連合調べ テレワーカーの労働実態 「仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった」71.2% 「テレワーク勤務になったことを理由として給料が引き下げられたことがあった」29.0%
[20/06/30]
提供元:@Press
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新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークを導入する職場が急増しているといわれています。
そこで、日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:神津 里季生)は、テレワークで働く人の意識や実態を把握するため、「テレワークに関する調査」を2020年6月5日〜6月9日の5日間でインターネットリサーチにより実施し、今年4月以降にテレワークを行った全国の18歳〜65歳の男女(会社員・公務員・団体職員・パート・アルバイト)1,000名の有効サンプルを集計しました。なお、回答者の地域別割合は、北海道・東北(6.1%)、関東(56.0%)、北陸・甲信越(3.0%)、東海(8.9%)、近畿(17.7%)、中国・四国(3.7%)、九州・沖縄(4.6%)でした。(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
≪テレワークの際の働き方について≫
◆今年の4月以降にテレワークを行ったテレワーカーの72.7%が「テレワークは勤務日の5割以上」と回答
◆1日のテレワーク時間 テレワーカーの37.9%が「8時間以上」、34.3%が「6〜7時間程度」が多いと回答
今年の4月以降にテレワークを行った全国の18歳〜65歳の男女(会社員・公務員・団体職員・パート・アルバイト)1,000名(全回答者)に、テレワークの際の働き方について質問しました。
全回答者(1,000名)に、今年の4月以降、どのくらいの頻度でテレワークを行っていたか聞いたところ、「勤務日は毎日」は26.0%、「勤務日の7〜8割程度」は25.9%、「勤務日の5割程度」は20.8%で、合計した『勤務日の5割以上』は72.7%となりました。
年齢層別にみると、『勤務日の5割以上』と回答した人の割合は若い層ほど高い傾向がみられ、18歳〜29歳では79.2%でした。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_1.jpg
また、今年の4月以降、テレワークでは1日にどのくらい働くことが多かったか聞いたところ、「4時間未満」は11.8%、「4〜5時間程度」は16.0%、「6〜7時間程度」は34.3%となり、「8〜9時間程度」は33.8%、「10時間以上」は4.1%で、合計した『8時間以上』は37.9%となりました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_2.jpg
◆テレワーク時の労働時間管理方法
「ネットワーク上の出退勤管理」27.6%、「管理者へのメール」18.7%、「パソコンの使用時間記録」16.7%
先ず、全回答者(1,000名)に、自身の勤め先では、テレワークではなく、出勤した際、どのように労働時間を管理しているか聞いたところ、「パソコン等の使用時間(ログインとログアウト)の記録」(27.4%)が最も高く、次いで、「タイムレコーダーによる管理」(18.7%)、「ICリーダー等での出退勤時刻の読み取り」(12.2%)となりました。
職場の従業員の規模別にみると、「労働時間管理をしていない」は99人以下の職場では20.5%と、100人以上の職場(100人〜999人の職場9.3%、1,000人以上の職場8.7%)と比べて高くなりました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_3.jpg
次に、自身の勤め先では、テレワークの際、どのように労働時間を管理しているか聞いたところ、「ネットワーク上の出退勤管理システムでの打刻」(27.6%)が最も高く、次いで、「メール等による管理者への報告」(18.7%)、「パソコン等の使用時間(ログインとログアウト)の記録」(16.7%)となりました。
職場の従業員の規模別にみると、出勤した際の労働時間管理の場合と同じ傾向がみられ、「時間管理をしていない」は99人以下の職場(23.5%)が突出して高くなりました。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_4.jpg
