グラミン日本、休眠預金活用によるデジタル就労支援の実行団体を採択
[22/11/21]
提供元:@Press
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シングルマザーの経済的自立に向けて
一般財団法人グラミン日本(本社:東京都中央区、理事長:百野公裕、以下「グラミン日本」)は、一般社団法人 日本シングルマザー支援協会(本社:神奈川県横浜市、代表理事:江成 道子)とのコンソーシアム(以下「当コンソーシアム」)にて、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)(所在地:東京都千代田区、理事長:二宮雅也、英文名:Japan Network for Public Interest Activities、略称:JANPIA)の2021年度通常枠公募の休眠預金等活用法*に基づく資金分配団体として、シングルマザーのデジタル就労支援を行う実行団体を公募いたしました。
今回、9団体の応募の中から、有識者による審査委員会による審査を実施し、以下の4団体を実行団体として採択いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。
*休眠預金等活用とは、「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引のない預金等(休眠預金等)を、社会課題解決や民間公益活動促進のために活用するものです。
?審査員一覧
・白河 桃子氏 相模女子大学大学院 特任教授
・鈴木 敦子氏 NPO法人ETIC. Co-Funder / シニアコーディネーター
・児玉 都氏 デロイト トーマツコンサルティング合同会社 ジェンダーストラテジーリーダー / CPEO Office Manager
・小林 立明氏 多摩大学社会的投資研究所 主任研究員
?採択団体(実行団体) 【4団体】
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団体名:Animo Plus株式会社
所在地:大阪府大阪市
団体URL:http://animo-plus.co.jp
事業名:就労困難なシングルマザーのためのデジタル就労支援
事業概要:就労困難な環境にある1都3県のシングルマザーに、幅広いITスキルの学習プログラムを提供。そこで学んだスキルを就労に繋げていく「稼ぎあい」の仕組みにより、経済的な自立を支援します。本事業では、「学びたい」という意欲のあるシングルマザーに向けて、ITスキルの学びを提供します。同じ状況にある受講者と5人1組のチームを組むことで、さまざまな経験をシェアできる「学びあい」の場を創出。シングルマザーが抱えがちな孤立感にアプローチする「支えあい」の視点を大切に、参加者の互助組織をつくってまいります。また、「学びあい」の参加者には初期段階から定期的にキャリアコンサルティングを実施します。就職を希望する方には、ビジネスマナー研修やマインドセット研修、就職前の模擬面接、履歴書・職務経歴書の添削など、きめ細やかな伴走支援を実施。社会と関わり、収入を得られる人材を増やすことで、シングルマザーの貧困と孤立の解決に取り組みます。
助成額事業費:18,985,800円
評価関連経費:949,290円
助成金総額:19,935,090円
※助成額は、概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
講評:当該事業は、就労困難なシングルマザーにITスキルの習得機会を提供することで、在宅勤務や業務委託などの多様な働き方の可能性を開拓しようという意義の大きいものです。キャリアコンサルティングなどの伴走支援も行いながら、生活困窮リスクを抱えるシングルマザーに特有のニーズに対応し、彼女らの経済的・社会的・精神的自立を達成するため、連携・協力団体のリソースを組み合わせて活用する事業設計は今回の公募の目的に合致しており、特に実行可能性や先駆性の面で高評価となりました。スキル付与もさることながら、一気通貫の支援モデルとしての本事業の成功には、出口企業の開拓やシステム開発案件の受注が鍵となるので、今後、出口戦略のさらなる具体化を期待します。
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団体名:株式会社IKEZOE TRUST(RE/MAX JAPAN)
所在地:東京都千代田区
団体URL:https://remax-japan.jp/
事業名:シングルマザーのデジタルスキル習得を活かした不動産業への就労および起業支援プロジェクト
