50代からは「ソーシャルフリーランサー」若者支援が時代開く
[21/05/25]
提供元:@Press
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人生100年時代未来ビジョン研究所(代表:阪本 節郎)は、2020年6月11日〜6月13日、及び、2021年3月19日〜3月26日に、40〜70代の“中高年大人世代”を対象として「コロナ下での行動」に関するインターネット調査を実施し、2021年5月24日に第9弾の調査結果を発表しました。
いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真正)もすべて50代以上となり、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。
●新大人緊急調査 2021/03/19〜26 全国男女 1308s
●新大人調査 2020/06/11〜13 全国男女 1864s
直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。
一部の若者からみると、現在の中高年とりわけ上の世代は、恵まれた現役生活を送った世代であり、いまの自分たち世代のフリーターや派遣など苦しい生活から払う年金で暮らすひどい世代という印象もあります。その当事者世代は今後どうしようとしいてるのでしょうか。
(1)「社会参加」については、1位「いつまでも何らかの形で参加したい」、2位「いつまでも生きがいとして」、3位「おカネ」と、おカネより「いつまでも」「生きがい」が上位になった。
(2)「社会参加」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は62.8%。
(3)「社会貢献」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は58.1%。
(4)「社会的デーマ(環境・福祉など)に有効な商品・サービスを生活に取り入れる」時代になる、に共感が63.5%。と「社会参加」「社会貢献」をしたいという意向を持つ人が半数を超え、それはおカネより「いつまでも」「生きがい」です。
(5)「大人世代と若者世代が交流・協力し、新しい文化や潮流を創る時代が望ましい」は75.8%
(6)「大人世代が若者世代を応援し、若者世代から新しく意義のある文化や潮流が生まれる時代が望ましい」は73.2%。
と、できれば若者世代をサポートしたい、と思い、そのことで自分たちからではなく、若者から新しいことが生まれる時代が望ましいという割合が7割強に達しています。ただ現実的には、若者との交流・協力・支援の場も回路もないといえます。
したがって、これまで社会参加・社会貢献ではそれ程若者支援が顕在化してこなかった面もあります。
まずは、これだけの「社会参加・社会貢献の意欲」があり、それはおカネが一番というよりも「生きがい」や「いつまでも」社会参加することを求めています。おカネを稼げればそれに越したことはありませんが、それこそ年金はあるわけです。
当事者側も社会の側も、50代からは、会社でどういう仕事をしていようと、現在の仕事を継続しようとしまいと、(1)社会から退くのでなく経験を活かして社会参加・社会貢献をする「ソーシャルフリーランサー」と位置づけ直しをする。それは、会社の仕事の継続であれ、転職であれ、地域貢献であれ、NPO活動であれ、(2)できるだけ若い世代と交流・協力し、何らか若い世代をサポートする。ことが望ましいといえます。今後、わが国は生産年齢人口が減少して行きます。そのときに、増大する高齢人口がその生産年齢層を支えることができれば、社会状況は大きく好転する可能性があるといえるでしょう。
■「社会参加」の1位「いつまでも何らかの社会参加」、2位「いつまでも生きがいを持ちたい」、3位「おカネ」40-70代に「社会参加」について聞いてみると1位は「いつまでも何らかの社会参加はしたい」、2位が「社会参加でいつまでも生きがいを持ちたい」、3位が「社会参加はやはりおカネを稼ぐことが最大の目的だ」となった。「おカネ」より先に、「いつまでも、社会参加したい、生きがいを持ちたい」が上位に上がっています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_1.png
図1
■「社会的テーマ(環境・福祉など)に有効な商品・サービスを生活に取り入れる」時代になる、に共感が63.5%。
「環境・福祉など社会的テーマに有効な商品・サービスを生活に取り入れる時代になる」ことに対しても40-70代の63.5%が共感すると答えました。また、それは60代66.5%、70代69.1%と、60・70代が高く、年代が上がるにつれて高くなる傾向にあり、社会性を持っています。実際これまでもこの年代ではクルマでハイブリッド車やEV、リフォームで太陽光発電などが支持されて来ました。高級セダンから小型のハイブリッド車への乗り換えということも起こりました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_2.png
図2
■「社会参加」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は62.8%。
40-70代で「社会参加を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)」は、62.8%で、男女別でも、またどの年代でも
ほぼ同レベルでそのように思っているということがいえます。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_3.png
図3
■「社会貢献」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は58.1%。
さらに、40-70代で、「社会貢献」まで行くとどうなるかといえば、それでも58.1%と半数を超えています。また、男女別・年代別でも、女性50・60代がやや高いか、というところで、概ね、男女問わず、年代問わずというところです。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_4.png
図4
■「大人世代と若者世代が交流・協力し、新しい文化や潮流を創る時代が望ましい」は75.8%。
