ラブレ菌 (Lactobacillus brevis KB290) に更年期症状(便秘や冷え、肩こり、腰痛など)を改善する効果が期待
[12/03/21]
提供元:@Press
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カゴメ株式会社(社長:西 秀訓)と医療法人石塚産婦人科(栃木県那須塩原市)は、植物性乳酸菌であるLactobacillus brevis KB290(以下、ラブレ菌)の更年期症状に及ぼす影響について共同で研究を進めています。今回、便秘を含む更年期症状を自覚する45-55歳の女性13名を被験者としてラブレ菌の摂取試験を実施し、ラブレ菌の摂取により便通が改善されることに加え、冷えや肩こり、腰痛などの更年期症状も改善されること(下図参照)を明らかにしました。なお、本研究内容は3rd TNO Beneficial Microbes Conference(第3回有用微生物学会 2012年3月26日〜28日、ノールトウェッカーアウト[オランダ])で発表いたします。
図.更年期症状のアンケートスコアの変化:
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/1_1.jpg
■ 共同研究者 医療法人石塚産婦人科 郡山 純子 副院長のコメント
女性は更年期(50歳前後)を迎える頃に、エストロゲンの分泌衰退などが原因となり、更年期症状を訴える方が多くなるといわれています。更年期症状は便秘や冷え、肩こり、腰痛、顔のほてりなど多岐にわたる不定愁訴(原因となる病気が特定できない症状)が現れますが、一つの症状が改善されると同時に別の症状も改善されるということが治療の現場ではよく見られます。今回の試験結果からも、便秘を含む更年期症状を自覚する45-55歳の女性にラブレ菌を摂取してもらうことで、便秘が緩和されるだけでなく、冷えや肩こり、腰痛といった症状も改善される可能性が見出されました。このため、ラブレ菌は更年期症状の治療の一助になることが期待されると考えています。
■ 研究概要
≪背景≫
女性は50歳前後になると、更年期症状として、便秘、冷え、肩こり、腰痛、顔のほてりなどを訴える方が多くなるといわれています。一方、お腹の調子を整える食品の摂取により、便通が改善されるだけでなく、冷えなどの不定愁訴も改善される可能性があると報告されています。そこで、整腸作用が明らかになっているラブレ菌を摂取することで、便秘を含む更年期症状を改善できる可能性があると考えました。
≪目的≫
ラブレ菌摂取が便秘を含む更年期症状に及ぼす影響について調査いたしました。
≪実験方法≫
・被験者
便秘を含む更年期症状を自覚する45-55歳の女性13名を対象として試験を実施いたしました。
・試験食品
試験食品には、生きたラブレ菌を製造時に100億個以上含むカプセルを用いました。被験者には、試験食品を1日1カプセル、朝・昼・晩いずれかの食後に摂取していただきました。
・試験スケジュール
試験は図1の要領で実施し、1週間の摂取前期間の後、被験者に試験食品を4週間毎日摂取していただきました(ラブレ菌カプセル摂取期間)。
図1.試験スケジュール
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/a_5.pdf
≪結果≫
・便通の変化
ラブレ菌カプセルの摂取前後で、1週間あたりの排便回数および排便日数を比較しました(図2)。その結果、摂取前期間と比べて、ラブレ菌カプセル摂取期間の排便回数および排便量は有意に多い値を示しました。
図2.便通の変化
(**:p < 0.01、ウィルコクソンの符号付順位和検定、―平均値、n=13)
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/2_2.jpg
・更年期症状の変化
ラブレ菌カプセルの摂取前後で、更年期症状のアンケートスコアを比較しました(図3、4)。その結果、摂取前期間と比べて、ラブレ菌カプセル摂取期間の更年期障害指数(更年期症状全体の重症度)、「腰や手足が冷える」ならびに「肩こり、腰痛、手足の節々の痛みがある」という症状のアンケートスコアが有意に低い値を示しました。なお、これらのスコアは高いほど、症状がより重症であることを表します。
図3.更年期症状のアンケートスコアの変化 (1)
(**:p < 0.01、*:p < 0.05、ウィルコクソンの符号付順位和検定、―平均値、n=13)