◆「テレワークで、残業代支払い対象の時間外・休日労働を行うことがあった」38.1%、10代・20代では51.6%
◆「テレワークで、残業代支払い対象の時間外・休日労働をしても申告しないことがあった」65.1%
◆「テレワークで、残業代支払い対象の時間外・休日労働をしても勤務先に認められないことがあった」56.4%
◆時間外・休日労働をしても申告しなかった理由 TOP2「申告しづらい雰囲気」「時間管理がされていない」
今年の4月以降、テレワークで、残業代支払いの対象となる時間外・休日労働を行うことがあったか聞いたところ、「よくあった」は6.8%、「ときどきあった」は18.9%、「まれにあった」は12.4%で、合計した『あった』は38.1%となりました。
年齢層別にみると、『あった』と回答した人の割合は若い層ほど高い傾向がみられ、18歳〜29歳では51.6%と、半数以上となりました。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_5.jpg
今年の4月以降のテレワークで、残業代支払いの対象となる時間外・休日労働を行うことがあった人(381名)に、自身が行った時間外・休日労働の申告や承認について、経験の有無を聞きました。
今年の4月以降のテレワーク勤務の際、≪残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず申告しないこと≫があったか聞いたところ、『あった』と回答した人の割合は65.1%となりました。また、≪残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず勤務先に認められないこと≫があったか聞いたところ、『あった』は56.4%となりました。時間外労働や休日労働をしても申告しないケースや、申告しても認められなかったケースが多いようです。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_6.jpg
では、どのような理由から申告しなかったのでしょうか。
残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず申告しなかった人(248名)に、申告しなかった理由として最もあてはまるものを聞いたところ、「申告しづらい雰囲気だから」(26.6%)と「時間管理がされていないから」(25.8%)が高く、以降、「しなくても良いと思ったから」(12.1%)、「上司に申告をするなと言われたから」(11.7%)が続きました。
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_7.jpg
◆テレワーカーの労働実態 「仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった」71.2%
「通常の勤務よりも長時間労働になることがあった」51.5%
「深夜の時間帯(午後10時〜午前5時)に仕事をすることがあった」32.4%
「テレワーク勤務になったことを理由として給料が引き下げられたことがあった」29.0%
全回答者(1,000名)に、今年の4月以降のテレワーク勤務における経験の有無を聞きました。
≪仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなること≫では『あった』が71.2%、≪勤務時間の間に定められた休憩時間がきちんととれないこと≫では53.6%となりました。テレワークをしていて、メリハリがうまくつけられなかったり、休憩時間をきちんととれなかったという人が多いようです。
また、≪通常の勤務(出勤しての勤務)よりも長時間労働になること≫では51.5%となりました。普段の労働時間を超過したというケースも多いことがわかりました。
そのほか、≪深夜の時間帯(午後10時〜午前5時)に仕事をすること≫では32.4%、≪勤務時間外に仕事に関する連絡をとること≫では55.9%、≪テレワーク勤務になったことを理由として給料が引き下げられたこと≫では29.0%となりました。
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_8.jpg
≪テレワーク時の使用機器と費用補助について≫
◆テレワーク時の使用機器 「私物のパソコン」34.2%、「私物のスマートフォン」20.6%
◆テレワークで発生する費用について、勤務先からの補助はあるか?
