ユニ・チャーム、市立札幌病院と共同で創傷※1研究 『ライフリー ファインケアシート』を使用した臨床研究 〜第5回日本創傷外科学会総会・学術集会(2013年7月12日)にて発表〜
[13/09/05]
提供元:@Press
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ユニ・チャーム株式会社(本社:東京都港区、社長:高原 豪久)は、創傷治癒の専門医(市立札幌病院形成外科、医療法人社団廣仁会褥瘡・創傷治癒研究所、中村記念病院看護部、健和会大手町病院形成外科、原土井病院内科)と共同で、各創傷における検証で創傷用スキンケア製品『ライフリー ファインケアシート』を使用しました。また、今回の研究成果については2013年7月12日の第5回日本創傷外科学会総会・学術集会にて発表しました。
※1 創傷(=創部)とは、様々な要因で起こる体表組織の物理的な損傷部の総称
『ライフリー ファインケアシート』
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/1_1.jpg
■研究の背景
今後ますます高齢化が進むことで介護に関する問題が深刻化する中、ベット上や車椅子などで、長時間同じ体勢を保つことでおこる肌トラブルのひとつ「褥瘡※2」などの創傷の発生数が増加すると予測されます。当社は、紙おむつや生理用品の開発をする中で、体液の吸収をコントロールする吸収体技術を確立してきました。創傷の治癒促進には、創傷面からの滲出液(しんしゅつえき)※3を吸収し適度な湿潤状態を保つことが重要とされています。
そこでこの度、創傷の検証で当社の吸収体技術で開発した創傷用スキンケア製品『ライフリー ファインケアシート』を使用しました。創傷を抱える方の苦痛を少しでも和らげ、症状の改善をしてあげたいという思いのもと、創傷治癒について5つの病院、研究所と共同研究を行いました。
※2 褥瘡(じょくそう)とは、長期間同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行不全となることで周辺組織に壊死を起こすもの。床ずれ(とこずれ)とも呼ばれる。
※3 内部から表面にしみ出てくる液で、特に細菌性の炎症を起こしたときなどに血管外へしみ出てくる液のことをいう。
■研究の概要
対象 :4病院 28症例 32部位
使用期間:2012年6月〜2013年3月 最長で21日間
使用方法:『ファインケアシート』は120×120mmで基本型と固定用フィルム付きの2種類を用意し、創の大きさが120mm以下は固定フィルム付き、120mm以上は基本型を使用しました。また、植皮※4には基本型を使用し、一部の症例でVAC※5システムを併用しました。褥瘡、外傷、熱傷、採皮創では連日、植皮部では数日間隔でシートを交換し、創傷の大きさ、深さ、滲出液の量を7日毎に評価、同時に写真撮影を行いました。テスト終了後、担当者に使い勝手についてアンケートを行いました。
※4 皮膚が損傷・欠損した場合など、他の箇所の皮膚を切り取って移植すること。
※5 VACとは創傷治癒を促進させる治療法で「陰圧閉鎖療法」ともいう。
ファインケアシートイメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/2_2.jpg
『ファインケアシート』シート断面図イメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/3_3.jpg
■研究の結果
症例の内訳としては、褥瘡等の慢性創傷が9例、採皮創が4例、外傷や熱傷6例、植皮が9例13部位となりました。
慢性創傷9例につきましては7例について創の収縮が見られ3例が15日以内で治癒しました。外傷6例につきましては全てで創の収縮が見られ4例が15日以内で治癒しました。
6例の植皮についてはVACシステムを併用し、慢性創傷では治癒あるいは創の縮小が得られました。急性創傷では採皮創の1例を除き治癒し、植皮は全例で良好な生着が得られました。特にVACシステムの併用例では1週間で植皮が生着しました。使い勝手アンケートでは、創面への固着がなく痛みの訴えがないとの複数回答が得られました。
慢性創傷9例の治癒経過
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/4_4.jpg
外傷6例の治癒経過
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/5_5.jpg
出典元:ユニ・チャーム株式会社
使用開始時の創傷のサイズを100とした場合のサイズの変化を表しています。
多くの症例が22日までにサイズが小さくなっていることが分かります。
■当社の考察
