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ふじみ野市プール事故から5年目、7月31日を「プール安全の日」と定め 安全普及啓発運動を展開

特定非営利活動法人日本プール安全管理振興協会(所在地:神奈川県横浜市、理事長:北條 龍治)では、ふじみ野市プールでの排水口事故から5年経過したことをうけ、今後のプールの安全管理レベルが継続的に向上されていくことを願い、7月31日を「プール安全の日」、7月31日から1週間を「プール安全週間」と定めて安全普及啓発運動を展開します。


【「プール安全の日」制定の背景】
ふじみ野市プールでの排水口事故から5年、悲惨な事故の記憶も風化されつつあります。事故後、プール施設は改修され、国からはプールの安全標準指針が出されたことで、事故の再発は防止されたかのように思われています。

しかし、施設は改修されても、人的な安全管理上の問題はいまだ改善されていない現状の中で、多くのプール事故による犠牲が払われ続けています。

このような現状を改善し、今後のプールの安全管理レベルが継続的に向上されていくことを願い、ご遺族の同意をえて、7月31日を「プール安全の日」、この日から1週間を「プール安全週間」として安全普及啓発運動を展開します。

また、3月11日の東日本大震災時に、プール水の流出や、天井の崩落などの被害が出る中、多くのプールで適切な避難誘導がなされなかったとの報告があり、プールの安全管理上新たな問題として、今後より詳細な実態調査を進めるとともに、プールにおける大規模災害を想定した安全対策と緊急時対応の準備の必要性についても呼びかけを行います。

テーマ:《一つ一つの小さな命の大きな意味を守りましょう!》
目標課題:1.プール事故の犠牲者を悼み、事故防止意識を啓発しましょう!
     2.プール施設と管理両面の、安全点検を行いましょう!
     3.プールの事故や災害を想定した安全対策を点検し、
       避難誘導訓練を行いましょう!


【「プール安全の日」および「プール安全週間」における
安全普及啓発運動の概要】

1.安全普及啓発運動実施期間
  2011年7月31日(日)から8月6日(土)まで。

2.安全普及啓発運動実施場所
  北海道、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県、栃木県、
 茨城県、群馬県、新潟県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県、
  静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、福井県、京都府、
  滋賀県、岡山県、鳥取県、島根県、広島県、愛媛県、徳島県、山口県、
  福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
 の73会員拠点など。

3.安全普及啓発運動実施主体者および参加者
  主体者:特定非営利活動法人 日本プール安全管理振興協会
  参加者:特定非営利活動法人 日本プール安全管理振興協会会員および賛同者など。

4.安全普及啓発運動実施内容
 (1)当会ホームページによる全国のプール関係者への呼びかけ
 (2)2.の各都道府県73箇所の会員拠点から、当該地域のプール関係者への呼びかけとチラシ等の配布
 (3)講師派遣実績等のある青森県教育庁、山形県教育庁、栃木県教育委員会、埼玉県教育委員会、千葉県教育庁、東京都スポーツ振興局、神奈川県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、宮崎市教育委員会、ふじみ野市、北本市教育委員会、上越市教育委員会などの協力によるプール関係者への呼びかけ
 (4)各主要メディアに対するプレスリリースによる情報提供
 (5)文部科学省、国土交通省、厚生労働省、警察庁、消防庁、日本赤十字社、青森県教育庁、山形県教育庁、栃木県教育委員会、埼玉県教育委員会、千葉県教育庁、東京都スポーツ振興局、神奈川県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、宮崎市教育委員会、ふじみ野市、北本市教育委員会、上越市教育委員会などへの後援および協力の依頼
 (6)としまえんプール、西武園ゆうえんちプール、姫路セントラルパークAQUAREAプール、浜名湖パルパル・パルプール、スペースワールド・ウォーターパーク・ミューナなどで当会会員による呼びかけや、災害を想定した避難誘導訓練等の実施。

 ※来年度は、上記4.安全普及啓発運動実施内容(1)から(6)の他に、「プール安全管理シンポジューム2012」や「親と子のプールの安全利用教室」「プール安全街頭キャンペーン」などの展開を計画しています。