「自宅の電気代の補助はない」74.4%、「私物の機材を設置・更新する費用の補助はない」59.2%
全回答者(1,000名)に、テレワークの際に使用している機器を聞いたところ、「会社支給のパソコン・タブレット」(57.6%)が最も高くなったほか、「会社支給の携帯電話・スマートフォン」は29.5%、「私物のパソコン・タブレット」は34.2%、「私物の携帯電話・スマートフォン」は20.6%でした。私物のパソコンやスマートフォンを使用してテレワークをしている人は少なくないようです。
画像9: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_9.jpg
また、テレワークで発生する費用に対する勤め先からの補助の状況について聞きました。
テレワークで発生する費用について、勤め先からの「補助はない」と回答した人の割合をみると、<(自宅の)電気代>は74.4%、<無線LAN(Wi-Fi)や携帯電話の回線使用料や通信費用>は66.3%、<私物の機材を利用している場合の機材の設置・更新に係る費用>は59.2%、<テレワークする場所の使用料金や機器レンタル料金>は57.1%、<文房具・宅配等事務費用>は59.4%と、いずれの費用についても、補助がなく全額自己負担になっているというケースが多数派となりました。
画像10: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_10.jpg
≪テレワーク中の生活について≫
◆テレワークによる生活面への影響 1位「家族の会話の増加」2位「プライベートの充実」
全回答者(1,000名)に、テレワークを行うようになったことで、生活(家族との生活)にどのような影響があったか聞いたところ、「家族の会話が増えた」(29.5%)が最も高く、次いで、「プライベートの充実につながった」(25.4%)、「趣味に費やす時間が増えた」(20.4%)、「家事の分担が進んだ」(12.3%)、「家族のちょっとしたことでイライラするようになった」(9.9%)となりました。テレワークにより、家族との時間や自分自身の時間が充実したという人がいる一方で、家族との関係をうまく保てなくなったという人もみられました。
年齢層別にみると、18歳〜29歳では「プライベートの充実につながった」(34.4%)と「趣味に費やす時間が増えた」(28.8%)が、他の層と比べて高くなりました。若年層には、テレワークにより自分の時間を確保できるようになり、ライフワークバランスを保てるようになったと感じている人が多いようです。
画像11: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_11.jpg
◆小学生以下の子どもと同居している人の80.9%が「子どもが家にいるときのテレワークに難しさを感じる」
難しさを感じる理由 TOP2「身の回りの世話をしなければいけない」「遊び相手にならなければいけない」
高校生以下の子どもと同居している人(319名)に、子どもが家にいるときのテレワークに難しさを感じるか聞いたところ、「感じる」は70.2%、「感じない」は29.8%となりました。子どもの様子をいつでも気にかけることができる半面、仕事をする上では課題があると感じている人が多いようです。
男女別にみると、テレワークに難しさを感じる人の割合は女性は75.8%と、男性(67.7%)と比べて8.1ポイント高くなりました。
また、小学生以下の子どもの有無別にみると、小学生以下の子どもがいる人の80.9%が「感じる」と回答しており、小学生以下の子どもがいない人(39.8%)と比べて約2倍になりました。
画像12: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_12.jpg
子どもが家にいるときのテレワークが難しいと感じている人(224名)に、テレワークが難しいと感じる理由を聞いたところ、「子どもの身の回りの世話をしなければいけないから」(52.7%)と「子どもの遊び相手にならなければいけないから」(52.2%)が高くなりました。以降、「子どもの昼食を準備しないといけないから」(42.0%)、「子どもが頻繁に話しかけてくるから」(27.7%)、「子どもの勉強を見ないといけないから」(25.0%)、「オンライン会議中に子どもが騒ぐから」(23.7%)が続きました。
男女別にみると、女性では「子どもの昼食を準備しないといけないから」(60.0%)が最も高くなりました。女性の多くは、テレワーク中、子どもの昼食準備と並行しながら仕事を進めることに難しさを感じているようです。
