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蒲郡から宇宙へ 東海圏で唯一、UNITEC-1打ち上げへの参画に続き、超小型人工衛星CanSatのサブオービタル(大気圏内)打ち上げ実証実験ARLISS(A Rocket Launch forInternational Student Satellites)の「カムバックコンペティション」に参加

愛知工科大学(愛知県蒲郡市、以下 本学)は、2011年9月、アメリカネバダ州のブラックロック砂漠にて開催された、超小型人工衛星CanSatのサブオービタル(大気圏内)打ち上げ実証実験「ARLISS(A Rocket Launch for International Student Satellites)(以下 ARLISS)」のカムバックコンペティションに初参加いたしました。
http://www.aut.ac.jp/aut_spot/arliss/

今回のARLISSへの参加は、東海圏の大学では本学のみであり、ローバ(※)の機構としてARLISSにおいて最も有用とされている「二輪型」ではなく、学生のアイデアから、月面探査において表面の砂の性質上有用とされ、戦車や重機に代表される機構である「キャタピラ式」を採用したローバを、学生が一から作り上げ、参加をいたしました。ARLISSへの参加は、一般的に宇宙開発における著名な大学が中心となっておりましたが、本学の参加により、大学による宇宙開発研究のボトムアップの可能性を示唆し、日本における宇宙開発の裾野を広げる大きな一歩となります。

本学での学生による宇宙開発の実績は、2010年5月に種子島宇宙センターから打ち上げた深宇宙探査機「UNITEC-1」の開発プロジェクトへの参画に続くものであり、今後も東海圏の他校に先駆け、学生に実践的な研究の環境をより多く与え、日本の宇宙開発における多くの研究者が世に輩出されるための「社会づくり」に貢献する活動を行っていきます。

(※)ローバ(Rover)とは
宇宙で探査を行う際に使われる、自分で考えて走行する自律型無人探査機のことです。
今まで、ローバは月や火星に送られ、人では探査できない場所での画像撮影や鉱石採取などのさまざまな活動を行っています。また、地球外での活動をリモート操作で行うため、想像を超えるさまざまな環境に耐えうるための研究が、各専門機関や大学などでも研究が行われています。


■2010年5月に打ち上げた深宇宙探査機「UNITEC-1」の開発プロジェクトへの参画に続き、ARLISSに初挑戦

本学における宇宙開発研究として、UNISEC(University Space Engineering Consortium)主催の学生では世界初となる深宇宙探査機「UNITEC-1」の開発プロジェクトへの参画に続き、奥山研究室では研究生からの志願により、ARLISSのカムバックコンペティションへの参加を決定しました。

ARLISSへの参加については、宇宙開発におけるブランド校がその多くを占めており、本学の参加は非常に新たな試みといえます。

また、参加にあたり、ARLISSにおける一般的な「二輪型」のローバではなく、新たな可能性について実験したいという研究生からの要望により、「キャタピラ式」のローバを開発、実証実験に臨みました。
しかし、日本では飛行物の打ち上げ高度の制限により、ARLISSにおいての打ち上げ高さ4,000mの約100分の1程度でしか実験することができませんでした。また、初参加となるメンバーには「経験」という、蓄積されるべき知識がありませんでした。
当日は打ち上げを2回行い、1回目は予測していたローバの落下速度が1.6倍ほど速くなってしまい、落下時の衝撃により駆動系に支障をきたしました。しかしその経験から2回目は機体を改良し、初参加ながら9位という成績を収めることができました。
そして、これらの経緯はすべて、研究者として大きな経験値を生み、本学における、新たな経験の蓄積となりました。

本学では、次年度以降も、ARLISSへの参加を予定しており、宇宙開発研究にあかるい研究生の輩出に心がけていきたいと考えております。


【補足】ARLISS について
350ml 缶サイズの超小型人工衛星CanSatのサブオービタル(大気圏内)打ち上げ実証実験。アメリカネバダ州のブラックロック砂漠にてアマチュアロケットグループ「エアロパック」の協力のもと、世界各国の学生(日本からは各大学・高等専門学校の学生が参加)が製作した衛星の打ち上げを行います。ロケットから放出された直径146mm、高さ240mm、重さ1,050g以下のローバが、砂漠中の目的地に自律的に降りる/走ることを競うカムバックコンペティションも開催。
本校では、このカムバックコンペティションに参加しました。


■本学が目指す、宇宙開発の取り組み
宇宙開発は、まだ未成熟の分野といえます。本学の奥山研究室では、研究者達が実社会において優秀な実績を残し、宇宙開発、ひいては「技術大国 日本」のさらなる発展に貢献していくため、研究者への教育指針に「コンピテンシーの向上」を盛り込んでおります。

卒業後の研究者が「協調性」「積極性」「規律性」「責任性」などを発揮し、企業内や開発チーム内で高い評価を得るために一般的な職能の学術指導だけではなく、今回のARLISSのような高度な実験や「産学連携」での高耐久材料の開発など、できるだけ実務に近い環境での教育を心がけております。
また、開発フェーズでの技術指導だけではなく、チーム内でのコミュニケーション力の向上や、自発的な行動が促進されるための環境づくりにも力を注いでおります。

さらに、今回の「キャタピラ式」ローバという新たな試みのように、現段階での常識にとらわれること無く、創造的な発想をもって研究に取り組むことができる「クリエイティブ・クラス」という人材の育成も視野に入れております。若き研究者たちの考えに対し注意深く傾聴し「寛容性」を持って接することによって「自発的かつ創造的発想が恒久化するための精神的素養」を養い、常に問題解決に取り組むことが可能な、さらなる優秀な研究者の輩出に努めてまいります。


■愛知工科大学 / 愛知工科大学自動車短期大学
機械システム工学科 電子制御・ロボット工学科 情報メディア学科 大学院工学研究科
〒443-0047 愛知県蒲郡市西迫町馬乗50-2
http://www.aut.ac.jp/univ/
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