<消費税率の引き上げにともなう消費意識調査>増税前に駆け込み消費をするのは全体の2割弱に留まるも、今後5年内に大きな買い物を見込む割合は4割近くに上る
[13/10/30]
提供元:@Press
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シニアマーケットの専門機関である株式会社シニアコムは、2013年10月上旬に50歳以上の男女に対して、「買い物に関するアンケート第三弾」と題した調査を実施しました。
・調査手法 :WEBアンケート調査
・対象者 :50歳以上の男女個人(シニアコムMASTER会員)
・有効回答数:902人(男性632人 女性270人)
・実施時期 :2013年10月
この「買い物に関するアンケート」は、景況感や税制変更などにあわせて生活者の買い物行動や意識を尋ねるシリーズ調査になり、今回は10月初旬に政府より消費税率の引き上げが発表されたタイミングで、税率アップ前の買い物意向およびその理由や動機などを聴取しました。
《調査結果サマリー》
・消費税率の引き上げ前に、高額な買い物やローンを組んで買うような「大きな買い物」をするのは2割弱に留まり、その背景には、シニアならではの「熟練消費者の意識」と「安心志向の意識」が影響している。
・ただし「金融資産3,000万円以上」の富裕層では、駆け込み消費の意向が4人に1人の割合で見られ、具体的に購入しようと思うジャンルには「旅行」が特徴的に挙がる。
・また今回の消費税率の引き上げ時期に関わらず、今後5年のうちに「大きな買い物」をする見込みをうかがうと、全体のおよそ4割近くが具体的に「大きな買い物」を見込んでおり、特に「不動産/自動車/旅行」を中心とした商材の購入意向を持ち合わせている。
・さらにそのような買い物ニーズは、「購入した商品が古くなる/買い替えの時期が来る」といったプロダクトのライフサイクルに関連するものに加え、定年退職や子供の独立、家族の介護といったシニア期ならではのライフステージの変化がスイッチになっている。
■消費税率の引き上げ前に「大きな買い物」をするのは2割弱に留まる
まずアンケートでは、高額な買い物やローンを組んで買うものを「大きな買い物」として、消費税率が引き上げられる2014年4月までに「大きな買い物」をする意向を聴取しました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/1_1.png (グラフ画像)
・50代以上で増税前の駆け込み消費を示す「大きな買い物をする」と答えた割合は15〜19%に留まり、8割強が「大きな買い物をしない」財布の紐が固い消費者と言えます。
・マクロミルが行った同様の調査結果を参照しても、若年層と比べて消費意向の差が見て取れます。
■その背景には、シニアならではの「熟練消費者の意識」と「安心志向の意識」が影響
前述の50代以上で「大きな買い物をしない」回答者にその理由を聴取すると、次のような要因が挙げられました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/2_2.png (グラフ画像)
・この結果から、シニアならではの特徴的な消費意識として次のような要因に集約されます。
<「熟練消費者の意識」の特徴>
- 身の周りに必要なものは揃っており、ほとんどのモノやサービスには充足している
- 多くの消費経験を経ており、今でも強く欲求するようなモノやサービスが少ない
<「安心志向の意識」の特徴>
- 収入や資産の目減りを不安視し、なるべく余計な出費は抑えようとする
- 今後将来的な医療や介護など、老後に必要となる出費に備えようとする
これまでに当社が行ってきた調査や事例でもこのようなシニアならではの消費意識が特徴に挙げられましたが、今回の調査でも顕著な背景要因に挙がっています。
■ただし富裕層では、駆け込み消費の意向が4人に1人の割合で見られる
先ほどの増税前の駆け込み消費の意向を保有金融資産のレンジ別に見ていくと、財布の紐が固い消費者だけとは言えない傾向が見られました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/3_3.png (グラフ画像)
・「金融資産3,000万円以上」の層が増税前に「大きな買い物をする」意向は24%に上り、「金融資産1,000万円未満/1,000万円以上〜3,000万円未満」の層と比べて高いポイントになっています。
・このことから高額水準の資産を持つ富裕層であれば、およそ4人に1人が増税前の駆け込み消費の意向を持ち合わせています。
■富裕層が駆け込み消費するジャンルには、「旅行」が特徴的に高く挙がる
前問のように増税前の駆け込み消費意向がある方に、どのような商品・サービスの分野で「大きな買い物」するか尋ねたところ、ここでも資産別の傾向が見られました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/4_4.png (グラフ画像)
・全体の傾向では、「大きな買い物」をする分野に「情報通信・家電製品/自動車・他輸送機器/旅行サービス/不動産」が上位に挙がります。