また、小学生以下の子どもの有無別にみると、小学生以下の子どもがいる人では「子どもの身の回りの世話をしなければいけないから」と「子どもの遊び相手にならなければいけないから」はどちらも57.6%と、小学生以下の子どもがいない人(それぞれ24.2%、21.2%)と比べてどちらも30ポイント以上高くなりました。
画像13: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_13.jpg
≪今後のテレワークの希望について≫
◆今後のテレワーク継続意向 「希望する」81.8%、30代女性では89.6%と高い傾向
◆テレワークをどのくらいの頻度で行いたい? 「勤務日の5割以上」はテレワーク継続希望者の63.1%
全回答者(1,000名)に、テレワークの継続を希望するか聞いたところ、「希望する」は81.8%、「希望しない」は18.2%となりました。実際にテレワークを行ってみて、自分に合った働き方だと感じた人が多いのではないでしょうか。
男女・年齢層別にみると、テレワークの継続を希望する人の割合は、男性では年齢層が上がるにつれ高くなる傾向がみられ、50歳〜65歳では85.6%となりました。他方、女性では30歳〜39歳(89.6%)を頂点に、年齢層が上がるにつれ低くなる傾向がみられました。
画像14: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_14.jpg
また、テレワークの継続を希望する人(818名)に、どのくらいの頻度でテレワークを行いたいか聞いたところ、「勤務日は毎日」は16.9%、「勤務日の7〜8割程度」は21.6%、「勤務日の5割程度」は24.6%で、合計した『勤務日の5割以上』は63.1%となりました。
男女・年齢層別にみると、『勤務日の5割以上』と回答した人の割合は、男女とも若い年齢層のほうが高い傾向がみられ、18歳〜29歳男性は67.3%、18歳〜29歳女性は74.2%となりました。
画像15: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_15.jpg
≪テレワークのメリットとデメリットについて≫
◆テレワークのメリット 1位「通勤がなく、時間を有効利用できる」2位「服装が自由」3位「好きな時間にできる」
◆テレワークのデメリット 1位「時間の区別がつけづらい」2位「運動不足」3位「コミュニケーションが不足する」
テレワークのどのような点がメリットやデメリットだと考えられているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、テレワークのどのような点にメリットを感じているか聞いたところ、「通勤がないため、時間を有効に利用できる」(74.6%)が最も高くなりました。以降、「自由な服装で仕事をすることができる」(48.0%)、「自分の好きな時間に仕事をすることができる」(25.6%)、「好きな場所で仕事ができる」(19.8%)、「業務に集中できる」(15.5%)が続きました。
今後のテレワークの継続希望別にみると、「通勤がないため、時間を有効に利用できる」はテレワーク継続希望者では78.6%と、テレワーク継続非希望者(56.6%)に比べて22.0ポイント高くなりました。通勤のためにかかっていた時間を有効活用できる点を魅力に感じ、今後もテレワークを続けたいと考える人が多いようです。
画像16: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_16.jpg
他方、テレワークのどのような点にデメリットを感じているか聞いたところ、「勤務時間とそれ以外の時間の区別がつけづらい」(44.9%)が最も高くなりました。オンとオフの区別をつけることの難しさを実感している人が多いようです。以降、「運動不足になる」(38.8%)、「上司、同僚とのコミュニケーションが不足する」(37.6%)、「業務の効率が低下する」(20.3%)、「適正な評価が行われるのか不安」(16.6%)が続きました。
今後のテレワークの継続希望別にみると、「業務の効率が低下する」はテレワーク継続非希望者では32.4%と、テレワーク継続希望者(17.6%)に比べて14.8ポイント高くなりました。テレワークを今後続けたいと思わない人の中には、職場での勤務と比べて、テレワークは業務効率が低下し、パフォーマンスが落ちると実感した人が少なくないようです。
画像17: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_17.jpg
≪テレワークを継続する上での課題について≫
◆テレワークを継続する上での主な課題
「会社トップの意識改革」(31.3%)、「経費の負担」(28.6%)、「適切な労働時間管理」(24.2%)