「大人世代と若者世代の交流・協力により新しい文化が創られる時代」については、実に75.8%が共感しています。とくに女性が81.8%と高く、また、年代別には、70代が82.8%と高くなっています。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_5.png
図5
■「大人世代が若者世代を応援し、若者世代から新しく意義のある文化や潮流が生まれる時代が望ましい」は73.2%。
「大人世代が若者世代を応援し、(自分たち大人世代からではなく)若者世代から新しい文化が生まれる時代が望ましい」にも、73.2%が共感しています。これも女性と70代が高いといえます。とくに、この設問は、自分たちが応援することで「自分たちでなく若者から新しい文化が生まれることが望ましい」としていることが大きなポイントで、それに対して、7割強が共感する、としています。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_6.png
図6
実際には、このように、世代間の交流・協力・支援の場も回路もないために社会参加・社会貢献などでも顕在化し難いといえますが、中高年大人世代が、アイススケートの羽生結弦選手や、将棋の藤井聡太棋士、ゴルフの渋野日向子選手などを応援しているのは、まさにその気持ちのあらわれ、といえます。今後は間接的なテレビのみならず、直接的な地域や職場でこうした応援ができるような場や回路を創って行くことが望ましいといえます。
<参考>“クロスジェネレーション”
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_7.png
図7
「クロスジェネレーション」とは、世代間交流・世代間協力のことです。「少子高齢社会」はしばしば問題として語られがちですが、それを機会へと転換して行くキーワードとして、人生100年時代未来ビジョン研究所が提起しているものです。
そこには様々な形態があり得ますが、最も重要なのは、年金をどうするか、ということです。わが国の年金は賦課方式であり、若い世代によって高齢世代が支えられる仕組みになっており、それを変えるとするとそこに莫大な社会コストがかかる、といえます。とはいえ、この仕組みが「若者」からの「高齢世代」への反感反発を生むという負のサイクルを生み出しているということもいえます。
では、どうすればいいのか、それは、片方で増大する中高年世代が減少する若者世代を支える仕組みが必要だといえます。例えば、「子育て支援」「幼児・学童保育支援」「フリーター・ニート就業支援」「若者の起業支援」などです。そのことにより、若者世代の生産性も向上し、感謝の気持ちも生まれる、年金負担をしてもいいのでは、という気持ちが若者のなかにも生まれるということです。
現在、わが国では中高年世代に税金を社会保障費として「受ける側」から、「払う側」になるように、定年延長などがすすめられています。とはいえ、望ましいのは、「行動」として「若者世代を支える」ことだといえます。これが見える形になれば若者世代の見方も大きく変わると思われます。
これは企業経営者から要介護の高齢者まで共通していえることです。サーバントリーダーということも言われますが、企業経営者はごく一部の優秀な社員にとどまらない若い社員のサポート、要介護者であっても毎日ニコニコしていれば、若手ヘルパーを元気づけ励ますこともできるわけです。
企業では、取締役になるときに一旦退職となります。大きく括れば、企業トップから要介護者まで「ソーシャルフリーランサー」といえます。すなわちごく小さなことでもいいので、何らか社会の支え手になる、ということです。従来の「支えられる側」としての高齢者ではなく、「支える側」の中高年になるということです。税金を払う側というだけでなく、「社会の支え手」になる、ということです。もちろんおカネは稼げればそれに越したことはないのですが、多くの人にとって必ずしもおカネだけでなく「生きがい」を求めている、ということはかなり以前から言われて来ました。
そのときに「クロスジェネレーション」で「若者」を支えるということができれば、社会に大きなプラスが生まれるでしょう。それが「新しい大人世代」による「新しい大人社会」につながる、といえます。
(人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「仕事が変わる」参照)
*当レポートは最新データ&分析であり、このサイトコンテンツでは考え方および具体的対応法等を紹介しています。
https://miraivision.net/article/94
<調査概要(1)>
調査対象 :40〜70代男女
対象エリア:全国
対象者数 :1,308サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2021年3月19日(金)〜3月26日(金)
<調査概要(2)>
調査対象 :40〜70代男女
対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および
全国中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数 :1,864サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2020年6月11日(木)〜6月13日(土)
■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について
「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。
<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ: http://www.miraivision.net >
[所長プロフィール]
阪本 節郎
東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。株式会社博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。
■著書
「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)
「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)
