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伝導ノイズを1/3に低減 超小型 車載用低EMI降圧型スイッチングレギュレータ「S-19914/5 シリーズ」を発売

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/259286/img_259286_1.png
エイブリック株式会社(社長:石合信正、本社:東京都港区、以下:「ABLIC」)は本日より、車載用低EMI(Electro Magnetic Interface: 電磁妨害) 降圧型スイッチングレギュレータ「S-19914/5シリーズ」の販売を開始しました。

自動車業界は100年に一度の大変革時代と言われており、CASE(コネクテッド化、自動運転化、シェア/サービス化、電動化)などを軸としてそれぞれの技術革新が急速に進んでいます。
その中の「自動運転化」に必要なシステムとして、先進運転支援システム(ADAS)と自動運転(AD)システムがあります。これらのシステムの進化に伴い、従来はバックモニタのみだったビューイングカメラはサラウンドビューになり、センシングカメラはフロントだけなくサイドやリアドアなどにも搭載される傾向にあります。また、カメラそのものの機能も単眼からステレオ、多眼となるなど、カメラの搭載数は年々増加しています。さらに、これまでのVGAから1Mpixel、2Mpixelへと高画素化も進んでいます。
このように、車載用カメラの搭載数増加や高画素化傾向が顕著ですが、通常、車載用カメラは高画素になるほど必要とされる電流が増えます。電源IC(スイッチングレギュレータ)は出力電流が増えるとノイズも増加する傾向があり、車載用カメラの高画素化の課題となっています。そして、こうしたノイズを低減するための周辺部品がカメラモジュールの小型化の障害になっています。カメラモジュールの筐体サイズが大きくなると自動車全体のデザイン性が損なわれるため、カメラモジュールを構成する部品にもさらなる小型化が求められています。

本日発売した新製品「S-19914/5シリーズ」は、ICが発する伝導ノイズおよび放射ノイズを低減させるスペクトラム拡散型発振回路を搭載し、特に伝導ノイズを従来品に比べ1/3程度まで抑えることで車載カメラの高画素化によるノイズ対策に貢献することができる低EMI降圧型スイッチングレギュレータです。
また、「S-19914/5シリーズ」は業界最小の(※2)サイズ:2.0×3.0×t0.5mmのHSNT-8(2030)パッケージの採用によりカメラモジュールの小型化に対応するなど、昨今の車載用機器の市場ニーズに応える製品です。

なお、降圧型スイッチングレギュレータは、スイッチのオン/オフを繰り返してコイルに発生した電荷をコンデンサに蓄えることにより入力電圧を所望の出力電圧に降圧します。降圧電源ICとしてLDOレギュレータもありますが、入出力電圧差の小さい用途向きです。自動車の12V鉛バッテリーの電圧をマイコンやセンサに入力できる3.3Vや5Vへ降圧し、かつ大電流出力の場合は、高効率かつ低発熱で降圧可能な降圧型スイッチングレギュレータを使用することが適しています。
「S-19914/5シリーズ」は、36V入力(定格45V)、1A出力電流、低EMI、125℃動作、発振周波数2.2MHz、同期整流の業界最小の車載用降圧型スイッチングレギュレータとなっています。

さらに、PPAP(Production Part Approval Process: 生産部品承認プロセス)に対応しており、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 Grade1(*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)にも対応予定です。


【主な特長】
1. 伝導ノイズを1/3に低減!
「S-19914/5シリーズ」はスペクトラム拡散型発振回路を内蔵しており、ICが発する伝導ノイズおよび放射ノイズを低減します。そのため、従来品に比べてノイズ対策が容易になります。車載カメラモジュールなどの小型かつ低EMIが求められるアプリケーションに最適です。

2. 業界最小!超小型パッケージ「HSNT-8(2030)(2.0×3.0×t0.5mm)」を採用
業界最小パッケージサイズを採用したことにより、車載カメラモジュールや各種車載コントロールユニットの小型化に貢献できる車載用降圧型スイッチングレギュレータです。
さらに発振周波数が2.2MHzであり、周辺部品を含めたフットプリント面積も業界最小サイズを実現することが可能です。ガルウイングタイプのHTMSOP-8(2.9×4.0×t0.8mm)を選ぶこともできます。

3. 高速過渡応答
「S-19914/5シリーズ」はスロープ補償回路や位相補償回路の最適化により、負荷変動に対して高速な過渡応答を実現しました。

4. PWM制御、PWM/PFM制御を選択可能
制御方式は、PWM制御の「S-19914シリーズ」、もしくはPWM/PFM切替え制御の「S-19915シリーズ」のいずれかを選ぶことが出来ます。

5. 低リップル
降圧型のスイッチングレギュレータの出力電圧は、負荷のデバイスが求める電圧範囲に収まる必要があります。一般的にPFMモードでは出力電圧のリップルが大きくなるため、出力容量値を大きくするなど外付け部品での対策が必要になります。「S-19915シリーズ」は独自の低リップル回路の採用によりPFM制御時であっても低リップルを実現します。低リップル対策としての外付け容量値を小さくできるため、機器の小型化、低コスト化に貢献します。

6. 36V入力/45V定格
入力電圧36V、定格45Vの高耐圧製品のため、直接12V鉛バッテリーに接続することが可能です。


【主な仕様】
・入力電圧 : 4.0 V ~ 36.0 V
・出力電圧 (外部設定) : 2.5 V ~ 12.0 V
・出力電流 : 1A
・FB端子電圧精度 :±1.5% (Tj = −40°C ~ +125°C)
・効率 : 91%
・スペクトラム拡散型発振回路 :拡散率+6% typ.
・発振周波数 : 2.2 MHz typ.
・過電流保護機能 : 1.85 A typ. (パルスバイパルス方式)
・サーマルシャットダウン機能 : 170°C typ. (検出温度)
・短絡保護機能 : Hiccup制御 またはLatch制御
・ソフトスタート機能 :5.8 ms typ.
・100%Duty比動作
・鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー
・AEC-Q100進行中(※3)

【用途例】
・車載カメラモジュール
・車載用 (エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV / HEV / PHEV関連機器等)

【製品詳細】
https://hub.ablic.com/ja/products/s-19914-19915

【Web サイト】
https://www.ablic.com/

(※1)発振周波数を変調させることで、特定の周波数(例えば2.2MHzとその高調波)に発生するノイズのピークを抑える技術。
(※2)36V動作1A出力のDCDCコンバータとして。2021年5月 当社調べ
(※3)詳細は、弊社営業部までお問い合わせください。


エイブリック株式会社は、2020年4月30日付でミネベアミツミ株式会社の100%子会社となりました。
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