最後に、全回答者(1,000名)に、テレワークを継続する上での課題だと思うことを聞いたところ、意識改革関連では、「会社トップの意識改革」が31.3%、「上司や同僚の意識改革」が26.4%、「自分自身の意識改革」が20.8%となりました。テレワークという新しい働き方を今後継続していくために、会社のトップに対し意識改革を求めているテレワーカーが多いという実態が明らかになりました。
また、環境整備関連では「経費の負担」が28.6%、労務管理関連では、「適切な労働時間管理」が24.2%となりました。テレワークで発生する経費をどのように勤務先が負担するかといったことや、万全な情報セキュリティシステムをどのように維持・運用していけばよいかといったこと、適切な労働時間管理の必要性などを、今後の課題として重要視している人も多いことがわかりました。
画像18: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_18.jpg
そこで、日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:神津 里季生)は、テレワークで働く人の意識や実態を把握するため、「テレワークに関する調査」を2020年6月5日〜6月9日の5日間でインターネットリサーチにより実施し、今年4月以降にテレワークを行った全国の18歳〜65歳の男女(会社員・公務員・団体職員・パート・アルバイト)1,000名の有効サンプルを集計しました。なお、回答者の地域別割合は、北海道・東北(6.1%)、関東(56.0%)、北陸・甲信越(3.0%)、東海(8.9%)、近畿(17.7%)、中国・四国(3.7%)、九州・沖縄(4.6%)でした。(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
≪テレワークの際の働き方について≫
◆今年の4月以降にテレワークを行ったテレワーカーの72.7%が「テレワークは勤務日の5割以上」と回答
◆1日のテレワーク時間 テレワーカーの37.9%が「8時間以上」、34.3%が「6〜7時間程度」が多いと回答
今年の4月以降にテレワークを行った全国の18歳〜65歳の男女(会社員・公務員・団体職員・パート・アルバイト)1,000名(全回答者)に、テレワークの際の働き方について質問しました。
全回答者(1,000名)に、今年の4月以降、どのくらいの頻度でテレワークを行っていたか聞いたところ、「勤務日は毎日」は26.0%、「勤務日の7〜8割程度」は25.9%、「勤務日の5割程度」は20.8%で、合計した『勤務日の5割以上』は72.7%となりました。
年齢層別にみると、『勤務日の5割以上』と回答した人の割合は若い層ほど高い傾向がみられ、18歳〜29歳では79.2%でした。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_1.jpg
また、今年の4月以降、テレワークでは1日にどのくらい働くことが多かったか聞いたところ、「4時間未満」は11.8%、「4〜5時間程度」は16.0%、「6〜7時間程度」は34.3%となり、「8〜9時間程度」は33.8%、「10時間以上」は4.1%で、合計した『8時間以上』は37.9%となりました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_2.jpg
◆テレワーク時の労働時間管理方法
「ネットワーク上の出退勤管理」27.6%、「管理者へのメール」18.7%、「パソコンの使用時間記録」16.7%
先ず、全回答者(1,000名)に、自身の勤め先では、テレワークではなく、出勤した際、どのように労働時間を管理しているか聞いたところ、「パソコン等の使用時間(ログインとログアウト)の記録」(27.4%)が最も高く、次いで、「タイムレコーダーによる管理」(18.7%)、「ICリーダー等での出退勤時刻の読み取り」(12.2%)となりました。
職場の従業員の規模別にみると、「労働時間管理をしていない」は99人以下の職場では20.5%と、100人以上の職場(100人〜999人の職場9.3%、1,000人以上の職場8.7%)と比べて高くなりました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_3.jpg
次に、自身の勤め先では、テレワークの際、どのように労働時間を管理しているか聞いたところ、「ネットワーク上の出退勤管理システムでの打刻」(27.6%)が最も高く、次いで、「メール等による管理者への報告」(18.7%)、「パソコン等の使用時間(ログインとログアウト)の記録」(16.7%)となりました。
