「第26回岡本太郎現代芸術賞」受賞者が決定!入賞者・入選者の作品の展覧会を川崎市岡本太郎美術館で2月18日〜4月16日まで実施
[23/02/17]
提供元:@Press
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岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞、通称TARO賞。
今年で26回をむかえる本賞には595点の応募があり、23名が入選。最終審査を経て、特別賞4名が決定し、2023年2月17日(金)に受賞者発表と授賞式をとりおこないました。
なお、残念ながら本年度の岡本太郎賞・岡本敏子賞については「該当作なし」という結果になりましたことをご報告申し上げます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_1.jpg
第26回岡本太郎現代芸術賞
また、入賞者・入選者の作品を展示した「第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO展)」を2月18日(土)から4月16日(日)まで、川崎市岡本太郎美術館にて開催いたします。
次代のアーティストの意欲的な作品をどうぞご覧ください。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_2.jpg
足立篤史『OHKA』
特別賞(賞金15万円):足立篤史『OHKA』
【審査評】
タイトルの「OHKA」とは、第二次大戦中に特攻専用のロケットエンジンによる航空機として開発された「桜花」である。作者はその姿形を実物大で再現する。しかも、その表面は昭和19〜20年に発行された新聞紙で覆われている。そしてさらに、空気で膨らませているのは、やはり戦時中に制作された「気球爆弾」を意識しているのである。若者を死に至らしめるためにだけ開発された兵器。それを、ある意味滑稽な造形として表したこの作品は、観る者に揺さぶりをかけ、遠い過去の記憶を呼び覚ます装置となっている。(山下裕二)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_3.jpg
澤井昌平『風景』
特別賞(賞金15万円):澤井昌平『風景』
【審査評】
澤井は過去二回太郎賞展に出品している。第23回展の出品作はシュール風のものであった。
今回の作品ではシュール風が後退し、日常風景を起点にしたものが多い。コロナ禍で部屋にいる時間が多いため、一日一枚絵を描くことを自分に課したという。そして、自閉的な空想を止め、「リアルな生活実感と地続き」な絵を描くことで「絵画としての強度」を目指した。日常生活に取材した絵でありながら、その絵はやはり不穏な気配を帯びている。現実の裂け目、現実と空想のあわいの感覚は、澤井が日々感じるものなのだろう。そして、その不穏なビジョンは既視感をもって見るものに訴える。(土方明司)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_4.jpg
関本幸治『1980年のアイドルのノーバン始球式』
特別賞(賞金15万円):関本幸治『1980年のアイドルのノーバン始球式』
【審査評】
一枚の写真を撮影するために三年かけて制作されたインスタレーション。
全体を「アイドルのノーバン始球式」としながら「小さな死」という写真作品。その両作品を総合して特別賞として評価した。
1980年の設定でフライングカーペットに乗って旅をすることにしたと作家のコメントがあるが、バタイユのエロティシズム、双子、ジェンダーとかなりインターネットでのキャッチさを狙っている感をぬぐえないが、細部まで質の高い作品になっている点を評価したい。(和多利浩一)
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_5.jpg
レモコ-レイコ『君の待つところへ』
特別賞(賞金15万円):レモコ-レイコ『君の待つところへ』
【審査評】
展示の前に立っただけで気持ちがパッと明るく切り替わるような力を感じる。絵の大きさもさることながら、寸法だけに留まらない「広さ」が瞬時で目前に広がる。主人公のおかっぱ頭の女の子に目を向ければ、空を、大海原を、ということは地球を、動物たちと一緒に旅している場面に立ち会っているようだ。こんな絵と出会うと、いつのまにかコロナ禍でどこか気持ちが縮こまっていたかもしれない自分に気付く。絵には見るだけに終わらない、内なる心、気持ちに働きかける効果もあるのだ。(椹木野衣)
■入選作家・作品名(50音順・敬称略)
・池田はなえ『森のハーモニー』
・牛尾篤『黒と赤』
・大洲大作『Loop Line』
・奥野宏『チミモウリョウの宴』
・空箱二郎『アドレナリン症候群』
・川上一彦『ちゃいおすてぃっくじぇーぴーぴー』
・川端健太『そこに見えて居ない』
・柴田英昭『コラージュ川柳』
・高田哲男『B.B.B.(Black Ballpoint Blues)』
・千原真実『6・6・6』
・都築崇広『構造用合板都市図』
・ながさわたかひろ『愛の肖像画』
・西除闇『MANgaDARA』
・NISHINO HARUKA『てんとう虫ダルマ-2022-』
・平向功一『流氓』
・Hexagon artist(R)『宇宙儀式』
※「Hexagon artist(R)」の「(R)」は、正しくは丸囲み文字
・宮本佳美『To see tomorrow』
・山田愛『ひとつに還れたなら』
・山田優アントニ『portrait』
《第26回岡本太郎現代芸術賞 概要》
■主催
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団
川崎市岡本太郎美術館
■審査員(50音順・敬称略)
・椹木野衣 /美術批評家、多摩美術大学教授
・土方明司 /川崎市岡本太郎美術館館長
・平野暁臣 /空間メディアプロデューサー、岡本太郎記念館館長
・山下裕二 /美術史家、明治学院大学教授
・和多利浩一/ワタリウム美術館キュレーター
《第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展 概要》
会期 :2023年2月18日(土)〜4月16日(日)
会場 :川崎市岡本太郎美術館・企画展示室
開館時間:午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで)
休館日 :月曜日、2月24日(金)、3月22日(水)
観覧料 :一般 700(560)円、
高・大学生、65歳以上 500(400)円
中学生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体料金