・特に「金融資産3,000万円以上」の層では、他層と比べて「旅行」のポイントが高く表れています。
ここまでのアンケート結果を振り返ると、概してシニアの方々は消費税率のアップでは「大きな買い物をしない」財布の紐が固い消費者であり、一部の富裕層のみが「旅行」を中心としたハレの消費意向を持ち合わせていると見えるかもしれません。
しかしながらシニアの方々に、今回の消費税率の引き上げ時期に関わらず、今後5年のうちに「大きな買い物」をする見込みを尋ねると、財布の紐は固いものの、その一方では使う時には金額を支払う消費者である面も見られました。
■今後5年ほどの間に「大きな買い物」を見込んでいる割合は4割弱に上る
アンケートの終盤では、今後5年ほどの間に「大きな買い物」として消費を見込んでいるものを聴取すると、全体の4割弱から具体的な買い物予定ありの回答が挙がりました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/5_5.png (グラフ画像)
ここでも層別での差が見られ、保有する金融資産の金額帯が高まることに応じて、買い物予定ありの割合が高まっています。
さらに「大きな買い物」として見込んでいる内容や金額とともに、その買い物の動機・きっかけを聴取すると、次のようなコメントが代表的/多数派の意見に挙がってきました。
今後5年ほどの間に、「大きな買い物」として購入を見込んでいるもの(FA抜粋)
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/6_6.png (図表画像)
・消費税率の引き上げに関わらず、今後5年というスパンで見ると、全体のおよそ4割近くが具体的に「大きな買い物」を見込んでおり、特に「不動産/自動車/旅行」を中心とした商材の購入意向を持ち合わせている層と言えます。
・さらにそのような買い物ニーズは、「購入した商品が古くなる/買い替えの時期が来る」といったプロダクトのライフサイクルに関連するものに加え、定年退職や子供の独立、家族の介護といったシニア期ならではのライフステージの変化がスイッチになっているケースも挙がります。
・そのためシニアを顧客ターゲットに狙う企業であれば、そのようなライフステージが変化するタイミングに合わせてアプローチすることが、有効な商談につながるきっかけになると言えます。
当社ではシニアマーケットに特化したコンサルティング会社として、今回のような買い物に関するアンケート調査を実施するのみでなく、シニアならではの“熟練消費者の意識”と“安心志向の意識”から消費実態を把握し、その裏側にある要因を探ることを目指しています。
今後も引き続き、買い物や消費に関する調査を展開し、シニアマーケットにおける“個人”と“企業”の双方に向けたマーケティング機能を果たすことを目指します。
・調査手法 :WEBアンケート調査
・対象者 :50歳以上の男女個人(シニアコムMASTER会員)
・有効回答数:902人(男性632人 女性270人)
・実施時期 :2013年10月
この「買い物に関するアンケート」は、景況感や税制変更などにあわせて生活者の買い物行動や意識を尋ねるシリーズ調査になり、今回は10月初旬に政府より消費税率の引き上げが発表されたタイミングで、税率アップ前の買い物意向およびその理由や動機などを聴取しました。
《調査結果サマリー》
・消費税率の引き上げ前に、高額な買い物やローンを組んで買うような「大きな買い物」をするのは2割弱に留まり、その背景には、シニアならではの「熟練消費者の意識」と「安心志向の意識」が影響している。
・ただし「金融資産3,000万円以上」の富裕層では、駆け込み消費の意向が4人に1人の割合で見られ、具体的に購入しようと思うジャンルには「旅行」が特徴的に挙がる。
・また今回の消費税率の引き上げ時期に関わらず、今後5年のうちに「大きな買い物」をする見込みをうかがうと、全体のおよそ4割近くが具体的に「大きな買い物」を見込んでおり、特に「不動産/自動車/旅行」を中心とした商材の購入意向を持ち合わせている。
・さらにそのような買い物ニーズは、「購入した商品が古くなる/買い替えの時期が来る」といったプロダクトのライフサイクルに関連するものに加え、定年退職や子供の独立、家族の介護といったシニア期ならではのライフステージの変化がスイッチになっている。
■消費税率の引き上げ前に「大きな買い物」をするのは2割弱に留まる
まずアンケートでは、高額な買い物やローンを組んで買うものを「大きな買い物」として、消費税率が引き上げられる2014年4月までに「大きな買い物」をする意向を聴取しました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/1_1.png (グラフ画像)
・50代以上で増税前の駆け込み消費を示す「大きな買い物をする」と答えた割合は15〜19%に留まり、8割強が「大きな買い物をしない」財布の紐が固い消費者と言えます。
・マクロミルが行った同様の調査結果を参照しても、若年層と比べて消費意向の差が見て取れます。