職場の従業員の規模別にみると、出勤した際の労働時間管理の場合と同じ傾向がみられ、「時間管理をしていない」は99人以下の職場(23.5%)が突出して高くなりました。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_4.jpg
◆「テレワークで、残業代支払い対象の時間外・休日労働を行うことがあった」38.1%、10代・20代では51.6%
◆「テレワークで、残業代支払い対象の時間外・休日労働をしても申告しないことがあった」65.1%
◆「テレワークで、残業代支払い対象の時間外・休日労働をしても勤務先に認められないことがあった」56.4%
◆時間外・休日労働をしても申告しなかった理由 TOP2「申告しづらい雰囲気」「時間管理がされていない」
今年の4月以降、テレワークで、残業代支払いの対象となる時間外・休日労働を行うことがあったか聞いたところ、「よくあった」は6.8%、「ときどきあった」は18.9%、「まれにあった」は12.4%で、合計した『あった』は38.1%となりました。
年齢層別にみると、『あった』と回答した人の割合は若い層ほど高い傾向がみられ、18歳〜29歳では51.6%と、半数以上となりました。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_5.jpg
今年の4月以降のテレワークで、残業代支払いの対象となる時間外・休日労働を行うことがあった人(381名)に、自身が行った時間外・休日労働の申告や承認について、経験の有無を聞きました。
今年の4月以降のテレワーク勤務の際、≪残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず申告しないこと≫があったか聞いたところ、『あった』と回答した人の割合は65.1%となりました。また、≪残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず勤務先に認められないこと≫があったか聞いたところ、『あった』は56.4%となりました。時間外労働や休日労働をしても申告しないケースや、申告しても認められなかったケースが多いようです。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_6.jpg
では、どのような理由から申告しなかったのでしょうか。
残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず申告しなかった人(248名)に、申告しなかった理由として最もあてはまるものを聞いたところ、「申告しづらい雰囲気だから」(26.6%)と「時間管理がされていないから」(25.8%)が高く、以降、「しなくても良いと思ったから」(12.1%)、「上司に申告をするなと言われたから」(11.7%)が続きました。
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_7.jpg
◆テレワーカーの労働実態 「仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった」71.2%
「通常の勤務よりも長時間労働になることがあった」51.5%
「深夜の時間帯(午後10時〜午前5時)に仕事をすることがあった」32.4%
「テレワーク勤務になったことを理由として給料が引き下げられたことがあった」29.0%
全回答者(1,000名)に、今年の4月以降のテレワーク勤務における経験の有無を聞きました。
≪仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなること≫では『あった』が71.2%、≪勤務時間の間に定められた休憩時間がきちんととれないこと≫では53.6%となりました。テレワークをしていて、メリハリがうまくつけられなかったり、休憩時間をきちんととれなかったという人が多いようです。
また、≪通常の勤務(出勤しての勤務)よりも長時間労働になること≫では51.5%となりました。普段の労働時間を超過したというケースも多いことがわかりました。
そのほか、≪深夜の時間帯(午後10時〜午前5時)に仕事をすること≫では32.4%、≪勤務時間外に仕事に関する連絡をとること≫では55.9%、≪テレワーク勤務になったことを理由として給料が引き下げられたこと≫では29.0%となりました。
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_8.jpg
≪テレワーク時の使用機器と費用補助について≫
◆テレワーク時の使用機器 「私物のパソコン」34.2%、「私物のスマートフォン」20.6%
◆テレワークで発生する費用について、勤務先からの補助はあるか?