交通 :小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口より徒歩17分
今年で26回をむかえる本賞には595点の応募があり、23名が入選。最終審査を経て、特別賞4名が決定し、2023年2月17日(金)に受賞者発表と授賞式をとりおこないました。
なお、残念ながら本年度の岡本太郎賞・岡本敏子賞については「該当作なし」という結果になりましたことをご報告申し上げます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_1.jpg
第26回岡本太郎現代芸術賞
また、入賞者・入選者の作品を展示した「第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO展)」を2月18日(土)から4月16日(日)まで、川崎市岡本太郎美術館にて開催いたします。
次代のアーティストの意欲的な作品をどうぞご覧ください。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_2.jpg
足立篤史『OHKA』
特別賞(賞金15万円):足立篤史『OHKA』
【審査評】
タイトルの「OHKA」とは、第二次大戦中に特攻専用のロケットエンジンによる航空機として開発された「桜花」である。作者はその姿形を実物大で再現する。しかも、その表面は昭和19〜20年に発行された新聞紙で覆われている。そしてさらに、空気で膨らませているのは、やはり戦時中に制作された「気球爆弾」を意識しているのである。若者を死に至らしめるためにだけ開発された兵器。それを、ある意味滑稽な造形として表したこの作品は、観る者に揺さぶりをかけ、遠い過去の記憶を呼び覚ます装置となっている。(山下裕二)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_3.jpg
澤井昌平『風景』
特別賞(賞金15万円):澤井昌平『風景』
【審査評】
澤井は過去二回太郎賞展に出品している。第23回展の出品作はシュール風のものであった。
今回の作品ではシュール風が後退し、日常風景を起点にしたものが多い。コロナ禍で部屋にいる時間が多いため、一日一枚絵を描くことを自分に課したという。そして、自閉的な空想を止め、「リアルな生活実感と地続き」な絵を描くことで「絵画としての強度」を目指した。日常生活に取材した絵でありながら、その絵はやはり不穏な気配を帯びている。現実の裂け目、現実と空想のあわいの感覚は、澤井が日々感じるものなのだろう。そして、その不穏なビジョンは既視感をもって見るものに訴える。(土方明司)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_4.jpg
関本幸治『1980年のアイドルのノーバン始球式』
特別賞(賞金15万円):関本幸治『1980年のアイドルのノーバン始球式』
【審査評】
一枚の写真を撮影するために三年かけて制作されたインスタレーション。
全体を「アイドルのノーバン始球式」としながら「小さな死」という写真作品。その両作品を総合して特別賞として評価した。
1980年の設定でフライングカーペットに乗って旅をすることにしたと作家のコメントがあるが、バタイユのエロティシズム、双子、ジェンダーとかなりインターネットでのキャッチさを狙っている感をぬぐえないが、細部まで質の高い作品になっている点を評価したい。(和多利浩一)
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/344771/LL_img_344771_5.jpg
レモコ-レイコ『君の待つところへ』
特別賞(賞金15万円):レモコ-レイコ『君の待つところへ』
【審査評】
展示の前に立っただけで気持ちがパッと明るく切り替わるような力を感じる。絵の大きさもさることながら、寸法だけに留まらない「広さ」が瞬時で目前に広がる。主人公のおかっぱ頭の女の子に目を向ければ、空を、大海原を、ということは地球を、動物たちと一緒に旅している場面に立ち会っているようだ。こんな絵と出会うと、いつのまにかコロナ禍でどこか気持ちが縮こまっていたかもしれない自分に気付く。絵には見るだけに終わらない、内なる心、気持ちに働きかける効果もあるのだ。(椹木野衣)
■入選作家・作品名(50音順・敬称略)
・池田はなえ『森のハーモニー』
・牛尾篤『黒と赤』
・大洲大作『Loop Line』
・奥野宏『チミモウリョウの宴』
・空箱二郎『アドレナリン症候群』
・川上一彦『ちゃいおすてぃっくじぇーぴーぴー』
・川端健太『そこに見えて居ない』
・柴田英昭『コラージュ川柳』
・高田哲男『B.B.B.(Black Ballpoint Blues)』
・千原真実『6・6・6』
・都築崇広『構造用合板都市図』
・ながさわたかひろ『愛の肖像画』
・西除闇『MANgaDARA』
・NISHINO HARUKA『てんとう虫ダルマ-2022-』
・平向功一『流氓』
・Hexagon artist(R)『宇宙儀式』
※「Hexagon artist(R)」の「(R)」は、正しくは丸囲み文字
・宮本佳美『To see tomorrow』
・山田愛『ひとつに還れたなら』
・山田優アントニ『portrait』
《第26回岡本太郎現代芸術賞 概要》
■主催
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団
川崎市岡本太郎美術館
■審査員(50音順・敬称略)
・椹木野衣 /美術批評家、多摩美術大学教授
・土方明司 /川崎市岡本太郎美術館館長
・平野暁臣 /空間メディアプロデューサー、岡本太郎記念館館長
・山下裕二 /美術史家、明治学院大学教授
・和多利浩一/ワタリウム美術館キュレーター
《第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展 概要》
会期 :2023年2月18日(土)〜4月16日(日)
会場 :川崎市岡本太郎美術館・企画展示室
開館時間:午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで)
休館日 :月曜日、2月24日(金)、3月22日(水)
観覧料 :一般 700(560)円、
高・大学生、65歳以上 500(400)円
中学生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体料金
交通 :小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口より徒歩17分