5.安全普及啓発運動実施の背景
2006年7月31日に埼玉県ふじみ野市で当時小学2年生の女児の命を犠牲にしたプールの排水口事故から今年で5年目を迎えます。
この事故の悲惨さと、あまりに杜撰なプールの安全管理の実態から、大きな関心がよせられ、この事故を契機に国も全国4万数千のプール施設に対して緊急点検と整備を呼びかけました、また翌2007年には当協会も策定に協力した「プールの安全標準指針」が文部科学省、国土交通省によって全国のプール関係者にアピールされました。
事故から5年が経過した現在、プール施設ではおおむね排水口のボルトによる固定や、二重柵の設置などの改善がなされましたが、昨年7月には愛媛県今治市でまた排水口による児童の吸い込み事故が起きました、これらを単に施設の不備による事故と見るのではなく、人的な安全管理上の問題と捉え、施設の安全改修とともに安全管理レベルの改善を図らなければ、ヒューマンエラーによるプールの死亡事故は後を絶ちません。


【プールで死亡事故が頻発する原因と、事故を大きく軽減するための対策】
1.人任せのプールの事故防止意識の存在。
  プールの安全管理に関わる施設設置者と安全管理従事者と利用者の3者は、それぞれの立場から応分に主体的な安全意識を持ち、三位一体となった安全管理を行わなければ、事故は軽減されません。

2.水の安全教育が実施されていない。
  現在ほとんどの人が泳げるのは、学校教育の恩恵と言えます。もし学校におけるプール授業で適切な水の安全教育プログラムが導入されれば、ほとんどの人が溺れない能力を身につけることが出来るのです。泳げる=溺れない!とは限らないのです。

3.人命を最優先すべき業務の発注、受注がなされていない。
  現在、プール施設設置者が指定管理業者などの安全管理従事者を選定する公正な方法として、競争入札などで選ばれるのが一般的であり、業者としての経営実績などは問われるものの、安全管理能力や事故対処能力を問われる選定方法は無く、予算の削減に応じて、さらに安全管理能力も低くならざるをえない実情です。

4.水の事故防止に対する国民意識の低さ。
  もともと海や川など、水による事故の犠牲はいたしかた無いと言う価値観があります。この国の水の事故件数は先進国中第1位といわれています。

5.人命を預かるべきプロフェッショナルの不在。
  ビルメンテナンス会社、清掃業者などが指定管理業者として請け負うことも多く、プールの安全管理を専業とするプロが不在の状況です。近年、これらの業務に大手スポーツクラブなども参入し始めていますが、スポーツ指導のプロであっても、安全管理のプロフェッショナルとは言えません。

6.安全管理方法や救助法に関する教育機会、情報不足。
  日本赤十字社水上安全法講習会や消防署での普通救命救急法講習会を受講する者はいるものの、これらの講習や資格自体、プールの安全管理を担い、人命を預かるべきプロフェッショナルのための教育内容ではありません。日本プール安全管理振興協会の「プール安全管理者基礎検定」や「プールライフガード資格講習」などプールの安全管理に特化した教育機会や、情報の不足は否めません。

7.安全管理を担う人材不足。
  プールにおける安全管理従事者の多くが、夏期だけの短期雇用の学生アルバイトであったり、低い賃金にたえられる高齢者の労働力に頼られていることが多く、専門職としてプロの安全管理従事者がほとんどいないうえ、ふじみ野市プール事故以来、その責任の重大さから学生などのアルバイトとして敬遠される傾向があります。


このような状況から、過去の事故の反省を決して風化させてしまわないため、またこれからも起こりえる多くの人的な安全管理上の問題による事故を防止していくため、事故から5年目を迎えるにあたり、ご遺族の同意を得て7月31日を「プール安全の日」とし、この日から1週間を「プール安全週間」といたしました。


【団体概要】
名称   : 特定非営利活動法人 日本プール安全管理振興協会
代表者  : 理事長 北條 龍治(ホウジョウ タツジ)
所在地  : 〒230-0003
       神奈川県横浜市鶴見区尻手1-4-51 ハイムササキビル3F
設立年月日: 2007年4月2日
URL    : http://www.poolsafety.jp
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