肝機能が“要注意”以上の成人を対象とした試験を実施 オルニチンに肝機能マーカー数値低下の可能性 成長ホルモン分泌促進作用による脂質代謝の亢進が示唆される
[13/03/06]
提供元:@Press
提供元:@Press
オルニチン研究会(所在地:東京都渋谷区)は、脂肪肝の所見が認められる被験者を対象に、オルニチンが肝機能の改善にどのような影響を与えるか検証する試験を行いました。その結果、オルニチンの摂取により、肝機能の状態を表す指標であるALT(Alanine Transaminase:アラニン・トランスアミナーゼ)、AST(Aspartate Amino Transferase:アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、γ-GTP(γ-glutamyltransferase:ガンマ・グルタミントランスフェラーゼ)の値が低下する可能性が示唆されました。
現在、健康診断で肝機能異常が発見される頻度は、上昇の一途をたどっており、人間ドックで肝機能異常と診断された人の割合は、2011年に33.3%となり、初めて30%を超えました(※1)。実に3人に1人が肝臓に何らかの問題を抱えている、という状況が今の日本にはあります。
今回、肝機能の状態を表す指標の一つであるALTの値が高め(“要注意”以上)であり、かつ脂肪肝の所見が認められる成人男性を対象に、オルニチン含有食品の摂取が肝機能に及ぼす影響について検討試験を行いました。
その結果、オルニチンを継続して摂取することにより、肝機能の指標であるALTやγ-GTPの値が低下し、肝機能が改善する可能性が示されました。
■試験プロトコール
【被験者】
肝機能の指標の1つであるALT(※2)が42 IU/L以上100 IU/L未満であり、かつ超音波検査において脂肪肝の所見が認められた男性11名。対象とした被験者は慢性肝炎ウイルス非保有者(HBs抗原とHCV抗体が陰性)でした。
【試験食品】
1日あたり2.0gのオルニチン塩酸塩(6名)、もしくはプラセボ(※3)食品(5名)を3週間に渡り継続的に摂取させました。
【試験方法】
試験開始前と試験終了後に採血を行い、肝機能の状態を表す指標(ALT、AST(※4)、γ-GTP(※4))を測定しました。各指標において、試験開始後の値と試験開始前の値との差、すなわち変化量をそれぞれ算出し、オルニチンがそれら指標に与える影響を検証しました。
■試験結果および大阪市立大 河田 則文教授による考察
血清ALT、γ-GTP、ならびに、ASTにおいて、試験開始前と試験開始後の値との差、すなわち変化量をそれぞれ算出したところ、オルニチン摂取群の方がプラセボ群に比べ、改善した被験者が多いことが明らかとなりました。これらの結果から、肝機能が“要注意”以上の方において、オルニチン摂取が肝機能を改善する可能性が示されました。このメカニズムとしては、オルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があり、成長ホルモンにより脂質代謝が改善し、肝臓に蓄積した脂肪が分解され、その結果、脂肪肝、並びに、肝機能が改善した可能性が考えられます。実際にオルニチンには、脂質代謝を改善する可能性が報告されています(※5)。
出典:菱田.Food Style 21 16(11)87-9,2012
■河田 則文(かわだ のりふみ)
(大阪市立大学大学院 医学研究科 教授)
1959年生。1986年大阪市立大学卒業。1991年医学博士。1991〜92年ドイツフライブルグ大学 生化学研究施設に留学し、肝構成細胞について研究。大阪市立大学大学院 医学研究科 肝胆膵病態内科学 教授、大阪市立大学 医学部付属病院 肝胆膵内科 部長、同輸血部部長、肝疾患診療連携拠点病院事業担当者として活躍中。ウイルス性肝炎、脂肪性肝炎等の分子機構について研究。日本肝臓学会専門医・指導医、米国消化器病学会Fellow、ISHSR President。
(試験結果 補足説明)