「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)
「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)
「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)
「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか〜新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_8.png
図8
■マスコミへのコメント・出演
日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日他
<コラム連載執筆>
●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)
●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)
■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員
<これまでの経歴>
●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会
●厚生労働省 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会
団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会
●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会
●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会
●日本BS放送 放送審議委員会
●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員
<参考資料>
人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧
※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。
http://www.miraivision.net/report (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト)
【未来ビジョン研レポート】
No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」」(2021.4.12)
No.2 「ポストコロナの経済回復は中高年大人世代の力」(2021.4.19)
No.3 コロナで、より「シニアと呼ばれても誰のこと?」(2021.4.26)
No.4 ポストコロナ、これからライフスタイルを創りたい(2021.4.30)
No.5 社会保障費解決のカギは団塊の健康行動が握る(2021.5.10)
No.6 中高年はクロスメディアDXを加速(2021.5.13)
No.7 コロナ後は“新しい大人女子”消費に期待大(2021.5.17)
No.8 定年は意外と楽しい(2021.5.20)
<お問い合わせ先>
Email : setsuo.sakamoto@miraivision.net
いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真正)もすべて50代以上となり、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。
●新大人緊急調査 2021/03/19〜26 全国男女 1308s
●新大人調査 2020/06/11〜13 全国男女 1864s
直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。
一部の若者からみると、現在の中高年とりわけ上の世代は、恵まれた現役生活を送った世代であり、いまの自分たち世代のフリーターや派遣など苦しい生活から払う年金で暮らすひどい世代という印象もあります。その当事者世代は今後どうしようとしいてるのでしょうか。
(1)「社会参加」については、1位「いつまでも何らかの形で参加したい」、2位「いつまでも生きがいとして」、3位「おカネ」と、おカネより「いつまでも」「生きがい」が上位になった。
(2)「社会参加」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は62.8%。
(3)「社会貢献」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は58.1%。
(4)「社会的デーマ(環境・福祉など)に有効な商品・サービスを生活に取り入れる」時代になる、に共感が63.5%。と「社会参加」「社会貢献」をしたいという意向を持つ人が半数を超え、それはおカネより「いつまでも」「生きがい」です。
(5)「大人世代と若者世代が交流・協力し、新しい文化や潮流を創る時代が望ましい」は75.8%
(6)「大人世代が若者世代を応援し、若者世代から新しく意義のある文化や潮流が生まれる時代が望ましい」は73.2%。
と、できれば若者世代をサポートしたい、と思い、そのことで自分たちからではなく、若者から新しいことが生まれる時代が望ましいという割合が7割強に達しています。ただ現実的には、若者との交流・協力・支援の場も回路もないといえます。
したがって、これまで社会参加・社会貢献ではそれ程若者支援が顕在化してこなかった面もあります。
まずは、これだけの「社会参加・社会貢献の意欲」があり、それはおカネが一番というよりも「生きがい」や「いつまでも」社会参加することを求めています。おカネを稼げればそれに越したことはありませんが、それこそ年金はあるわけです。
当事者側も社会の側も、50代からは、会社でどういう仕事をしていようと、現在の仕事を継続しようとしまいと、(1)社会から退くのでなく経験を活かして社会参加・社会貢献をする「ソーシャルフリーランサー」と位置づけ直しをする。それは、会社の仕事の継続であれ、転職であれ、地域貢献であれ、NPO活動であれ、(2)できるだけ若い世代と交流・協力し、何らか若い世代をサポートする。ことが望ましいといえます。今後、わが国は生産年齢人口が減少して行きます。そのときに、増大する高齢人口がその生産年齢層を支えることができれば、社会状況は大きく好転する可能性があるといえるでしょう。