図4.更年期症状のアンケートスコアの変化 (2) (再掲)
(**:p < 0.01、*:p < 0.05、ウィルコクソンの符号付順位和検定、―平均値、n=13)
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/3_3.jpg
・便通と更年期症状との関連性
ラブレ菌摂取前後における、便通の変化量と、更年期症状のアンケートスコアの変化量との関連性の有無を調査しました(図5)。その結果、排便回数の変化量と、「腰や手足が冷える」などの症状から構成される症状群である『血管運動神経障害様症状』のアンケートスコアの変化量とには、統計学的に関連する傾向が認められました。
図5.便通と更年期症状との関連性
(スピアマンの順位相関係数、n=13)
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/4_4.jpg
≪まとめ≫
今回の結果から、ラブレ菌の摂取により便秘や冷え、肩こり、腰痛などの更年期症状が改善されることが示唆されました。さらに、ラブレ菌摂取による排便回数の増加と、『血管運動神経障害様症状』の改善との間には統計学的に関連がある傾向が見出されました。現在、さらに詳細にラブレ菌の更年期症状への有効性を検証し、そのメカニズムを明らかにするための試験を計画しています。
■ 用語の説明
ラブレ菌:
学名 Lactobacillus brevis KB290 → 通称、Labre(ラブレ菌)
京都の漬物「すぐき」から財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター(京都)で分離され、その整腸作用や免疫力を高める作用が研究されてきました。
整腸作用:
排便状況(排便回数、排便量、便性状など)の改善および排便状況改善のメカニズムである腸内菌叢バランスの改善作用を整腸作用といいます。
エストロゲンと更年期症状:
エストロゲンは月経の周期や排卵に大きく関与している女性ホルモンの一種で、生殖機能を維持する作用などが知られています。また、加齢による卵巣機能の低下により分泌量が減少すると、不定愁訴として疲労感や気分不安定、不眠といった精神面の症状や、便秘、冷え、肩こり、腰痛、顔のほてりといった身体的な症状が現れることが多くなるといわれています。
クッパーマン更年期障害指数 阿部変法(TM):
更年期症状の評価を目的として、日本国内の産婦人科領域で広く使用されている調査票です。日本人に特徴的な症状を含む17症状の質問項目(11の症状群に分類される)があります。また、症状群の一つである『血管運動神経障害様症状』のアンケートスコアは、「顔がほてる」、「汗をかきやすい」、「腰や手足が冷える」、「息切れがする」という4つの症状のアンケートスコアから算出されています。
図.更年期症状のアンケートスコアの変化:
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/1_1.jpg
■ 共同研究者 医療法人石塚産婦人科 郡山 純子 副院長のコメント
女性は更年期(50歳前後)を迎える頃に、エストロゲンの分泌衰退などが原因となり、更年期症状を訴える方が多くなるといわれています。更年期症状は便秘や冷え、肩こり、腰痛、顔のほてりなど多岐にわたる不定愁訴(原因となる病気が特定できない症状)が現れますが、一つの症状が改善されると同時に別の症状も改善されるということが治療の現場ではよく見られます。今回の試験結果からも、便秘を含む更年期症状を自覚する45-55歳の女性にラブレ菌を摂取してもらうことで、便秘が緩和されるだけでなく、冷えや肩こり、腰痛といった症状も改善される可能性が見出されました。このため、ラブレ菌は更年期症状の治療の一助になることが期待されると考えています。
■ 研究概要
≪背景≫
女性は50歳前後になると、更年期症状として、便秘、冷え、肩こり、腰痛、顔のほてりなどを訴える方が多くなるといわれています。一方、お腹の調子を整える食品の摂取により、便通が改善されるだけでなく、冷えなどの不定愁訴も改善される可能性があると報告されています。そこで、整腸作用が明らかになっているラブレ菌を摂取することで、便秘を含む更年期症状を改善できる可能性があると考えました。
≪目的≫
ラブレ菌摂取が便秘を含む更年期症状に及ぼす影響について調査いたしました。
≪実験方法≫
・被験者
便秘を含む更年期症状を自覚する45-55歳の女性13名を対象として試験を実施いたしました。