事業概要: リマックスジャパンでは「ママが輝くと、子供の未来が輝く」というテーマで、シングルマザーのデジタルスキル習得による不動産業への就労、起業支援を提供。リマックスのビジネスモデル、国内で活躍するシングルマザーの成功事例、さらにはアメリカの女性エージェントの活動事例やチーム制などを活用して、シングルマザーの経済的、社会的、精神的自立支援を行っていきます。リマックスジャパンでは、生涯の不動産パートナーとしてお客様と末永い関係を築いていくことを推奨しており、パーソナルマーケティングにはSNSや動画の活用が効果的であることが実証されています。しかし、エージェントの中にはデジタル分野を不得意とする人もおり、そのタスク等を本プロジェクトでスキルを身に付けたシングルマザーチームが受注するという、新たな連携スキームを構築し、スタート時の経済的問題解消にも取り組んでまいります。不動産エージェントとして本格稼働するまでに、段階的なポジションを設置することで、シングルマザーでも取り組みやすい活躍の場を広げていきます。
助成額事業費:19,254,500円
評価関連経費:962,725円
助成金総額:20,217,225円
※助成額は、概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
講評:当該事業は、シングルマザーに対して不動産デジタル業務と不動産エージェント業務に関するスキル研修を提供し、就労起業を支援するとともに、互助コミュニティの形成を通じて精神的・社会的自立を支援しようとしており、本プログラムの趣旨に合致したものです。出口戦略として、見習いエージェントやサポートスタッフのポジションをご用意いただいた点も画期的であると、特に先駆性や波及効果の面で高評価となりました。不動産エージェントとしての自立は、他団体にはないユニークな機会であり、本事業の取り組みによって稼ぐシングルマザーのモデルが全国に波及することを期待しております。一方で、さまざまなシングルマザーの方がいる中、自己効力感の向上など、生活困窮リスクを抱えるシングルマザーがどのような課題を抱えており、その解決のためにどのような付加的な支援が必要かを、事業設計に組み込まれることが望まれます。助成期間終了後の事業の持続可能性や波及効果の面も不明確であるため、事業計画のさらなる具体化を期待します。
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団体名:NPO法人シングルマザーズシスターフッド
所在地:東京都国立市
団体URL:https://www.singlemomssisterhood.org/
事業名:支援につながりにくい若年シングルマザーに向けた、ITを活用した総合的トレーニングとピアサポートプログラムの実践
事業概要:本事業は若年シングルマザーを対象とした就労支援プログラムです。自分に自信を持って社会に出ていくための土台となる【1】心身のセルフケア【2】自己探求・自己表現【3】マネーリテラシーのプログラムを提供します。労働市場で力を発揮していくために【4】多機関との連携によるデジタルスキルおよび就業スキルの向上に取り組みます。モチベーション高くこれらのプロセスに取り組めるよう【5】仲間との助け合いが生まれるピアサポートプログラムも用意しています。最後に【6】学びのプロセスを総括し自身のキャリアビジョンをプレゼンする最終発表会をおこない、その後も【7】就労後の新生活への伴走も継続しておこないます。半年間の集中コース選択者は、仲間との一体感を高め、継続をサポートするため親子で参加できる宿泊型ワークショップからスタートします。就労にあたっては子どもの生活や情緒の安定は必須であり、子どもへのピアサポート活動を通して生活と情緒の安定に取り組み、母子の包括的支援体制の構築を目指します。プログラム終了後は、「少し先ゆく先輩」として次世代のシングルマザーを支援する機会を設け、担い手育成にもつなげていきます。
助成額事業費:26,612,700円
評価関連経費:1,330,635円
助成金総額:27,943,335円
※助成額は、概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
講評:本事業は、生活困窮リスクを抱えるシングルマザーに対し、セルフケア、エンパワーメントからデジタルスキル、就労支援までを一括して提供するという点で革新性があり、特に、シングルマザーだけでなく子どもたちの心のケアを目指す点は、新たな支援モデルとして高評価となりました。シングルマザー向けのセルフケア&エンパワーメント事業については専門性を有していますが、デジタルスキル研修や就労支援については提携団体に事業委託することが計画に盛り込まれています。提携団体と協力しながらも、貴団体としてしっかりと伴走支援を行い、シングルマザーが精神的自立と経済的自立の両方を目指せることを期待します。
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団体名:?般社団法?ハートフルファミリー
所在地:東京都新宿区
団体URL:https://hartfullbank.com/
事業名:シングルマザーの心の自立と経済的自立を達成する共感伴走イノベーションの構築事業
