の周りに集まって、Wi-Fiを使って宿題を仕上げる光景も話題になりました。パンデミックによって、外出を自粛し、人の集まる場所を避けるよう命令が出されて、状況が一変しました。」
ヴィトコフスキー氏は、彼の住むシリコンバレー地域ですべての学生がオンライン学習を利用し続けられるようにしていくには、デジタル・インクルージョン(受容)とデジタル・エクイティ(公平性)が非常に重要であると指摘します。またたく間にオンライン学習に切り替わったことで、「厄介で不都合な問題だった“homework gap”が社会的危機になりました。」と述べています。
ヴィトコフスキー氏は「パンデミックによって、デジタル・エクイティはもはや無視できない問題になり、この問題が自然に解消されることを願ってはいられなくなりました」といいます。
ヴィトコフスキー氏が所属する IEEE Future Networks Initiative(未来ネットワーク・イニシアチブ)において、インターネットのアクセシビリティの問題への関心を高め、国や世界的なレベルでネットワーク構築の加速を促すDeployment Working Group(導入作業部会)の共同議長を務めています。
「Deployment Working Groupでは活動の一環として、モバイルテクノロジーやモバイルアプリへの移行という社会的変化を起こし、そうした変化を後押ししている社会経済的なトレンドや要因に対する関心を高めようとしています。しかし、残念ながら、こうしたテクノロジーを可能にするネットワークが平等に展開されているとは言えません。」とヴィトコフスキー氏は述べます。
こうした取り組みを形として示しているのが、彼のJoint Venture Silicon Valleyでの仕事であり、ここではヴィトコフスキー氏の指揮のもと、地域住民がリモート学習や遠隔医療、オンラインバンキング、インターネットでの食料品や日用品の注文などを行うために十分な通信手段が得られるよう、支援を行っています。
「我々はさまざまな組織と連携してホットスポットやラップトップを配布し、デジタルリテラシーに関するトレーニングを提供して、教育におけるデジタル・エクイティの必要性についての認識を高めてきました。無線ネットワークの構築を加速する必要性について、地元の自治体にも直接働きかけて理解を促し、影響を受ける学生のいる近隣地域への支援を行っています。ホットスポットは優れたツールですが、そもそもネットワークが提供されていなければ役に立ちません。」とヴィトコフスキー氏。
ホットスポットは無線信号をWi-Fiに変換し、ラップトップがブロードバンドに接続できるようにします。自宅に物理的なインフラがなく、ブロードバンドを提供できるだけの配線設備がない場合でも、ホットスポットがあれば学生はすぐにインターネットに接続して自宅で学習を続けることができます。
ヴィトコフスキー氏は次のように語ります。「多くの場合、家の中の配線設備は標準以下で、経年劣化している場合も多く、物理的な損傷を受けていることもよくあります。携帯ホットスポットであれば配線なしでブロードバンドが提供でき、引っ越しても簡単に移動させることができます」
多くの学校では春学期を止めて、秋に授業を再開できることを期待して計画を立てはじめる一方で、秋にも同様にバーチャルでのオンライン授業になる可能性も検討しています。
「オンライン授業が学生たちにとっての“ニュー・ノーマル(新たな日常)”になる可能性も考えておくべきです。つまり、自宅にいる学生たちにブロードバンドを提供しなければならないということです。ブロードバンドは新たな教科書であり、学生が教科書なしに学校に通えると思う人はいないはずです。」とヴィトコフスキー氏は提言します。
■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。
詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。
新型コロナウイルスの感染拡大により、春休みが明けても、学生の多くはオンラインで授業を受けることになりました。オンライン授業は、人から人への感染リスクを減らすことに効果を発揮しましたが、学校には新たな問題を提起することになりました。どうすればすべての学生が確実にインターネットに接続して、リモートで授業を受け続けられるかという問題です。