■「社会参加」の1位「いつまでも何らかの社会参加」、2位「いつまでも生きがいを持ちたい」、3位「おカネ」40-70代に「社会参加」について聞いてみると1位は「いつまでも何らかの社会参加はしたい」、2位が「社会参加でいつまでも生きがいを持ちたい」、3位が「社会参加はやはりおカネを稼ぐことが最大の目的だ」となった。「おカネ」より先に、「いつまでも、社会参加したい、生きがいを持ちたい」が上位に上がっています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_1.png
図1
■「社会的テーマ(環境・福祉など)に有効な商品・サービスを生活に取り入れる」時代になる、に共感が63.5%。
「環境・福祉など社会的テーマに有効な商品・サービスを生活に取り入れる時代になる」ことに対しても40-70代の63.5%が共感すると答えました。また、それは60代66.5%、70代69.1%と、60・70代が高く、年代が上がるにつれて高くなる傾向にあり、社会性を持っています。実際これまでもこの年代ではクルマでハイブリッド車やEV、リフォームで太陽光発電などが支持されて来ました。高級セダンから小型のハイブリッド車への乗り換えということも起こりました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_2.png
図2
■「社会参加」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は62.8%。
40-70代で「社会参加を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)」は、62.8%で、男女別でも、またどの年代でも
ほぼ同レベルでそのように思っているということがいえます。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_3.png
図3
■「社会貢献」を定年(リタイア)後も続けたい(始めたい)は58.1%。
さらに、40-70代で、「社会貢献」まで行くとどうなるかといえば、それでも58.1%と半数を超えています。また、男女別・年代別でも、女性50・60代がやや高いか、というところで、概ね、男女問わず、年代問わずというところです。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_4.png
図4
■「大人世代と若者世代が交流・協力し、新しい文化や潮流を創る時代が望ましい」は75.8%。
「大人世代と若者世代の交流・協力により新しい文化が創られる時代」については、実に75.8%が共感しています。とくに女性が81.8%と高く、また、年代別には、70代が82.8%と高くなっています。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_5.png
図5
■「大人世代が若者世代を応援し、若者世代から新しく意義のある文化や潮流が生まれる時代が望ましい」は73.2%。
「大人世代が若者世代を応援し、(自分たち大人世代からではなく)若者世代から新しい文化が生まれる時代が望ましい」にも、73.2%が共感しています。これも女性と70代が高いといえます。とくに、この設問は、自分たちが応援することで「自分たちでなく若者から新しい文化が生まれることが望ましい」としていることが大きなポイントで、それに対して、7割強が共感する、としています。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_6.png
図6
実際には、このように、世代間の交流・協力・支援の場も回路もないために社会参加・社会貢献などでも顕在化し難いといえますが、中高年大人世代が、アイススケートの羽生結弦選手や、将棋の藤井聡太棋士、ゴルフの渋野日向子選手などを応援しているのは、まさにその気持ちのあらわれ、といえます。今後は間接的なテレビのみならず、直接的な地域や職場でこうした応援ができるような場や回路を創って行くことが望ましいといえます。
<参考>“クロスジェネレーション”
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_7.png
図7
「クロスジェネレーション」とは、世代間交流・世代間協力のことです。「少子高齢社会」はしばしば問題として語られがちですが、それを機会へと転換して行くキーワードとして、人生100年時代未来ビジョン研究所が提起しているものです。
そこには様々な形態があり得ますが、最も重要なのは、年金をどうするか、ということです。わが国の年金は賦課方式であり、若い世代によって高齢世代が支えられる仕組みになっており、それを変えるとするとそこに莫大な社会コストがかかる、といえます。とはいえ、この仕組みが「若者」からの「高齢世代」への反感反発を生むという負のサイクルを生み出しているということもいえます。
では、どうすればいいのか、それは、片方で増大する中高年世代が減少する若者世代を支える仕組みが必要だといえます。例えば、「子育て支援」「幼児・学童保育支援」「フリーター・ニート就業支援」「若者の起業支援」などです。そのことにより、若者世代の生産性も向上し、感謝の気持ちも生まれる、年金負担をしてもいいのでは、という気持ちが若者のなかにも生まれるということです。
現在、わが国では中高年世代に税金を社会保障費として「受ける側」から、「払う側」になるように、定年延長などがすすめられています。とはいえ、望ましいのは、「行動」として「若者世代を支える」ことだといえます。これが見える形になれば若者世代の見方も大きく変わると思われます。
これは企業経営者から要介護の高齢者まで共通していえることです。サーバントリーダーということも言われますが、企業経営者はごく一部の優秀な社員にとどまらない若い社員のサポート、要介護者であっても毎日ニコニコしていれば、若手ヘルパーを元気づけ励ますこともできるわけです。
