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日経BPコンサルティング調べ「第4回 モバイルデータ通信端末満足度調査」携帯電話市場を牽引するデータ通信端末市場

 株式会社日経BPコンサルティング(本社:東京都港区、代表取締役社長:戸田 雅博、URL: http://consult.nikkeibp.co.jp/ )が実施した「第4回 モバイルデータ通信端末満足度調査」において、顧客満足度の第1位はNTTドコモだった(図1)。これでNTTドコモは4年連続の1位となった。同社が、総合満足度において1位を獲得するとともに、各項目別では16項目中8項目で1位となった(総合満足度を含めると17項目中9項目で1位)。スマートフォンなどでの通信品質問題が話題になっていたが、データ通信の評価においては影響が見られない結果となった。

 本調査は2009年から毎年、年度末に実施しており、今年で4回目。2012年3月に、全国のモバイルデータ通信端末ユーザー2,661人に対し、国内通信事業者6社のモバイルデータ通信端末の利用に関する満足度を調査したもの。2011年度は、各通信事業者のデータ通信の高速化、スマートフォンの拡大に加え、タブレット端末市場も成長。Wi-Fiを介してPCだけでなくスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機などに接続して利用できるモバイルWi-Fiルータがモバイルデータ通信端末市場の中心となった。

※「モバイルデータ通信端末」は、PC等に接続してデータ通信を行うモバイル端末。PCカードタイプ、CFカードタイプ、USBタイプ、ExpressCardタイプ、「Pocket WiFi」等のモバイルWi-Fiルータタイプなどがある。またデータ通信端末の機能を内蔵したPCも各キャリアから提供されており、NTTドコモのXi/HIGH-SPEED対応PC、KDDI(au)の通信機能搭載PC、ソフトバンク、イー・モバイルの通信モジュール搭載PC、UQ WiMAX搭載PCがある。なお、WLAN専用のタイプ、デジタルフォトフレームは調査対象外とした。

図1: http://www.atpress.ne.jp/releases/26815/a_1.jpg


■エリア、通信品質、顧客対応に強いNTTドコモ
 本調査で取り上げた項目は、過去3回の項目を若干見直し、都市部のエリアを明確化する上で、2項目から3項目に増やし「通信エリア(屋外:都市部)」、「通信エリア(屋外:郊外)」、「通信エリア(屋内)」とした。また通信品質に関して「通信品質(接続までの時間)」、「通信品質(通信中の切断)」に加え、「通信品質(電車、車等での移動中の品質)」の3項目とした。さらに「データ通信定額制」が基本となってきたことから「月額利用料金」、「データ通信定額制」について「月額利用料金(上限額)」、「月額料金(最低支払額)」という項目に変更した。その他の昨年と同じ8項目「データ通信速度」、「端末の価格」、「端末性能/機能/使いやすさ」、「端末デザイン/サイズ」、「利用できるアプリケーション」、「料金プラン/割引サービス」、「販売店・ショップ店員の対応」、「アフターサービス・サポート」で全16項目に「総合満足度」を加えた17項目について、満足度を4段階(非常に満足/どちらかといえば満足/どちらかといえば不満/不満)で評価してもらった。対象とした事業者は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、イー・アクセス、ウィルコム、UQコミュニケーションズの6社。

 各満足度をスコア化した結果(図1)をみると、NTTドコモが、「総合満足度」を含めた17項目中9項目で満足度1位となった。総合満足度は、昨年、一昨年に続いて4年連続で1位。特に、屋内外における通信エリアに対する満足度の高さが際立っている。ならびに、通信品質や、顧客対応度の尺度である「店員の対応」、「アフターサービス・サポート」においても他の事業者と比較して高い満足度を獲得したのが特徴。今年のはじめは、通信品質に関しては、各社においてスマートフォンの顧客増、利用増により通信障害が発生し、特にNTTドコモに関して大きな話題となった。通信品質について、厳しい評価が表れるのではと予想していたが、今回の結果ではデータ通信分野における影響は見られなかった。


■総合満足度2位は全体的に安定した満足度のKDDI
 今回、総合満足度で2位となったのはKDDI(au)である(昨年の2位はUQコミュニケーションズ)。昨年の調査と比較し、全体的に満足度が上昇していた。1位の項目は「利用アプリケーション」のみであるが、総じて安定した満足度の高さとなっている。各項目別で見た場合、「エリア」、「通信品質」の6項目がNTTドコモに次いで2位。「データ通信速度」に関してはUQコミュニケーションズに次ぐ2位となっている。「データ通信速度」に関しては、3G/WiMAX対応のモバイルWi-Fiルータの評価の高さが大きく左右した。

 UQコミュニケーションズは、総合満足度3位で、昨年同様「データ通信速度」、その他「端末価格」、「端末性能/機能等」の3項目で1位だった。特に「端末性能/機能等」に関する満足度は、他キャリアと比較して突出して高い結果であった。

 総合満足度4位のイー・アクセスは、満足度1位の項目が唯一なかった。今回の調査時点では、LTEが発売したばかりだったため、満足度に表れていない。ソフトバンクについては、昨年と変わらずエリア面、品質面の満足度が平均よりも低い結果となっているが、「端末デザイン/サイズ」、「月額利用料金(上限額)」で1位だった。ULTRA SPEEDの「データし放題フラット」の上限金額3,880円がこの満足度につながったと考えられる。「月額利用料金(最低支払額)」、「料金プラン/割引サービス」においては、ウィルコムが昨年と同じく満足度1位だった。

(藤澤 一郎=日経BPコンサルティング シニアコンサルタント)


<満足度スコア化の方法について>
 非常に満足(n1):2ポイント、どちらかといえば満足(n2):1ポイント、どちらかといえば不満(n3):-1ポイント、不満(n4):-2ポイントとして、各満足度のn数(n1〜n4)をかけ、全体のn数で割った値に対し、相関関係等を用いた加重計算により、キャリア間の相対的な値を算出して「満足度スコア」とした。
・「満足度スコア」=f{(2×n1+n2+(-1)×n3+(-2)×n4)/n}
  (n=n1+n2+n3+n4)


<調査概要>
 「第4回データ通信端末満足度調査」:本調査は、データ通信端末所有ユーザー2,661人(NTTドコモ:n=500、KDDI(au):n=461、ソフトバンク:n=500、イー・アクセス:n=500、ウィルコム:n=200、UQコミュニケーションズ:n=500)に対し、2012年3月9日〜3月14日にWebアンケートによるデータ通信端末利用に関する満足度調査を実施したものである。
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