『ファインケアシート』の創面に当たる特殊フィルムは、表面に約80%の面積率で開孔部を有し、その形状が円錐状の立体構造をしていることから、滲出液が逆戻りせず創面を適度な湿潤環境を保ちます。さらに創面との接触面積が小さいことにより、固着しにくい特徴を持っています。このことからシート交換時に再生した上皮を損傷せず、治癒を促進させると考えられます。これらにより、植皮とVACシステムに『ファインケアシート』を併用すると植皮片の生着が早いことから、治療期間の短縮に繋がることが期待できます。
■研究参加メンバー
市立札幌病院 形成外科 堀内 勝己
医療法人社団廣仁会 褥瘡・創傷治癒研究所 大浦 武彦
中村記念病院 芳賀 理己
健和会大手町病院 形成外科 石井 義輝
原土井病院 内科 下田 雅子
※敬称略
■学会発表
今回の研究成果を、第5回日本創傷外科学会総会・学術集会(日時:2013年7月11日〜12日)にて発表しました。
【市立札幌病院形成外科 堀内先生のコメント】
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/6_6.jpg
当初は褥瘡での創治癒促進目的に始めた本研究ですが、褥瘡以外の創傷においても十分な治癒効果を得るための環境を整えることができました。特に植皮においては、これまで使用してきた創保護材と比べ良好な結果が得られました。これは、ファインケアシートが創面へ固着しにくい特徴を持つからです。また、「シート交換時の痛みがほとんどない」という声も得られています。現在、多数の創傷被覆材、創保護材がありますが、本シートは滲出液を創面へ後戻りさせないというこれまでの創保護材にはない特徴を持つことから、今後、多くの創傷で使用されることを期待します。
■当社のコメント
このたびの臨床研究によって、『ライフリー ファインケアシート』が褥瘡、VACシステムなど多くの創傷治癒の場面でお使い頂けることが、今回の検証で明らかになりました。創傷を抱える方の苦痛を少しでも和らげ、症状の改善に貢献していける商品の開発を今後も進めて参ります。
■会社概要
社名 :ユニ・チャーム株式会社
設立 :1961年2月10日
本店 :愛媛県四国中央市金生町下分182番地
本社 :東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館
社員数 :1,228名[グループ合計10,287名](2012年3月)
事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品、
ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、
ペットケア関連製品、産業資材、食品包材等の販売
ユニ・チャーム株式会社 ホームページアドレス
http://www.unicharm.co.jp/
※1 創傷(=創部)とは、様々な要因で起こる体表組織の物理的な損傷部の総称
『ライフリー ファインケアシート』
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/1_1.jpg
■研究の背景
今後ますます高齢化が進むことで介護に関する問題が深刻化する中、ベット上や車椅子などで、長時間同じ体勢を保つことでおこる肌トラブルのひとつ「褥瘡※2」などの創傷の発生数が増加すると予測されます。当社は、紙おむつや生理用品の開発をする中で、体液の吸収をコントロールする吸収体技術を確立してきました。創傷の治癒促進には、創傷面からの滲出液(しんしゅつえき)※3を吸収し適度な湿潤状態を保つことが重要とされています。
そこでこの度、創傷の検証で当社の吸収体技術で開発した創傷用スキンケア製品『ライフリー ファインケアシート』を使用しました。創傷を抱える方の苦痛を少しでも和らげ、症状の改善をしてあげたいという思いのもと、創傷治癒について5つの病院、研究所と共同研究を行いました。
※2 褥瘡(じょくそう)とは、長期間同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行不全となることで周辺組織に壊死を起こすもの。床ずれ(とこずれ)とも呼ばれる。
※3 内部から表面にしみ出てくる液で、特に細菌性の炎症を起こしたときなどに血管外へしみ出てくる液のことをいう。
■研究の概要
対象 :4病院 28症例 32部位
使用期間:2012年6月〜2013年3月 最長で21日間
使用方法:『ファインケアシート』は120×120mmで基本型と固定用フィルム付きの2種類を用意し、創の大きさが120mm以下は固定フィルム付き、120mm以上は基本型を使用しました。また、植皮※4には基本型を使用し、一部の症例でVAC※5システムを併用しました。褥瘡、外傷、熱傷、採皮創では連日、植皮部では数日間隔でシートを交換し、創傷の大きさ、深さ、滲出液の量を7日毎に評価、同時に写真撮影を行いました。テスト終了後、担当者に使い勝手についてアンケートを行いました。