■その背景には、シニアならではの「熟練消費者の意識」と「安心志向の意識」が影響
前述の50代以上で「大きな買い物をしない」回答者にその理由を聴取すると、次のような要因が挙げられました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/2_2.png (グラフ画像)
・この結果から、シニアならではの特徴的な消費意識として次のような要因に集約されます。
<「熟練消費者の意識」の特徴>
- 身の周りに必要なものは揃っており、ほとんどのモノやサービスには充足している
- 多くの消費経験を経ており、今でも強く欲求するようなモノやサービスが少ない
<「安心志向の意識」の特徴>
- 収入や資産の目減りを不安視し、なるべく余計な出費は抑えようとする
- 今後将来的な医療や介護など、老後に必要となる出費に備えようとする
これまでに当社が行ってきた調査や事例でもこのようなシニアならではの消費意識が特徴に挙げられましたが、今回の調査でも顕著な背景要因に挙がっています。
■ただし富裕層では、駆け込み消費の意向が4人に1人の割合で見られる
先ほどの増税前の駆け込み消費の意向を保有金融資産のレンジ別に見ていくと、財布の紐が固い消費者だけとは言えない傾向が見られました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/3_3.png (グラフ画像)
・「金融資産3,000万円以上」の層が増税前に「大きな買い物をする」意向は24%に上り、「金融資産1,000万円未満/1,000万円以上〜3,000万円未満」の層と比べて高いポイントになっています。
・このことから高額水準の資産を持つ富裕層であれば、およそ4人に1人が増税前の駆け込み消費の意向を持ち合わせています。
■富裕層が駆け込み消費するジャンルには、「旅行」が特徴的に高く挙がる
前問のように増税前の駆け込み消費意向がある方に、どのような商品・サービスの分野で「大きな買い物」するか尋ねたところ、ここでも資産別の傾向が見られました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/4_4.png (グラフ画像)
・全体の傾向では、「大きな買い物」をする分野に「情報通信・家電製品/自動車・他輸送機器/旅行サービス/不動産」が上位に挙がります。
・特に「金融資産3,000万円以上」の層では、他層と比べて「旅行」のポイントが高く表れています。
ここまでのアンケート結果を振り返ると、概してシニアの方々は消費税率のアップでは「大きな買い物をしない」財布の紐が固い消費者であり、一部の富裕層のみが「旅行」を中心としたハレの消費意向を持ち合わせていると見えるかもしれません。
しかしながらシニアの方々に、今回の消費税率の引き上げ時期に関わらず、今後5年のうちに「大きな買い物」をする見込みを尋ねると、財布の紐は固いものの、その一方では使う時には金額を支払う消費者である面も見られました。
■今後5年ほどの間に「大きな買い物」を見込んでいる割合は4割弱に上る
アンケートの終盤では、今後5年ほどの間に「大きな買い物」として消費を見込んでいるものを聴取すると、全体の4割弱から具体的な買い物予定ありの回答が挙がりました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/5_5.png (グラフ画像)
ここでも層別での差が見られ、保有する金融資産の金額帯が高まることに応じて、買い物予定ありの割合が高まっています。
さらに「大きな買い物」として見込んでいる内容や金額とともに、その買い物の動機・きっかけを聴取すると、次のようなコメントが代表的/多数派の意見に挙がってきました。
今後5年ほどの間に、「大きな買い物」として購入を見込んでいるもの(FA抜粋)
http://www.atpress.ne.jp/releases/40155/6_6.png (図表画像)
・消費税率の引き上げに関わらず、今後5年というスパンで見ると、全体のおよそ4割近くが具体的に「大きな買い物」を見込んでおり、特に「不動産/自動車/旅行」を中心とした商材の購入意向を持ち合わせている層と言えます。
・さらにそのような買い物ニーズは、「購入した商品が古くなる/買い替えの時期が来る」といったプロダクトのライフサイクルに関連するものに加え、定年退職や子供の独立、家族の介護といったシニア期ならではのライフステージの変化がスイッチになっているケースも挙がります。
・そのためシニアを顧客ターゲットに狙う企業であれば、そのようなライフステージが変化するタイミングに合わせてアプローチすることが、有効な商談につながるきっかけになると言えます。
当社ではシニアマーケットに特化したコンサルティング会社として、今回のような買い物に関するアンケート調査を実施するのみでなく、シニアならではの“熟練消費者の意識”と“安心志向の意識”から消費実態を把握し、その裏側にある要因を探ることを目指しています。
今後も引き続き、買い物や消費に関する調査を展開し、シニアマーケットにおける“個人”と“企業”の双方に向けたマーケティング機能を果たすことを目指します。