企業では、取締役になるときに一旦退職となります。大きく括れば、企業トップから要介護者まで「ソーシャルフリーランサー」といえます。すなわちごく小さなことでもいいので、何らか社会の支え手になる、ということです。従来の「支えられる側」としての高齢者ではなく、「支える側」の中高年になるということです。税金を払う側というだけでなく、「社会の支え手」になる、ということです。もちろんおカネは稼げればそれに越したことはないのですが、多くの人にとって必ずしもおカネだけでなく「生きがい」を求めている、ということはかなり以前から言われて来ました。
そのときに「クロスジェネレーション」で「若者」を支えるということができれば、社会に大きなプラスが生まれるでしょう。それが「新しい大人世代」による「新しい大人社会」につながる、といえます。
(人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「仕事が変わる」参照)
*当レポートは最新データ&分析であり、このサイトコンテンツでは考え方および具体的対応法等を紹介しています。
https://miraivision.net/article/94
<調査概要(1)>
調査対象 :40〜70代男女
対象エリア:全国
対象者数 :1,308サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2021年3月19日(金)〜3月26日(金)
<調査概要(2)>
調査対象 :40〜70代男女
対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および
全国中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数 :1,864サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2020年6月11日(木)〜6月13日(土)
■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について
「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。
<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ: http://www.miraivision.net >
[所長プロフィール]
阪本 節郎
東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。株式会社博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。
■著書
「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)
「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)
「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)
「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)
「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)
「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか〜新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/260105/LL_img_260105_8.png
図8
■マスコミへのコメント・出演
日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日他
<コラム連載執筆>
●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)
●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)
■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員
<これまでの経歴>
●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会
●厚生労働省 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会
団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会
●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会
●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会
●日本BS放送 放送審議委員会
●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員
<参考資料>
人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧
※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。
http://www.miraivision.net/report (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト)
【未来ビジョン研レポート】
No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」」(2021.4.12)
No.2 「ポストコロナの経済回復は中高年大人世代の力」(2021.4.19)
No.3 コロナで、より「シニアと呼ばれても誰のこと?」(2021.4.26)
No.4 ポストコロナ、これからライフスタイルを創りたい(2021.4.30)
No.5 社会保障費解決のカギは団塊の健康行動が握る(2021.5.10)
No.6 中高年はクロスメディアDXを加速(2021.5.13)
No.7 コロナ後は“新しい大人女子”消費に期待大(2021.5.17)
No.8 定年は意外と楽しい(2021.5.20)
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