ラブレ菌 (Lactobacillus brevis KB290) に排便時の“いきみ”や排便時の血圧上昇を抑制する効果
[12/09/19]
提供元:@Press
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カゴメ株式会社(社長:西 秀訓)と医療法人社団亮仁会那須中央病院(栃木県大田原市)は、植物性乳酸菌であるLactobacillus brevis KB290(以下、ラブレ菌)が排便時の“いきみ”と血圧変動に与える影響について共同で研究を進めています。今回、便秘傾向を自覚する20-60歳の男女20名を被験者としてラブレ菌の摂取試験を実施し、ラブレ菌の摂取により便通が改善されることに加え、排便時の“いきみ”と血圧の上昇を抑制する効果(下図参照)を明らかにしました。なお、本研究内容は第35回日本高血圧学会(2012年9月20日〜22日、ウェスティンナゴヤキャッスル[名古屋])で発表いたします。
図1.ラブレ菌摂取が排便時の“いきみ”の強さと血圧変動に与える影響
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/1_1.jpg
n=20, -;平均値, *;p < 0.05 (対応のあるt検定) <左図>
n=20, 平均値±SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定) <右図>
■共同研究者 那須中央病院 理事長 臼井 亮平 医師のコメント
排便時の“いきみ”は短期間の急激な血圧変動を引き起こすことから、脳卒中や心疾患の発症原因となることが知られています。便秘になると“いきみ”も強くなることから、血圧が高めの方や一度脳卒中や心疾患を発症した患者には、便秘にならないように食生活等の生活習慣について指導しています。
今回の試験結果から、便秘傾向の方がラブレ菌を摂取することで便通が改善すると共に排便時の“いきみ”や血圧上昇が抑えられることが明らかになりました。このことは、ラブレ菌が脳卒中や心疾患のリスクを抱える方に対する便通指導に有用であることを示唆していると思われます。
■研究概要
≪背景≫
排便時の“いきみ”は急激な血圧上昇をひきおこし、これらは脳卒中、心疾患のリスクとなることが知られています。便秘傾向者は、排便時の“いきみ”が健常な方と比較して強いことが知られており、これら疾病のリスクも大きいことが予想されます。このことから、我々は便秘傾向者の便通を改善することで、脳卒中や心疾患の発症リスクを低減させることができるのではないかと考えました。
≪目的≫
そこで、我々はこれまでの整腸作用があることが明らかになっている植物由来のプロバイオティクスであるラブレ菌を用いて、便秘傾向者の便通と排便時の“いきみ”の強さ並びに排便時の血圧上昇に与える影響について調査をいたしました。
≪実験方法≫
・被験者
便秘傾向を自覚する、20〜60歳の男女20名を被験者としました。
・試験食品
試験食品には、生きたラブレ菌を製造時に100億個以上含むカプセルを用いました。被験者には、試験食品を1日1カプセル、朝・昼・晩いずれかの食後に摂取していただきました。
・試験スケジュール
試験は図2の要領で実施し、2週間の摂取前観察期間の後、被験者に2週間毎日試験食品を摂取していただきました(摂取期間)。
図2.試験スケジュール
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/1_5.pdf
被験者は試験期間中毎日便通と排便時の"いきみ"を記録する日誌に記入していただいた。
各期間の後半1週間は排便時の血圧を測定し、日誌に記入していただいた。
≪結果≫
・便通の変化
摂取前観察期間と摂取期間で、1週間当たりの排便回数と便の形を比較しました。排便回数については、摂取前観察期間の排便回数が週5回以下の方10名を選定して解析しました。その結果、摂取前観察期間と比較して、摂取期間では排便回数が有意に増加し、硬い便の出現率が有意に減少していました(図3)。
図3. 便通の変化
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/2_2.jpg
<排便回数の変化> n=10, 平均値+SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
<便の形の変化> n=20, 平均値+SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
・排便時の“いきみ”の強さ
摂取前観察期間と摂取期間とで、排便時の主観的な“いきみ”の強さを比較しました。その結果、摂取期間では摂取前観察期間と比較して排便時の“いきみ”の強さが有意に低くなっていました(図4)。
図4. 排便時の“いきみ”の強さ
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/3_3.jpg
n=20, -;平均値, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
・排便時の血圧変動
摂取前観察期間と摂取期間とで、安静時及び排便時の血圧を比較しました。その結果、安静時の血圧は各期間で差がみられませんでしたが、排便時の血圧は摂取前観察期間と比較して、摂取期間では有意に低下していました(図5)。
図5. 排便時の血圧の変動
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/4_4.jpg
n=20, 平均値±SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
≪まとめ≫
今回の試験結果から、ラブレ菌の摂取により被験者の便通が改善すると共に、排便時の“いきみ”や排便時の血圧上昇が抑制されることが示唆されました。このことは、ラブレ菌摂取による整腸作用を介して脳卒中や心疾患の発症リスクを低減することに繋がる可能性があるのではないかと考えられます。今後はより脳卒中や心疾患のリスクが高い方を対象として研究を進めていく予定です。
■用語の説明
ラブレ菌:
学名 Lactobacillus brevis KB290 → 通称、Labre(ラブレ菌)
京都の漬物「すぐき」から財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター(京都)で分離され、その整腸作用や免疫力を高める作用が研究されてきました。