「自宅の電気代の補助はない」74.4%、「私物の機材を設置・更新する費用の補助はない」59.2%
全回答者(1,000名)に、テレワークの際に使用している機器を聞いたところ、「会社支給のパソコン・タブレット」(57.6%)が最も高くなったほか、「会社支給の携帯電話・スマートフォン」は29.5%、「私物のパソコン・タブレット」は34.2%、「私物の携帯電話・スマートフォン」は20.6%でした。私物のパソコンやスマートフォンを使用してテレワークをしている人は少なくないようです。
画像9: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_9.jpg
また、テレワークで発生する費用に対する勤め先からの補助の状況について聞きました。
テレワークで発生する費用について、勤め先からの「補助はない」と回答した人の割合をみると、<(自宅の)電気代>は74.4%、<無線LAN(Wi-Fi)や携帯電話の回線使用料や通信費用>は66.3%、<私物の機材を利用している場合の機材の設置・更新に係る費用>は59.2%、<テレワークする場所の使用料金や機器レンタル料金>は57.1%、<文房具・宅配等事務費用>は59.4%と、いずれの費用についても、補助がなく全額自己負担になっているというケースが多数派となりました。
画像10: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_10.jpg
≪テレワーク中の生活について≫
◆テレワークによる生活面への影響 1位「家族の会話の増加」2位「プライベートの充実」
全回答者(1,000名)に、テレワークを行うようになったことで、生活(家族との生活)にどのような影響があったか聞いたところ、「家族の会話が増えた」(29.5%)が最も高く、次いで、「プライベートの充実につながった」(25.4%)、「趣味に費やす時間が増えた」(20.4%)、「家事の分担が進んだ」(12.3%)、「家族のちょっとしたことでイライラするようになった」(9.9%)となりました。テレワークにより、家族との時間や自分自身の時間が充実したという人がいる一方で、家族との関係をうまく保てなくなったという人もみられました。
年齢層別にみると、18歳〜29歳では「プライベートの充実につながった」(34.4%)と「趣味に費やす時間が増えた」(28.8%)が、他の層と比べて高くなりました。若年層には、テレワークにより自分の時間を確保できるようになり、ライフワークバランスを保てるようになったと感じている人が多いようです。
画像11: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_11.jpg
◆小学生以下の子どもと同居している人の80.9%が「子どもが家にいるときのテレワークに難しさを感じる」
難しさを感じる理由 TOP2「身の回りの世話をしなければいけない」「遊び相手にならなければいけない」
高校生以下の子どもと同居している人(319名)に、子どもが家にいるときのテレワークに難しさを感じるか聞いたところ、「感じる」は70.2%、「感じない」は29.8%となりました。子どもの様子をいつでも気にかけることができる半面、仕事をする上では課題があると感じている人が多いようです。
男女別にみると、テレワークに難しさを感じる人の割合は女性は75.8%と、男性(67.7%)と比べて8.1ポイント高くなりました。
また、小学生以下の子どもの有無別にみると、小学生以下の子どもがいる人の80.9%が「感じる」と回答しており、小学生以下の子どもがいない人(39.8%)と比べて約2倍になりました。
画像12: https://www.atpress.ne.jp/releases/217469/img_217469_12.jpg
子どもが家にいるときのテレワークが難しいと感じている人(224名)に、テレワークが難しいと感じる理由を聞いたところ、「子どもの身の回りの世話をしなければいけないから」(52.7%)と「子どもの遊び相手にならなければいけないから」(52.2%)が高くなりました。以降、「子どもの昼食を準備しないといけないから」(42.0%)、「子どもが頻繁に話しかけてくるから」(27.7%)、「子どもの勉強を見ないといけないから」(25.0%)、「オンライン会議中に子どもが騒ぐから」(23.7%)が続きました。
男女別にみると、女性では「子どもの昼食を準備しないといけないから」(60.0%)が最も高くなりました。女性の多くは、テレワーク中、子どもの昼食準備と並行しながら仕事を進めることに難しさを感じているようです。
また、小学生以下の子どもの有無別にみると、小学生以下の子どもがいる人では「子どもの身の回りの世話をしなければいけないから」と「子どもの遊び相手にならなければいけないから」はどちらも57.6%と、小学生以下の子どもがいない人(それぞれ24.2%、21.2%)と比べてどちらも30ポイント以上高くなりました。
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≪今後のテレワークの希望について≫