特に、各群のγ-GTPの変化量(Δγ-GTP)の平均値には、有意差が確認され(p=0.02(t検定))、また、ALTの変化量の平均値については、有意差は認められなかったものの、群間差の傾向が認められました(p=0.06(t検定))。その一方で、オルニチン摂取群の方が、試験前後でAST値が改善した被験者が多かったものの、ASTの変化量(ΔAST)の各群の平均値に群間差は認められませんでした。
※1 日本人間ドック学会.2011年「人間ドックの現況」より。
※2 主に肝臓に多く存在する酵素。数値が30以下であれば“基準範囲”、
31〜50は“要注意”、50以上は“異常”となり、
脂肪肝、アルコール性肝炎などが疑われる。
出典:日本人間ドック学会ホームページ。
※3 オルニチンの入っていない試験食品。
※4 ALTと同じく、主に肝臓に多く存在する酵素。数値が高い場合は、脂肪肝、アルコール性肝障害などが疑われる。
※5 第3回オルニチン研究会マスコミセミナーより。
■オルニチン研究会について( http://ornithine.jp/ )
オルニチン研究会は、遊離アミノ酸の一種であり、しじみに多く含まれる成分である「オルニチン」を、広く世の中に普及・啓発するために、2009年10月28日に設立された非営利学術団体です。オルニチンには様々な効果・効能が期待されていますが、中でも、肝臓の働きを活発にすることで、肝臓の機能低下に伴う疲労の回復効果や疲労臭低減効果、美肌効果が注目を集めています。オルニチン研究会では、現代人の生活にいかに寄与するか、正しい情報の創出・発信、意見交換の場として、学識者、有識者の方々のご協力のもと、信頼性のある情報の創出・発見を目指しております。
【研究会メンバー】
堀内 正久
(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 環境医学研究分野 教授/
産業医 オルニチン研究会座長)
内沢 秀光
(地方独立行政法人 青森県産業技術センター 工業総合研究所
環境技術部長)
田川 陽一(東京工業大学大学院 生命理工学研究科 准教授)
津田 彰(久留米大学大学院 心理学研究科 教授)
中村 幹雄(日本シジミ研究所 所長/水産学博士)
早瀬 和利(愛知教育大学 教育学部 教授)
村田 裕子(管理栄養士/料理研究家) (座長以下、50音順 敬称略)
【協賛企業(50音順)】
エースコック株式会社、カンロ株式会社、協和発酵バイオ株式会社、
キリン株式会社、株式会社永谷園、株式会社なとり、株式会社はなまる、
富士フイルム株式会社、森永製菓株式会社、ヤクルトヘルスフーズ株式会社
現在、健康診断で肝機能異常が発見される頻度は、上昇の一途をたどっており、人間ドックで肝機能異常と診断された人の割合は、2011年に33.3%となり、初めて30%を超えました(※1)。実に3人に1人が肝臓に何らかの問題を抱えている、という状況が今の日本にはあります。
今回、肝機能の状態を表す指標の一つであるALTの値が高め(“要注意”以上)であり、かつ脂肪肝の所見が認められる成人男性を対象に、オルニチン含有食品の摂取が肝機能に及ぼす影響について検討試験を行いました。
その結果、オルニチンを継続して摂取することにより、肝機能の指標であるALTやγ-GTPの値が低下し、肝機能が改善する可能性が示されました。
■試験プロトコール
【被験者】
肝機能の指標の1つであるALT(※2)が42 IU/L以上100 IU/L未満であり、かつ超音波検査において脂肪肝の所見が認められた男性11名。対象とした被験者は慢性肝炎ウイルス非保有者(HBs抗原とHCV抗体が陰性)でした。
【試験食品】
1日あたり2.0gのオルニチン塩酸塩(6名)、もしくはプラセボ(※3)食品(5名)を3週間に渡り継続的に摂取させました。
【試験方法】
試験開始前と試験終了後に採血を行い、肝機能の状態を表す指標(ALT、AST(※4)、γ-GTP(※4))を測定しました。各指標において、試験開始後の値と試験開始前の値との差、すなわち変化量をそれぞれ算出し、オルニチンがそれら指標に与える影響を検証しました。
■試験結果および大阪市立大 河田 則文教授による考察
