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「主要企業Webユーザビリティランキング2012<企業サイト編>」〜昨年2位の「NTTドコモ」が僅差で使いやすいサイト1位に返り咲く〜

 トライベック・ストラテジー株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:殿木 和彦)は、「主要企業Webユーザビリティランキング2012<企業サイト編>」を実施し、全15業界・150サイトのユーザビリティ(使い勝手や安全性など)を評価しました。調査は2012年8月中旬から10月下旬にかけて実施しました。


■ネット環境の激しい進化に、ますます重要性を増すオウンドメディア
 増え続けるソーシャルメディアの利用者、急速に浸透するスマートフォン、そして存在感を示しつつあるタブレット。ユーザーを取り巻く環境は、変化のスピードを落とすことなく、劇的な変化を迎えています。こうした背景に、企業はユーザーとのコミュニケーションの在り方を考え直すことを余議なくされ、そしてその重要な役割をオウンドメディアに担わせていくことを決断する時期にあります。
 オウンドメディアは、企業にとっての唯一のオフィシャルサイトです。企業情報や商品情報といった基本的な情報の羅列であったカタログ型のサイトから脱却し、顧客に直接企業の想いや商品・サービスの良さをプレゼンテーションしていくメディアへと進化が求められるようになりました。
 またオウンドメディアには、ユーザーに対して他では経験し得ないような価値ある情報を発信すると共に、それをユーザーにストレスなく届ける手段を提供する重要な役割があります。ユーザビリティはまさにユーザーに価値ある情報をストレスなく最短で届けるための手段であり、おもてなしなのです。
 ユーザビリティとは一言で言えば「Webサイトの使いやすさ」となります。どれだけ良い商品・サービスに関するコンテンツや、圧倒的なクリエイティビティ溢れるコンテンツがあっても、それが実際のユーザーに伝わらなければ意味をなしません。ユーザビリティは、こうした企業の想いや意図を伝えるための手段として、オウンドメディアにおける基礎の考えとして外せません。
 ユーザビリティ上、課題があるサイトでは来訪者数の低迷や競合サイトへのユーザー流出など、売上の機会損失の原因にもなります。また、欲しい情報に辿り着けない等のストレスからブランドイメージがダウンする等の問題も生じます。
 オウンドメディアは企業にとって、ユーザーとのコミュニケーションを活性化し、ブランド価値を高め、営業機会を最大化するために欠かせないものです。


■評価対象
 「電力・ガス・エネルギー」、「鉄道・運輸」、「建設・不動産」、「鉄鋼・金属・材料」、「化学・繊維」、「機械・部品メーカー」、「自動車・自動二輪」、「精密機器・電子部品」、「食品・飲料・生活用品」、「医薬品」、「商社・流通・小売」、「金融・証券」、「IT・情報通信」、「総合電機・エレクトロニクス」、「保険・クレジット」の15業界、主要企業150サイト。


■評価方法
 トライベック・ストラテジーのユーザビリティ診断プログラムを用いて、「アクセス性」、「サイト全体の明快性」、「ナビゲーションの使いやすさ」、「コンテンツの適切性」、「ヘルプ・安全性」の5評価軸、全97項目について評価しました。


■評価改訂のポイント
 今回の調査は、トライベック・ストラテジーのユーザビリティ診断プログラムによって評価を実施していますが、従来の評価内容について一部改訂しました。改訂したポイントは以下の通りです。

1.オウンドメディアとしての重要性再認識
・トップページの行動喚起力をさらに重視し、ユーザーニーズに合わせた情報優先度への配慮や、ユーザーの興味を喚起するような工夫などに注目し、評価していきます。
・オウンドメディアにおいて、重要となるのがその企業にしかない「オリジナルコンテンツ」です。特に昨今急増している「動画コンテンツ」について重視し、その活用や工夫について評価していきます。
・ユーザーにとって、「特定の企業サイトにアクセスする」理由となり得るサポートコンテンツ(問い合わせやFAQ)については、より重要性の高いコンテンツであるという考えの元、評価していきます。
2.ページ数増大によるナビゲーションシステムの多様化
・情報過多が進む中で、よりシンプルなIA(情報構造化)が求められます。また、メガドロップダウンナビゲーションなど、技術を駆使してユーザーのサイト内回遊をサポートする点については積極的に評価していきます。
3.スマートフォン・タブレット端末への最適化
・多様なアクセス環境への配慮をさらに強化します。特にスマートフォンからの閲覧において、ユーザーがスムーズに目的の情報に到達できるかどうかも重要なポイントです。


■Webユーザビリティランキング2012にみるオウンドメディアの潮流
 今回実施したWebユーザビリティランキングにおいて、さまざまなデータから、オウンドメディアの潮流が見えました。

<スコアの平均点が昨年に比べて2ポイント近く減少>
 スコア平均は昨年の80.19点から、77.85点と減少しました。オウンドメディアの重要性が高まる中で、ユーザーニーズの変化に応じたユーザビリティ向上への対応ができている企業と、そうでない企業とがはっきりしてきたことが特徴的です。

<対象150社のうち、実に68社の約45%がフルリニューアルまたは一部リニューアルを実施>
 昨年度(2011年版)で実施したランキング発表時でも50%超の企業がリニューアルまたは一部リニューアルを実施していました。各メディアの役割が変遷する中で、オウンドメディアへの重要性が見直され、結果として多くの企業がユーザビリティ向上に向けて取り組んでいるという結果になりました。

<マルチデバイス(スマートフォンやタブレット端末など)への対応状況>
 スマートフォン(iPhone、Android携帯)、タブレット端末(iPadなど)すべてに最適化されたサイトを用いて情報発信している企業は39%でした。昨年度が18%前後でしたので、実に2倍の伸び率となりました。