◆今後のテレワーク継続意向 「希望する」81.8%、30代女性では89.6%と高い傾向
◆テレワークをどのくらいの頻度で行いたい? 「勤務日の5割以上」はテレワーク継続希望者の63.1%
全回答者(1,000名)に、テレワークの継続を希望するか聞いたところ、「希望する」は81.8%、「希望しない」は18.2%となりました。実際にテレワークを行ってみて、自分に合った働き方だと感じた人が多いのではないでしょうか。
男女・年齢層別にみると、テレワークの継続を希望する人の割合は、男性では年齢層が上がるにつれ高くなる傾向がみられ、50歳〜65歳では85.6%となりました。他方、女性では30歳〜39歳(89.6%)を頂点に、年齢層が上がるにつれ低くなる傾向がみられました。
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また、テレワークの継続を希望する人(818名)に、どのくらいの頻度でテレワークを行いたいか聞いたところ、「勤務日は毎日」は16.9%、「勤務日の7〜8割程度」は21.6%、「勤務日の5割程度」は24.6%で、合計した『勤務日の5割以上』は63.1%となりました。
男女・年齢層別にみると、『勤務日の5割以上』と回答した人の割合は、男女とも若い年齢層のほうが高い傾向がみられ、18歳〜29歳男性は67.3%、18歳〜29歳女性は74.2%となりました。
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≪テレワークのメリットとデメリットについて≫
◆テレワークのメリット 1位「通勤がなく、時間を有効利用できる」2位「服装が自由」3位「好きな時間にできる」
◆テレワークのデメリット 1位「時間の区別がつけづらい」2位「運動不足」3位「コミュニケーションが不足する」
テレワークのどのような点がメリットやデメリットだと考えられているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、テレワークのどのような点にメリットを感じているか聞いたところ、「通勤がないため、時間を有効に利用できる」(74.6%)が最も高くなりました。以降、「自由な服装で仕事をすることができる」(48.0%)、「自分の好きな時間に仕事をすることができる」(25.6%)、「好きな場所で仕事ができる」(19.8%)、「業務に集中できる」(15.5%)が続きました。
今後のテレワークの継続希望別にみると、「通勤がないため、時間を有効に利用できる」はテレワーク継続希望者では78.6%と、テレワーク継続非希望者(56.6%)に比べて22.0ポイント高くなりました。通勤のためにかかっていた時間を有効活用できる点を魅力に感じ、今後もテレワークを続けたいと考える人が多いようです。
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他方、テレワークのどのような点にデメリットを感じているか聞いたところ、「勤務時間とそれ以外の時間の区別がつけづらい」(44.9%)が最も高くなりました。オンとオフの区別をつけることの難しさを実感している人が多いようです。以降、「運動不足になる」(38.8%)、「上司、同僚とのコミュニケーションが不足する」(37.6%)、「業務の効率が低下する」(20.3%)、「適正な評価が行われるのか不安」(16.6%)が続きました。
今後のテレワークの継続希望別にみると、「業務の効率が低下する」はテレワーク継続非希望者では32.4%と、テレワーク継続希望者(17.6%)に比べて14.8ポイント高くなりました。テレワークを今後続けたいと思わない人の中には、職場での勤務と比べて、テレワークは業務効率が低下し、パフォーマンスが落ちると実感した人が少なくないようです。
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≪テレワークを継続する上での課題について≫
◆テレワークを継続する上での主な課題
「会社トップの意識改革」(31.3%)、「経費の負担」(28.6%)、「適切な労働時間管理」(24.2%)
最後に、全回答者(1,000名)に、テレワークを継続する上での課題だと思うことを聞いたところ、意識改革関連では、「会社トップの意識改革」が31.3%、「上司や同僚の意識改革」が26.4%、「自分自身の意識改革」が20.8%となりました。テレワークという新しい働き方を今後継続していくために、会社のトップに対し意識改革を求めているテレワーカーが多いという実態が明らかになりました。
また、環境整備関連では「経費の負担」が28.6%、労務管理関連では、「適切な労働時間管理」が24.2%となりました。テレワークで発生する経費をどのように勤務先が負担するかといったことや、万全な情報セキュリティシステムをどのように維持・運用していけばよいかといったこと、適切な労働時間管理の必要性などを、今後の課題として重要視している人も多いことがわかりました。
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