※4 皮膚が損傷・欠損した場合など、他の箇所の皮膚を切り取って移植すること。
※5 VACとは創傷治癒を促進させる治療法で「陰圧閉鎖療法」ともいう。
ファインケアシートイメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/2_2.jpg
『ファインケアシート』シート断面図イメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/3_3.jpg
■研究の結果
症例の内訳としては、褥瘡等の慢性創傷が9例、採皮創が4例、外傷や熱傷6例、植皮が9例13部位となりました。
慢性創傷9例につきましては7例について創の収縮が見られ3例が15日以内で治癒しました。外傷6例につきましては全てで創の収縮が見られ4例が15日以内で治癒しました。
6例の植皮についてはVACシステムを併用し、慢性創傷では治癒あるいは創の縮小が得られました。急性創傷では採皮創の1例を除き治癒し、植皮は全例で良好な生着が得られました。特にVACシステムの併用例では1週間で植皮が生着しました。使い勝手アンケートでは、創面への固着がなく痛みの訴えがないとの複数回答が得られました。
慢性創傷9例の治癒経過
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/4_4.jpg
外傷6例の治癒経過
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/5_5.jpg
出典元:ユニ・チャーム株式会社
使用開始時の創傷のサイズを100とした場合のサイズの変化を表しています。
多くの症例が22日までにサイズが小さくなっていることが分かります。
■当社の考察
『ファインケアシート』の創面に当たる特殊フィルムは、表面に約80%の面積率で開孔部を有し、その形状が円錐状の立体構造をしていることから、滲出液が逆戻りせず創面を適度な湿潤環境を保ちます。さらに創面との接触面積が小さいことにより、固着しにくい特徴を持っています。このことからシート交換時に再生した上皮を損傷せず、治癒を促進させると考えられます。これらにより、植皮とVACシステムに『ファインケアシート』を併用すると植皮片の生着が早いことから、治療期間の短縮に繋がることが期待できます。
■研究参加メンバー
市立札幌病院 形成外科 堀内 勝己
医療法人社団廣仁会 褥瘡・創傷治癒研究所 大浦 武彦
中村記念病院 芳賀 理己
健和会大手町病院 形成外科 石井 義輝
原土井病院 内科 下田 雅子
※敬称略
■学会発表
今回の研究成果を、第5回日本創傷外科学会総会・学術集会(日時:2013年7月11日〜12日)にて発表しました。
【市立札幌病院形成外科 堀内先生のコメント】
http://www.atpress.ne.jp/releases/38381/6_6.jpg
当初は褥瘡での創治癒促進目的に始めた本研究ですが、褥瘡以外の創傷においても十分な治癒効果を得るための環境を整えることができました。特に植皮においては、これまで使用してきた創保護材と比べ良好な結果が得られました。これは、ファインケアシートが創面へ固着しにくい特徴を持つからです。また、「シート交換時の痛みがほとんどない」という声も得られています。現在、多数の創傷被覆材、創保護材がありますが、本シートは滲出液を創面へ後戻りさせないというこれまでの創保護材にはない特徴を持つことから、今後、多くの創傷で使用されることを期待します。
■当社のコメント
このたびの臨床研究によって、『ライフリー ファインケアシート』が褥瘡、VACシステムなど多くの創傷治癒の場面でお使い頂けることが、今回の検証で明らかになりました。創傷を抱える方の苦痛を少しでも和らげ、症状の改善に貢献していける商品の開発を今後も進めて参ります。
■会社概要
社名 :ユニ・チャーム株式会社
設立 :1961年2月10日
本店 :愛媛県四国中央市金生町下分182番地
本社 :東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館
社員数 :1,228名[グループ合計10,287名](2012年3月)
事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品、
ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、
ペットケア関連製品、産業資材、食品包材等の販売
ユニ・チャーム株式会社 ホームページアドレス
http://www.unicharm.co.jp/