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GfK Japan調べ:2011年上半期 家電・IT市場動向

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、2011年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表した。


【国内家電市場概況:東日本大震災による需要の落ち込みは、1ヶ月で回復基調に】
 3月11日の東日本大震災の発生直後、家電量販店の売上高は一時的に前年比約2割減にまで落ち込んだが、3月末からは復興需要が立ち上がり、回復基調に転じた。5月以降は全国的な電力不足を背景に、節電関連家電製品の販売が伸びたことに加え、間近に迫ったアナログ停波に向けたテレビ、レコーダーの需要が高まったことが追い風となり、売上高前年比はプラスで推移した。


【薄型TV:アナログ停波に向け4月以降需要が急伸、数量前年比23%増と2桁成長】
 数量前年比23%増の1,167万台と前年上半期を大きく上回る結果となった。エコポイント制度終了直前であった3月は震災の影響により同13%減と伸び悩んだものの、4月以降は3月の反動とアナログ放送停波を目前に控えたことから需要が急速に回復、6月は同133%増の291万台と2011年上半期最大の販売規模となった。2台目、3台目の買い換え需要の増加により中小型モデルへの移行が進展、薄型TV全体における32インチの数量構成比は前年同期の32%から39%へ、26インチ以下は36%から38%へ増加した。


【DVD/Blu-ray:BDレコーダーが牽引役となり市場を拡大】
 数量前年比26%増の500万台とアナログ放送停波を追い風に好調に推移した。Blu-ray Discレコーダー(以下、BDレコーダー)は数量前年比71%増の303万台とDVD/Blu-ray市場拡大の牽引役となった。レコーダーにおけるBDレコーダーの数量構成比は前年同期から15%ポイント増の87%に達した。BDレコーダーのHDD容量は、ラインアップの増加に加え、値ごろ感が増した500GBが数量構成比53%と過半を占めた。


【パソコン:地デジチューナ搭載ディスプレイ一体型デスクトップPCがリテール市場を牽引】
 市場全体では、数量前年比1%増の776万台、リテール市場は同4%増、リセラー市場は同1%減となった。リテール市場は震災の影響により一時的に販売が落ち込んだが、地デジチューナ搭載ディスプレイ一体型デスクトップPCと、15インチ以上のスタンダードノートPCの好調な販売によりプラス成長を維持した。平均価格は下落傾向が続いており、金額前年比は5%減となった。リセラー市場は昨年のスクールニューディール特需の反動により1〜3月が大きく落ち込んだが、4〜6月はプラス成長に回復したことから、買い替え需要は引き続き堅調と見られる。


【Webbooks(タブレット端末):立ち上がりから一年、参入メーカー増加で市場は大幅に拡大】
 Webbooksの販売数量は、家電量販店市場では前年比203%増の24万台となった。2011年上半期までに10社以上のメーカーが参入し、モデル数が増加したことなどにより、市場は大幅に拡大した。また、ウェブカメラやUSBポート搭載モデルが増え、画面サイズでも多様化が進んだ。
※家電量販店市場のみを対象としています。


【PCディスプレイ:LEDバックライト搭載比率が急拡大】
 市場全体では、数量前年比5%減の198万台、リテール、リセラー市場は共に同5%減となった。リテール市場において2007年から急速に進んだ大画面化は緩やかに続いており、画面サイズ20インチ以上の数量構成比は8割を超えた。また、TV同様、ディスプレイにおいてもLEDのバックライト搭載が2010年後半から急速に進んでおり、数量構成比は前年同期の7%から30%へ拡大した。リセラー市場は、買い替えサイクルの長期化により低調に推移した。


【デジタルカメラ:コンパクトカメラ、レンズ交換式カメラ共に前年割れ】
 数量前年比9%減の476万台となり、2年ぶりのマイナス成長となった。コンパクトカメラは同10%減、レンズ交換式カメラは同4%減と、共に前年を下回った。デジタルカメラの最大需要期である3月に震災が発生し、需要が低下したことに加え、サプライチェーンの混乱や製品の供給不足などにより4月以降の販売も伸び悩んだ。2010年に伸張したシステムカメラ(ミラーレス一眼)は、レンズ交換式カメラにおいて数量構成比30%前後と安定的に推移した。コンパクトカメラ市場と光学一眼レフ市場の中間に新しい市場を確立したと言える。