IEEEのシニアメンバー、デイビット・ヴィトコフスキー(David Witkowski)氏はこのように述べています。
「新型コロナウイルス対策としてソーシャルディスタンスや外出自粛令が出されるまでは、学生たちはブロードバンドに接続する必要があれば、学校のコンピュータ室や公立の図書館、構内Wi-Fi、公衆Wi-Fiなどのネットワークが使えました。Wi-Fiを使って宿題を仕上げるために、学生がファストフード店の周りに集まって、Wi-Fiを使って宿題を仕上げる光景も話題になりました。パンデミックによって、外出を自粛し、人の集まる場所を避けるよう命令が出されて、状況が一変しました。」
ヴィトコフスキー氏は、彼の住むシリコンバレー地域ですべての学生がオンライン学習を利用し続けられるようにしていくには、デジタル・インクルージョン(受容)とデジタル・エクイティ(公平性)が非常に重要であると指摘します。またたく間にオンライン学習に切り替わったことで、「厄介で不都合な問題だった“homework gap”が社会的危機になりました。」と述べています。
ヴィトコフスキー氏は「パンデミックによって、デジタル・エクイティはもはや無視できない問題になり、この問題が自然に解消されることを願ってはいられなくなりました」といいます。
ヴィトコフスキー氏が所属する IEEE Future Networks Initiative(未来ネットワーク・イニシアチブ)において、インターネットのアクセシビリティの問題への関心を高め、国や世界的なレベルでネットワーク構築の加速を促すDeployment Working Group(導入作業部会)の共同議長を務めています。
「Deployment Working Groupでは活動の一環として、モバイルテクノロジーやモバイルアプリへの移行という社会的変化を起こし、そうした変化を後押ししている社会経済的なトレンドや要因に対する関心を高めようとしています。しかし、残念ながら、こうしたテクノロジーを可能にするネットワークが平等に展開されているとは言えません。」とヴィトコフスキー氏は述べます。
こうした取り組みを形として示しているのが、彼のJoint Venture Silicon Valleyでの仕事であり、ここではヴィトコフスキー氏の指揮のもと、地域住民がリモート学習や遠隔医療、オンラインバンキング、インターネットでの食料品や日用品の注文などを行うために十分な通信手段が得られるよう、支援を行っています。
「我々はさまざまな組織と連携してホットスポットやラップトップを配布し、デジタルリテラシーに関するトレーニングを提供して、教育におけるデジタル・エクイティの必要性についての認識を高めてきました。無線ネットワークの構築を加速する必要性について、地元の自治体にも直接働きかけて理解を促し、影響を受ける学生のいる近隣地域への支援を行っています。ホットスポットは優れたツールですが、そもそもネットワークが提供されていなければ役に立ちません。」とヴィトコフスキー氏。
ホットスポットは無線信号をWi-Fiに変換し、ラップトップがブロードバンドに接続できるようにします。自宅に物理的なインフラがなく、ブロードバンドを提供できるだけの配線設備がない場合でも、ホットスポットがあれば学生はすぐにインターネットに接続して自宅で学習を続けることができます。
ヴィトコフスキー氏は次のように語ります。「多くの場合、家の中の配線設備は標準以下で、経年劣化している場合も多く、物理的な損傷を受けていることもよくあります。携帯ホットスポットであれば配線なしでブロードバンドが提供でき、引っ越しても簡単に移動させることができます」
多くの学校では春学期を止めて、秋に授業を再開できることを期待して計画を立てはじめる一方で、秋にも同様にバーチャルでのオンライン授業になる可能性も検討しています。
「オンライン授業が学生たちにとっての“ニュー・ノーマル(新たな日常)”になる可能性も考えておくべきです。つまり、自宅にいる学生たちにブロードバンドを提供しなければならないということです。ブロードバンドは新たな教科書であり、学生が教科書なしに学校に通えると思う人はいないはずです。」とヴィトコフスキー氏は提言します。
■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。
詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。