血清ALT、γ-GTP、ならびに、ASTにおいて、試験開始前と試験開始後の値との差、すなわち変化量をそれぞれ算出したところ、オルニチン摂取群の方がプラセボ群に比べ、改善した被験者が多いことが明らかとなりました。これらの結果から、肝機能が“要注意”以上の方において、オルニチン摂取が肝機能を改善する可能性が示されました。このメカニズムとしては、オルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があり、成長ホルモンにより脂質代謝が改善し、肝臓に蓄積した脂肪が分解され、その結果、脂肪肝、並びに、肝機能が改善した可能性が考えられます。実際にオルニチンには、脂質代謝を改善する可能性が報告されています(※5)。
出典:菱田.Food Style 21 16(11)87-9,2012
■河田 則文(かわだ のりふみ)
(大阪市立大学大学院 医学研究科 教授)
1959年生。1986年大阪市立大学卒業。1991年医学博士。1991〜92年ドイツフライブルグ大学 生化学研究施設に留学し、肝構成細胞について研究。大阪市立大学大学院 医学研究科 肝胆膵病態内科学 教授、大阪市立大学 医学部付属病院 肝胆膵内科 部長、同輸血部部長、肝疾患診療連携拠点病院事業担当者として活躍中。ウイルス性肝炎、脂肪性肝炎等の分子機構について研究。日本肝臓学会専門医・指導医、米国消化器病学会Fellow、ISHSR President。
(試験結果 補足説明)
特に、各群のγ-GTPの変化量(Δγ-GTP)の平均値には、有意差が確認され(p=0.02(t検定))、また、ALTの変化量の平均値については、有意差は認められなかったものの、群間差の傾向が認められました(p=0.06(t検定))。その一方で、オルニチン摂取群の方が、試験前後でAST値が改善した被験者が多かったものの、ASTの変化量(ΔAST)の各群の平均値に群間差は認められませんでした。
※1 日本人間ドック学会.2011年「人間ドックの現況」より。
※2 主に肝臓に多く存在する酵素。数値が30以下であれば“基準範囲”、
31〜50は“要注意”、50以上は“異常”となり、
脂肪肝、アルコール性肝炎などが疑われる。
出典:日本人間ドック学会ホームページ。
※3 オルニチンの入っていない試験食品。
※4 ALTと同じく、主に肝臓に多く存在する酵素。数値が高い場合は、脂肪肝、アルコール性肝障害などが疑われる。
※5 第3回オルニチン研究会マスコミセミナーより。
■オルニチン研究会について( http://ornithine.jp/ )
オルニチン研究会は、遊離アミノ酸の一種であり、しじみに多く含まれる成分である「オルニチン」を、広く世の中に普及・啓発するために、2009年10月28日に設立された非営利学術団体です。オルニチンには様々な効果・効能が期待されていますが、中でも、肝臓の働きを活発にすることで、肝臓の機能低下に伴う疲労の回復効果や疲労臭低減効果、美肌効果が注目を集めています。オルニチン研究会では、現代人の生活にいかに寄与するか、正しい情報の創出・発信、意見交換の場として、学識者、有識者の方々のご協力のもと、信頼性のある情報の創出・発見を目指しております。
【研究会メンバー】
堀内 正久
(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 環境医学研究分野 教授/
産業医 オルニチン研究会座長)
内沢 秀光
(地方独立行政法人 青森県産業技術センター 工業総合研究所
環境技術部長)
田川 陽一(東京工業大学大学院 生命理工学研究科 准教授)
津田 彰(久留米大学大学院 心理学研究科 教授)
中村 幹雄(日本シジミ研究所 所長/水産学博士)
早瀬 和利(愛知教育大学 教育学部 教授)
村田 裕子(管理栄養士/料理研究家) (座長以下、50音順 敬称略)
【協賛企業(50音順)】
エースコック株式会社、カンロ株式会社、協和発酵バイオ株式会社、
キリン株式会社、株式会社永谷園、株式会社なとり、株式会社はなまる、
富士フイルム株式会社、森永製菓株式会社、ヤクルトヘルスフーズ株式会社