・試験食品
試験食品には、生きたラブレ菌を製造時に100億個以上含むカプセルを用いました。被験者には、試験食品を1日1カプセル、朝・昼・晩いずれかの食後に摂取していただきました。
・試験スケジュール
試験は図1の要領で実施し、1週間の摂取前期間の後、被験者に試験食品を4週間毎日摂取していただきました(ラブレ菌カプセル摂取期間)。
図1.試験スケジュール
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/a_5.pdf
≪結果≫
・便通の変化
ラブレ菌カプセルの摂取前後で、1週間あたりの排便回数および排便日数を比較しました(図2)。その結果、摂取前期間と比べて、ラブレ菌カプセル摂取期間の排便回数および排便量は有意に多い値を示しました。
図2.便通の変化
(**:p < 0.01、ウィルコクソンの符号付順位和検定、―平均値、n=13)
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/2_2.jpg
・更年期症状の変化
ラブレ菌カプセルの摂取前後で、更年期症状のアンケートスコアを比較しました(図3、4)。その結果、摂取前期間と比べて、ラブレ菌カプセル摂取期間の更年期障害指数(更年期症状全体の重症度)、「腰や手足が冷える」ならびに「肩こり、腰痛、手足の節々の痛みがある」という症状のアンケートスコアが有意に低い値を示しました。なお、これらのスコアは高いほど、症状がより重症であることを表します。
図3.更年期症状のアンケートスコアの変化 (1)
(**:p < 0.01、*:p < 0.05、ウィルコクソンの符号付順位和検定、―平均値、n=13)
図4.更年期症状のアンケートスコアの変化 (2) (再掲)
(**:p < 0.01、*:p < 0.05、ウィルコクソンの符号付順位和検定、―平均値、n=13)
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/3_3.jpg
・便通と更年期症状との関連性
ラブレ菌摂取前後における、便通の変化量と、更年期症状のアンケートスコアの変化量との関連性の有無を調査しました(図5)。その結果、排便回数の変化量と、「腰や手足が冷える」などの症状から構成される症状群である『血管運動神経障害様症状』のアンケートスコアの変化量とには、統計学的に関連する傾向が認められました。
図5.便通と更年期症状との関連性
(スピアマンの順位相関係数、n=13)
http://www.atpress.ne.jp/releases/26196/4_4.jpg
≪まとめ≫
今回の結果から、ラブレ菌の摂取により便秘や冷え、肩こり、腰痛などの更年期症状が改善されることが示唆されました。さらに、ラブレ菌摂取による排便回数の増加と、『血管運動神経障害様症状』の改善との間には統計学的に関連がある傾向が見出されました。現在、さらに詳細にラブレ菌の更年期症状への有効性を検証し、そのメカニズムを明らかにするための試験を計画しています。
■ 用語の説明
ラブレ菌:
学名 Lactobacillus brevis KB290 → 通称、Labre(ラブレ菌)
京都の漬物「すぐき」から財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター(京都)で分離され、その整腸作用や免疫力を高める作用が研究されてきました。
整腸作用:
排便状況(排便回数、排便量、便性状など)の改善および排便状況改善のメカニズムである腸内菌叢バランスの改善作用を整腸作用といいます。
エストロゲンと更年期症状:
エストロゲンは月経の周期や排卵に大きく関与している女性ホルモンの一種で、生殖機能を維持する作用などが知られています。また、加齢による卵巣機能の低下により分泌量が減少すると、不定愁訴として疲労感や気分不安定、不眠といった精神面の症状や、便秘、冷え、肩こり、腰痛、顔のほてりといった身体的な症状が現れることが多くなるといわれています。
クッパーマン更年期障害指数 阿部変法(TM):
更年期症状の評価を目的として、日本国内の産婦人科領域で広く使用されている調査票です。日本人に特徴的な症状を含む17症状の質問項目(11の症状群に分類される)があります。また、症状群の一つである『血管運動神経障害様症状』のアンケートスコアは、「顔がほてる」、「汗をかきやすい」、「腰や手足が冷える」、「息切れがする」という4つの症状のアンケートスコアから算出されています。