整腸作用:
排便状況(排便回数、排便量、便性状など)の改善および排便状況改善のメカニズムである腸内菌叢バランスの改善作用を整腸作用といいます。
脳卒中と心疾患:
脳卒中は、脳梗塞、脳出血などに代表される脳の疾患で患者数は約120万人と言われており、心疾患は心筋梗塞や狭心症に代表される疾患で患者数は約80万人と言われています。これらの疾患のリスクは生活習慣病をはじめとして様々なものが考えられていますが、便秘による“いきみ”もリスクの一つとして考えられています。
図1.ラブレ菌摂取が排便時の“いきみ”の強さと血圧変動に与える影響
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/1_1.jpg
n=20, -;平均値, *;p < 0.05 (対応のあるt検定) <左図>
n=20, 平均値±SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定) <右図>
■共同研究者 那須中央病院 理事長 臼井 亮平 医師のコメント
排便時の“いきみ”は短期間の急激な血圧変動を引き起こすことから、脳卒中や心疾患の発症原因となることが知られています。便秘になると“いきみ”も強くなることから、血圧が高めの方や一度脳卒中や心疾患を発症した患者には、便秘にならないように食生活等の生活習慣について指導しています。
今回の試験結果から、便秘傾向の方がラブレ菌を摂取することで便通が改善すると共に排便時の“いきみ”や血圧上昇が抑えられることが明らかになりました。このことは、ラブレ菌が脳卒中や心疾患のリスクを抱える方に対する便通指導に有用であることを示唆していると思われます。
■研究概要
≪背景≫
排便時の“いきみ”は急激な血圧上昇をひきおこし、これらは脳卒中、心疾患のリスクとなることが知られています。便秘傾向者は、排便時の“いきみ”が健常な方と比較して強いことが知られており、これら疾病のリスクも大きいことが予想されます。このことから、我々は便秘傾向者の便通を改善することで、脳卒中や心疾患の発症リスクを低減させることができるのではないかと考えました。
≪目的≫
そこで、我々はこれまでの整腸作用があることが明らかになっている植物由来のプロバイオティクスであるラブレ菌を用いて、便秘傾向者の便通と排便時の“いきみ”の強さ並びに排便時の血圧上昇に与える影響について調査をいたしました。
≪実験方法≫
・被験者
便秘傾向を自覚する、20〜60歳の男女20名を被験者としました。
・試験食品
試験食品には、生きたラブレ菌を製造時に100億個以上含むカプセルを用いました。被験者には、試験食品を1日1カプセル、朝・昼・晩いずれかの食後に摂取していただきました。
・試験スケジュール
試験は図2の要領で実施し、2週間の摂取前観察期間の後、被験者に2週間毎日試験食品を摂取していただきました(摂取期間)。
図2.試験スケジュール
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/1_5.pdf
被験者は試験期間中毎日便通と排便時の"いきみ"を記録する日誌に記入していただいた。
各期間の後半1週間は排便時の血圧を測定し、日誌に記入していただいた。
≪結果≫
・便通の変化
摂取前観察期間と摂取期間で、1週間当たりの排便回数と便の形を比較しました。排便回数については、摂取前観察期間の排便回数が週5回以下の方10名を選定して解析しました。その結果、摂取前観察期間と比較して、摂取期間では排便回数が有意に増加し、硬い便の出現率が有意に減少していました(図3)。
図3. 便通の変化
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/2_2.jpg
<排便回数の変化> n=10, 平均値+SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
<便の形の変化> n=20, 平均値+SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
・排便時の“いきみ”の強さ
摂取前観察期間と摂取期間とで、排便時の主観的な“いきみ”の強さを比較しました。その結果、摂取期間では摂取前観察期間と比較して排便時の“いきみ”の強さが有意に低くなっていました(図4)。
図4. 排便時の“いきみ”の強さ
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/3_3.jpg
n=20, -;平均値, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
・排便時の血圧変動
摂取前観察期間と摂取期間とで、安静時及び排便時の血圧を比較しました。その結果、安静時の血圧は各期間で差がみられませんでしたが、排便時の血圧は摂取前観察期間と比較して、摂取期間では有意に低下していました(図5)。
図5. 排便時の血圧の変動
http://www.atpress.ne.jp/releases/30033/4_4.jpg
n=20, 平均値±SD, *;p < 0.05 (対応のあるt検定)
≪まとめ≫
今回の試験結果から、ラブレ菌の摂取により被験者の便通が改善すると共に、排便時の“いきみ”や排便時の血圧上昇が抑制されることが示唆されました。このことは、ラブレ菌摂取による整腸作用を介して脳卒中や心疾患の発症リスクを低減することに繋がる可能性があるのではないかと考えられます。今後はより脳卒中や心疾患のリスクが高い方を対象として研究を進めていく予定です。
■用語の説明
ラブレ菌:
学名 Lactobacillus brevis KB290 → 通称、Labre(ラブレ菌)
京都の漬物「すぐき」から財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター(京都)で分離され、その整腸作用や免疫力を高める作用が研究されてきました。
整腸作用:
排便状況(排便回数、排便量、便性状など)の改善および排便状況改善のメカニズムである腸内菌叢バランスの改善作用を整腸作用といいます。
脳卒中と心疾患:
脳卒中は、脳梗塞、脳出血などに代表される脳の疾患で患者数は約120万人と言われており、心疾患は心筋梗塞や狭心症に代表される疾患で患者数は約80万人と言われています。これらの疾患のリスクは生活習慣病をはじめとして様々なものが考えられていますが、便秘による“いきみ”もリスクの一つとして考えられています。