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国立音楽大学「音楽データサイエンス・コース」を2023年度より開講

国立音楽大学(読み:くにたちおんがくだいがく、所在地:立川市、学長:武田 忠善、以下「本学」)は、2023年4月よりデータサイエンスを主軸に科学的な手法を取り入れて音楽分析を行う新コース「音楽データサイエンス・コース」を開講いたしますので、ご報告いたします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/342811/LL_img_342811_1.jpg
演奏実験の様子

○ 発表のポイント
● 音楽の感性的な部分をデータ化することで、科学的裏付けを持って音楽を語ることのできる人材を輩出します。
● 楽器演奏にも科学的な視点を導入し「演奏科学」の分野に貢献します。
● 日本の音楽大学の中で初めて音楽に特化したデータサイエンス教育を行うプログラムです。
● 近年注目を浴びるデータサイエンスの分野でも音楽に特化した「音楽データサイエンティスト」の育成を目指します。


○ 発表内容
● コース設立の背景
本学では、伝統的な音楽演奏、創作活動に加え、最新のテクノロジーと音楽の関係について、かねてより研究・教育を行ってまいりました。コンピュータを用いた芸術表現を追求する演奏・創作学科 コンピュータ音楽専修では、プログラミングと録音、創作技術を一体として考える学際的な学びを実現しています。
また、古今東西の楽器を収蔵する本学の楽器学資料館では、科学的なアプローチを含めた楽器の調査・研究を継続して行ってまいりました。
この度開講する「音楽データサイエンス・コース」では、音楽を主軸とし、従来、工学部などの理系の専門教育を受けた人材が担ってきたデータサイエンスの手法を取り入れながら、新しい音楽文化の創造のための研究を行ってまいります。
これまでデータサイエンスの分野では、特に音楽に関して、その論理的な裏付けに音楽的・感性的な専門知識を結び付けられる人材が必ずしも十分ではなく、研究が進みにくい状況が続いていました。一方、音楽大学では、音楽について感性的な部分を論理的に言葉で表現し得る専門知識を有するものの、データ分析や数理サイエンスの知識を修得できる環境に乏しく、新たな研究の可能性に気づいていないこともありました。修得に長い年月を要する音楽の専門知識を持った学生が数理データサイエンスの基礎知識を身につけることで、これまで音楽大学での研究では成し得なかった音楽的な裏付けを持ったデータ分析の研究分野を切り拓くことが期待されます。
また、演奏そのものを科学的な手法で分析する「演奏科学」についても取り扱うことにより、演奏しやすい姿勢や効率的な演奏のための身体の動かし方などを含め、研究を行ってまいります。

● コースの履修内容
「音楽データサイエンス・コース」は3年次より履修できる本学独自のプログラムです※。本コースでは、履修生の専攻・専修を問わず、データサイエンスや科学的分析手法に興味のある学生は、コース選抜試験に合格すれば誰でも履修することができます。
コース科目では、AI(人工知能)の基礎知識から機械学習機能を利用した音楽のレコメンドシステムの開発、4年次には卒業論文の執筆、企業でのインターンシップも想定しています。
現在、データサイエンスの手法を用いた研究は、本学大学院では既に行われており、楽器のリードの良し悪しをAIを用いて画像判定できるシステムの構築を目指している学生も在籍しています。
データサイエンスと音楽を結びつけ、テクノロジーとともに音楽の新しい文化を切り拓き「日本及び世界の音楽文化の発展に寄与する」という本学の基本理念に基づいた人材育成を行っていく所存です。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/342811/LL_img_342811_2.jpeg
サーモグラフィーを用いた実験

● コース担当教員メッセージ(音楽文化教育学科 音楽情報専修 准教授 三浦 雅展)
国内の音楽大学では伝統的な演奏・創作の教育研究が続けられている一方で、世の中の音楽に対するニーズは日進月歩で発展しています。21世紀になり個人が大量の音楽を持ち歩くことができるようになってから、音楽情報処理の分野では音響波形を理解できるコンピュータの実現が求められ、多くの信号処理技術が必要となりました。その後、音楽をさらに理解するニーズが高まりましたが、そのような人材を育成する専門教育機関はまだ充分ではありません。本学では、音楽の専門的知識に裏打ちされた、高度な「音楽データサイエンティスト」を輩出すべく、社会のニーズに応えた教育を行ってまいります。想定する進路としては音楽情報産業、特に音楽配信や音楽データを扱う産業での活躍が期待されます。
また大学院に進学し、さらに高度な音楽情報処理技術を学ぶことも可能です。音楽の専門教育を受けながらデータサイエンスに興味を持つ方、自らの演奏技法を科学的に分析したい方、理系の分野に興味があり、音楽の専門教育も受けたい人にはぴったりのコースです。本学の教育理念で「良識ある音楽家・教育家を育成し、日本および世界の文化の発展に寄与」とあるように、音楽家の力が音楽情報分野で力を発揮し、文化の発展に貢献すべく、データサイエンスを基軸とした音楽情報の専門教育課程として今後の社会貢献を実現します。

※ コース制
将来のキャリアプランを見据え、専門性をさらに高めたり、専門以外のスキルを磨いたりするための国立音楽大学独自のプログラム(科目群)。3年次より履修可能とし、意欲と能力に応じて学科、専修(専攻)によらず、どのコースにも挑戦することができる。オペラ・ソリスト・コース、ピアノ指導コース、マネージメント・コースなど2022年度時点で30のコースがあり、2023年度より音楽データサイエンス・コースを加え31のコースを設置する。


国立音楽大学 公式Webサイト
https://www.kunitachi.ac.jp/
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