事業概要:本事業は、マインドセットを行いながらデジタルスキル習得を武器に経済的に自立をすることを1年半という期間を決めて目標に向かって取り組みます。この期間はシングルマザーとして子育てを終了した卒業シングルマザー(卒ママ)が伴走することで、精神的自立と経済的自立を共に達成する共感伴走イノベーションを構築します。また個々人がそれぞれ別々のデジタルスキル習得プログラムを選び取り組みますが、子どもと自分の未来のために経済的な自立を掴むために共に過ごす期間の中で当事者同士のコミュニティ形成が行われます。期間を通してオンラインセミナーやリアル合宿プログラムなどを行います。3年間のプロジェクトを通してこのメソッドが安定的に成果を生み出し、シングルマザーが社会で活躍することができる仕組みとしてのエコシステムの形成(各種ステークホルダーとの協働、プログラムへの投資の呼び込み)にも取り組みます。
助成額事業費:25,147,000円
評価関連経費:1,257,350円
助成金総額:26,404,350円
※助成額は、概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
講評:本事業は、生活困窮リスクのあるシングルマザーに対して、デジタルスキル研修を実施し、さらにコミュニティ形成や就労支援を行うことで彼らの自立を支援しようというものですが、申請団体が持つ左脳マップトレーニング、コミュニケーションスキルトレーニングなどの独自のコンテンツを活用した支援とデジタルスキル研修・就労支援事業を結合したプログラムは革新性があると高評価となりました。精神的自立支援もさることながら、一気通貫の支援モデルとしての本事業の成功には、参加者がプログラムに参加することで収入アップを実感できることがカギとなるので、今後、出口戦略のさらなる具体化を期待します。
?今後の予定
今後、各実行団体はシングルマザーのデジタル就労支援事業を開始します。活動内容は、順次グラミン日本のウェブサイトにて公表予定です。当コンソーシアムは、採択団体に対して、助成等の資金的支援及び事業運営・組織基盤構築等の非資金的支援を伴走型で提供します。
事業1年目(2022年10月〜2023年3月)
プロジェクト立ち上げ期間として、実行団体はスタッフ確保、研修参加、プロジェク卜立ち上げ諸準備、参加者募集等を行い、シングルマザーに対する就労・起業支援活動を開始。当コンソーシアムは実行団体に対して事前評価、支援者育成等の研修を実施するとともに、実行団体への非資金的支援の事前ヒアリングに基づき、非資金的支援計画を策定し、事業の伴走支援および組織基盤強化支援を開始します。
事業2年目(2023年4月〜2024年3月)
実行団体は、就労・起業支援プログラムを実装し支援を継続展開します。実行団体は、中間評価を実施し、プログラム運営の検証?改善を行います。また、プログラム参加者のコミュニティを構築し、参加者間での互助を促進します。当コンソーシアムは、プロジェクトの側面支援及び組織基盤強化支援を継続し、実行団体間のネットワーク形成支援も併せて行います。また中間報告の成果を踏まえて、グラミン日本の広報媒体を通じて実行団体の活動及びシングルマザーの現状を広く社会に向けて発信し、社会的関心を喚起して参ります。
事業3年目(2024年4月〜2025年3月)
実行団体は、これまでの取り組みを継続 発展させつつ、支援終了後のプログラムの持続的発展に向けた体制整備(広報体制の強化、プログラム参加者の拡大、プロボノ企業動員の拡大、資金調達能力の向上、参加者コミュニティによる互助の強化等を通じたスケールアップと収入の確保)を本格化していきます。また、最終評価を実施してプログラムを総括します。当コンソーシアムは、支援終了後の実行団体の自立化に向け、企業と協力して実行団体に対するプロボノ支援や資金調達支援を強化していきます。最終報告の成果を踏まえて、シングルマザーに対するセクターを超えた支援の強化を呼びかけると同時にシングルマザー支援の今後のあり方に関する政策提言を発出して参ります。
4実行団体の事業期間を通じて、300名以上の生活困窮リスクを抱えたシングルマザーに対してデジタル就労支援を実施することを目標とします。
●一般社団法人グラミン日本について
ムハマド・ユヌス博士により、バングラデシュに設立されたマイクロファイナンス機関「グラミン銀行」の日本版として2018年に設立。グラミン銀行は、生活困窮層の自立を支援した功績により、2006年にノーベル平和賞を受賞しました。「誰もがいきいきと社会で活躍する持続可能な社会」の実現をビジョンに掲げ、主に生活困窮の状態にある女性に対して、生活資金ではなく「起業や就労の準備資金」を融資するマイクロファイナンスと、多様なパートナーとの共創によって生まれる「一歩を踏み出す機会」を提供することをミッションとしています。私達は、チャンスを願い、一歩を踏み出そうと想う人々の伴走者として、共に歩み続けます。
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