【携帯電話:スマートフォンが市場を牽引し、2年連続プラス成長】
 数量前年比2.7%増の1,882万台と2年連続のプラス成長、割賦販売制度導入後の市場縮小から回復基調が続いている。スマートフォン(*)が数量前年比124%増の649万台と市場を牽引、携帯電話全体における数量構成比は2010年の20%から35%となった。タッチパネルを使用した直観的な操作や、PCに近い使い勝手がユーザーに受け入れられたと見られる。対して、フィーチャフォンは数量前年比20%減の1,233万台となり、スマートフォンへの買い替えが進んだ。

*スマートフォンの定義:フルタッチスクリーン、またはフルキーボードを有し、オープンOSまたはそれに準ずるOSを搭載している携帯電話


【冷蔵庫:節電意識から買い替え需要が増加、エコポイント反動減は小幅】
 数量前年比1%減の229万台となった。エコポイント制度、猛暑により2010年に需要が集中したが、その反動から第1四半期は同11%減となった。第2四半期に入ると、節電意識が高まり買い替えが喚起されたことなどから、同9%増となった。容量クラス別数量構成比をみると大容量(401L以上)は前年同期から2%ポイント減の34%となり、数年続いていた大容量化は一段落したと言える。また、「節電」訴求が強まり、年間消費電力300kWh以下クラスの数量構成比は前年同期の35%から61%へ拡大した。


【洗濯機:縦型が市場を牽引し2年連続でプラス成長】
 数量前年比4%増の263万台と前年に引き続きプラス成長となった。縦型は数量前年比7%増と好調に推移し、タイプ別数量構成比では84%と前年同期から2%ポイント拡大した。値頃感があることに加え、機能やラインナップが充実したことが需要拡大につながった。一方、ドラム式は数量前年比8%減となり、数量構成比は前年同期の14%から12%へ減少した。


【シェーバー:新たな利用シーンの訴求が奏功、男性用・女性用ともに好調】
 数量前年比6%増の442万台となった。男性用シェーバーは新たな利用シーンを提案した「お風呂剃り」の訴求が奏功し、同5%増と堅調に推移した。女性用シェーバーも高価格脱毛器を中心に販売が伸張し、同13%増となった。シェーバーをはじめ理美容家電は全体的に販売好調で、今後も市場拡大が予想される。


【電動歯ブラシ:携帯用モデルが貢献し、市場は大幅成長】
 数量前年比35%増の282万台となった。外出先での使用を訴求した携帯用モデルが牽引し、前年に続き市場は大幅に拡大した。携帯用モデルを除いても市場は3割弱の成長を遂げており、同モデルが電動歯ブラシ全体の底上げに貢献したと言える。携帯用理美容家電は「モバ美(モバイルビューティー)」として注目を集め店頭での取り扱いも増加、新たな市場を築いている。


【クリーナ:主機能の強化・使い勝手の向上が需要を喚起しプラス成長】
 数量前年比7%増の384万台となり、2010年に続きプラス成長を維持した。吸引力・集じん性能といった主機能の強化に加え、センサー搭載など「使い勝手」を改めて訴求したことが需要を喚起したと推測される。タイプ別数量構成比は紙パック式が前年同期の40%から36%へ減少した一方、サイクロン式が同3%ポイント増の28%、スティッククリーナが1%ポイント増の14%、ロボットクリーナが1%ポイント増の3%と、それぞれ拡大した。


【コーヒーメーカー:エスプレッソマシンの急伸により市場が拡大】
 数量前年比8%増の88万台となった。数量構成比84%を占めるドリップ式は数量前年比1%の微減となったが、エスプレッソマシンが前年同期比1.5倍まで急伸し市場をプラス成長に押し上げた。エスプレッソマシンの数量構成比は前年同期から3%ポイント増の12%となった。ドリップ式に対し高価格ではあるものの、利便性や得られる満足感が高いことから幅広い支持を集めた。


※全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、総合ネット通販等)からPOSデータ等を収集し、統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計しています。

※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。


ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
URL: http://www.gfkjpn.co.jp/
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