<ソーシャルメディア(Facebook、Twitterなど)への対応状況>
 ソーシャルメディアを有効活用するだけでなく、自社の企業サイトから適切に誘導できている企業は28%程度に留まりました。昨年に比べれば1.5倍程度伸びていますが、マルチデバイス対応に比べるとまだ様子見という企業が多いのも事実です。


■調査結果の概要
 主要企業150サイトのユーザビリティ診断結果の概要は以下のとおりです。

・今回のランキング1位は、これまで2年連続で1位に君臨していた「JX日鉱日石エネルギー」を僅差で抑えた「NTTドコモ」となりました。
同社はユーザビリティ強化の流れを緩めることなく、増え続ける製品や複雑化するユーザーニーズを正確に捉え、適切な誘導を実現できていると言えます。特にオウンドメディアにおいて重要なトップページでは、ユーザーの多様なリクエストを整理しつつ、効果的なPR活動を行えていることが高い評価に繋がりました。ユーザビリティ向上に向けた「たゆまぬ努力」が今回の1位に繋がったのではないかと思います。

・残念ながら2位となった「JX日鉱日石エネルギー」は、相変わらずユーザビリティに関しての取り組みはトップレベルであるものの、訴求する側の企業PRが強く、ユーザー視点でない過度なPRが見られたことがマイナス評価につながりました。3位の「東京地下鉄(東京メトロ)」は前年度6位からの躍進を見せました。多岐に渡るコンテンツを効果的にPRに活かしつつ、ユーザビリティを損なわないような配慮が高評価につながっている要因と言えそうです。その他、4位の「中部電力」、5位「みずほ銀行」、6位「日本生命」、7位「富士フイルム」、8位「第一生命保険」、9位「オリックス」、10位「伊藤忠商事」など上位企業は軒並み高得点となっていますが、特に今年は保険業界の躍進が目立ちます。
こうしたユーザビリティへの対応状況は、対象企業150社においてもトップレベルであり、各社が属する業界最高水準と言えそうです。

・業種別に見ると、1位「IT・情報通信」、2位「保険・クレジット」、3位「医薬品」、4位「食品・飲料・生活用品」と続きます。前回と比べると、「保険・クレジット」や「食品・飲料・生活用品」の順位は上がっており、ユーザビリティに配慮したリニューアルが実施された結果と言えそうです。
一方で「総合電機・エレクトロニクス」、「商社・流通・小売」といった業種が大幅に順位を下げています。世界情勢や、業容拡大、そしてグローバリゼーションの波が襲ってくる中で、改めてオウンドメディアの役割や位置づけを明確にした上で、ユーザビリティのみならずオウンドメディア全般の見直しが必要であると言えます。

・また、業種内格差も鮮明になってきていると言えます。例えば、業種別ランキングで最下位となっている「自動車・自動二輪」において、1位の「マツダ」と「スズキ」は実に30点近くの開きがあります。また業種別6位の「電力・ガス・エネルギー」において、1位の「JX日鉱日石エネルギー」と「昭和シェル石油」も20点以上の開きがありました。こうした業種内格差は、ユーザー視点において競合比較された際に機会損失を招く恐れもあり、格差是正のための改善を検討する必要があります。

・今回は全体的な評価ポイントの見直し、厳格化の流れを受けて、全体スコア平均値が若干落ちています。オウンドメディアとしての価値向上に向けた取り組みにおいて、企業PRとユーザーへの使いやすさへのこだわりのバランスがユーザビリティ向上のカギとなります。

・今回の調査においてさまざまな問題点も見えてきました。今回の調査において、自社サイトのフルリニューアルを実施した企業は少なくありません。このフルリニューアルにおいて、大幅にスコアを伸ばした企業としては、「日本ハム」「三菱重工」「大和証券」「NTTデータ」「日本航空(JAL)」などが挙げられます。こうした企業は、リニューアルにおいて利用者の利便性向上を意識されていた可能性が高く、結果としてスコアも昨年度に比べて大幅に改善されました。
一方で、フルリニューアルしたのにも関わらず大幅にスコアを落としてしまった企業も少なくありません。企業サイトにおいては、ユーザビリティ向上だけが目標になることはありませんが、利用者の利便性という点においてユーザビリティへの配慮は欠かせません。いずれの目標も軽視できない事項とは言え、実際に情報を閲覧する利用者のための配慮を第一に考えたリニューアルが望まれます。


◎主要企業150サイトのランキング結果をすべてご覧になりたい方はこちら
http://www.tribeck.jp/usability/ranking/2012/

<参考資料>
・企業サイト上位10位ランキング

順位 企業/サイト名
1. エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)
2. JX日鉱日石エネルギー
3. 東京地下鉄(東京メトロ)
4. 中部電力
5. みずほ銀行
6. 日本生命
7. 富士フイルム
8. 第一生命保険
9. オリックス
10. 伊藤忠商事

・業種別上位10位ランキング
順位 業種名

1. IT・情報通信
2. 保険・クレジット
3. 医薬品
4. 食品・飲料・生活用品
5. 金融・証券
6. 電力・ガス・エネルギー
7. 機械・部品メーカー
8. 鉄道・運輸
9. 精密機器・電子部品
10. 総合電機・エレクトロニクス


【会社概要】
会社名 : トライベック・ストラテジー株式会社
所在地 : 東京都渋谷区恵比寿1-21-3
代表者 : 代表取締役社長 殿木 和彦
設立  : 2001年9月4日
資本金 : 8,765万円
事業内容: Webコンサルテーション、インテグレーション事業
      (Web戦略策定からサイト構築、運営支援までの
      トータルソリューションをワンストップで提供します)
URL   : http://www.tribeck.jp/
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