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働き方改革2021 with コロナ 〜働き方改革に取り組んでいる企業は過去最多の56.0%となる一方、つながらない権利の侵害が進展。在宅勤務のボトルネックは「ハンコ文化の弊害」よりも「社内の状況がわからない」不安〜

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柳 圭一郎、以下 当社)はNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に「新型コロナウイルス感染症と働き方改革に関する調査」を実施しました。「働き方改革」の取り組み状況の調査は、2015年から毎年実施しています。

本調査では、働き方改革の取り組み状況とその効果について経年で概観し、続いて、2020年3月から一年間のテレワーク(在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務等)の推移を調査分析しました。加えて、2019年から調査を行っている「就業時間外の連絡(つながらない権利)」について、経年比較を行いました。


【主なポイント】
(1) 働き方改革の動向 〜過去最多の56.0%の企業が働き方改革に取り組んでいる〜
(2) 在宅勤務の取り組み状況 〜在宅勤務が月50%以上の割合は、2020年3月〜5月(36.7%)がピーク。ボトルネックはハンコ文化の弊害よりも社内の状況がわからない不安〜
(3) つながらない権利 〜働き方改革の進展により、権利侵害(就業時間外の対応)も拡大が進んでいる可能性がある〜


【主な調査結果と考察】
(1) 働き方改革の動向 〜過去最多の56.0%の企業が働き方改革に取り組んでいる〜
2019年4月1日からの働き方改革関連法の施行、そして新型コロナウイルス感染症対策に迫られた2020年以来、働き方改革に取り組む企業は年々増加している。今回の調査※でも前回調査※と比べて6.7ポイント増加し、全体(N=1,021)の56.0%となっている(49.3%→56.0%)。これは従業員規模にかかわらず増加しており、従業員数1,000人以上の規模の企業では、77.1%の企業が働き方改革に取り組んでいる結果となった。

働き方改革に取り組んでいる企業のプラスの変化は「休暇の取得しやすさ」や「労働時間の減少」が最も多く挙がっている。「休暇の取得しやすさ」については、前回調査※と比べると、プラスの変化として挙げる人が減少している(37.3%→33.4%)(「休暇の取得しやすさ」は定着傾向にあるとみられる)。「気持ちの余裕」「プライベートとの両立」「生産性向上」などは、プラスの変化を挙げる割合が前回調査※と比べて増加している。マイナスの変化は「収入の減少」や「生産性の低下」が最も多く挙がっている。ただし、前回調査※と比べて「収入の減少」をマイナスの変化として挙げる割合は減少している(25.4%→17.5%)。
「生産性」については、プラスの変化として4.6ポイント(11%→15.6%)増加し、マイナスの変化は2.4ポイント(8.6%→11.0%)増加するといった二極化がみられる。

働き方改革の取り組み(N=572)では「テレワーク制度」(58.9%)と「休暇取得の推進」(53.8%)が、継続して行ってほしい施策として最も多く挙がっている。一方で「テレワーク制度」も「休暇取得の推進」も2割程度で「中止してほしい、制度はないが必要性はない」などの否定的な回答も見受けられる。


(2) 在宅勤務の取り組み状況 〜在宅勤務が月50%以上の割合は、2020年3月〜5月(36.7%)がピーク。ボトルネックはハンコ文化の弊害よりも社内の状況がわからない不安〜
在宅勤務と出社の組み合わせが月の50%以上と回答した人が最も多い時期は、初めて緊急事態宣言が発出された2020年3月〜5月(36.7%)である。2度目の緊急事態宣言が発令された2月以降は、31.1%にとどまっている。2020年6月以降12月まで月50%以上の人は徐々に減り、2021年1月以降は若干増加に転じたが、2度目の緊急事態が発令された2月以降も31.1%にとどまった。

在宅勤務のボトルネックは「社内の状況がよく分からない」(38.7%)が最も多く「紙の書類を前提とした押印、決裁、保管等の手続きがあること」(24.6%)を14.1ポイント上回っている。自宅の仕事環境に起因する「通信回線が不安定」(15.4%)「作業スペースが十分確保できない」(15.2%)や「家族がいて仕事がはかどらない」(9.3%)となっており、ハンコ文化・紙文化の弊害や自宅の仕事環境の未整備よりも「相手の状況がわからない」ことが最大のボトルネックと感じている結果となった。

在宅勤務でWeb会議、電話会議を実施したことのある人(N=457)のうち、雑談を目的としたWeb会議、電話会議を週1回以上実施している人は25.8%、業務に関する会議の前後などに雑談する人は、32.6%である。社内の状況がわからないことが在宅勤務のボトルネックと感じている人が最も多いことから、Web会議、電話会議上のコミュニケーションでの雑談を増やす機会は、在宅勤務を推進する上で重要な施策である。

在宅勤務に取り組んでいる企業の人(N=670)のうち、82.5%が通勤時間や移動時間を削減できること」などを理由に「在宅勤務を実施したい」と考えている。一方で「できる仕事に限界があること」や「仕事と私生活の区別がつかないこと」を理由に、23.2%の人が「在宅勤務を継続は可能であっても実施したくない、継続は困難と感じる」と考えている。


(3) つながらない権利 〜働き方改革の進展により、権利侵害(就業時間外の対応)も拡大が進んでいる可能性がある〜
上司から就業時間外において業務に関して緊急性のない電話やメール(LINEなどを含む)があり、通話・返信などを週1回以上対応している人は、前回調査※と比べて、7.6ポイント(14.9%→22.5%)増加している。同僚では、11.5ポイント(13.5%→25.0%)の増加がみられる。

「できれば対応したくないが、対応するのはやむを得ない」と考えている人は、46.7%(前回※は46.5%)と最多である。同僚という気軽さから就業時間外に連絡してしまうが、対応する側は「できれば対応したくない」と考えている結果が浮き彫りになった。

※:今回の調査は「2021年3月6日〜2021年3月9日」の期間で実施。前回調査は「2019年:2019年5月28日〜2018年5月30日」の期間に実施したもの。前回調査の詳細は「働き方変革2019( https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/190705.html )」を参照。


●本ニュースリリースは株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が共同で配信しています。
重複して配信されることがありますが、ご了承願います。


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