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AIを活用した河川・ため池水位監視ソリューションのトライアル提供開始

ドコモグループ3社(※1)は、AIを活用した河川・ため池水位監視ソリューションのトライアル提供を全国の法人企業・自治体向けに6月28日(水)から開始します。本トライアルを通じて、AI機能やアプリケーションの使い勝手などの改善を行い、2024年3月までのサービス提供開始をめざします。

1.背景
近年、気候変動により台風や集中豪雨などに起因する河川の水害が激甚化する傾向があり、正確かつ迅速に水位を把握して対策を打つことが求められています。一方で、対策に必要な河川の水位を把握する水位計の導入には高額な費用や大規模な設置工事が伴うほか、メンテナンスなど人の稼働がかかるという課題があります。こうした課題を解決するため、ドコモグループは大きな河川だけではなく、小規模な河川やため池の水位もリアルタイムに監視が可能、かつ導入コストとメンテナンス稼働を抑えたソリューションに着目し、開発を進めてまいりました。

2.ソリューションの概要
本ソリューションは、物理的な水位計を不要とした水位監視ソリューションです。仮想水位計とAI技術を活用し、あらかじめ設定した水位を超えると自動的に河川管理を行う担当者へ通知し、管理者は管理画面上に可視化された河川のリアルタイム映像や水位の時系列データが閲覧可能です。

<利用イメージ>
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/360387/img_360387_1.png

具体的には、河川やため池にカメラ付きの専用機器を設置し、撮影した映像上に仮想水位計を表示させ映像認識AI技術を活用することで、現在の水位をリアルタイム、かつ正確に把握することができます。
水位の判定は、セグメンテーションAI(※2)技術を用いて仮想的に設定した水位計に表示された水面と陸地の面積比から水位を割り出す独自のアルゴリズムによって算出しています。仮想水位計を複数設置することで、AIの判定精度を高めることも可能です。

<仮想水位計設定イメージ>
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/360387/img_360387_2.png
仮想水位計は画面上に4つの点で設定できます。

また、管理者はクラウド上の管理画面にて映像とグラフから水位の確認とともにAIの各種設定を行うことができます。さらに、動画配信サイト上でライブ配信することも可能なため、例えば映像データを住民の方などへ広く展開することで、注意・警戒を促すことができます。

3.ソリューションの構成
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/360387/img_360387_3.png


・水位判定AI
セグメンテーションAI技術を用いて、仮想的に設定した水位計に表示された水面と陸地の面積比から独自のアルゴリズムによって水位を算出する技術です。
・EDGEMATRIX(R) (※3)
NTT Comが提供する、AIによる映像解析の基盤(映像エッジAIプラットフォーム)です。EDGEMATRIXは、大容量の映像データをEdge AI Box(エッジコンピュータ)内で処理することができます。そのためより速く映像を解析・水位判定し、配信することが可能です。
・SmartMainTech(R) (※4)
社会インフラメンテナンスのソリューションブランド「SmartMainTech」シリーズとして、今回ドコモのAI技術と組み合わせ水位判定AI(※)を開発しました。Edge AI Boxにインストールされた映像解析AIアプリで、撮影された河川やため池の映像を解析し、その結果をSmartMainTechクラウドへ連携します。業界特化型のAI技術やデータ解析、可視化技術を搭載しています。
(※) 水位判定AIは、ドコモとNTTコムウェアにて共同特許出願中
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/360387/img_360387_4.png

4.ソリューションの特長
[1] 仮想水位計を採用
・低コストで導入できるため、小さな河川やため池にも導入しやすい
・水害等で水位計自体が破損する恐れがなく、水位計のメンテナンス稼働が大幅に軽減
・1台のカメラにつき複数の仮想水位計を設置することで水位判定の精度を高めることが可能
[2] リアルタイム映像による水位判定
・リアルタイム映像から水位を判定することで急激な水位変化も確認可能
[3] 映像とデータの一括監視
・管理サイト上で現場のリアルタイム映像と水位グラフを確認することが可能
・予め設定した危険水位を超えた場合、メールやSNSで通知することが可能
[4] 簡易な動画サイト連携
・手軽に撮影映像を動画配信サイトに連携できるため、地域住民への迅速な情報提供が可能
・Edge AI Boxが現場で映像のエンコードを行うため、リアルタイム映像の配信が可能

5.各社の役割
ドコモ:SmartMainTechに活用されているAIの開発
NTT Com:EDGEMATRIXサービスおよびカメラやEdge AI Boxの提供
NTTコムウェア:SmartMainTechソリューションブランドのAIアプリの開発

6.今後の展望
本トライアルを通じ、導入効果や水位測定精度の確認・最適化を図り、早期サービス提供をめさずとともに、全国の自治体への導入に向け取り組んでまいります。

NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、ドコモグループの法人事業を統合し、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/360387/img_360387_5.png
https://www.ntt.com/business/lp/docomobusiness.html

(※1):株式会社NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ株式会社、NTTコムウェア株式会社
(※2):セグメンテーションAIとは、画像を分割して映像を認識するAI技術です。
(※3):EDGEMATRIX(R)についてはこちら( https://www.ntt.com/business/services/edgematrix.html )をご覧ください。EDGEMATRIXは、EDGEMATRIX株式会社の登録商標です。
(※4):SmartMainTech(R)についてはこちら( https://www.nttcom.co.jp/smtech/ )をご覧ください。SmartMainTechは、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。

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