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IEEEが提言を発表 生成AIの次にやってくるのは?


IEEE(アイ・トリプルイー)は世界各国の技術専門家が会員として参加しており、さまざまな提言やイベントなどを通じ科学技術の進化へ貢献しています。

生成AIは、ChatGPTなどいくつかのチャットボットが一般的に利用可能となったことで、近年世界を席巻しています。チャットボットはさながら人間が書いたような文章をあり得ない程のスピードで生成します。シェークスピアのスタイルでソネットを書き、数多くの言語間の翻訳を行い、コンピューターコードを大量に吐き出すなど、様々な作業をこなします。

企業やビジネスの専門家はその可能性に即座に着目しました。一方、ここ数か月、生成AIに対する疑心暗鬼も一部で広がりつつあります。反対派は、生成AIの機能がもてはやされすぎていると主張します。ハルシネーション(生成AIモデルが生成する可能性のある誤情報)によって有用性が低下し、多くの企業がツール活用の理想的な戦略をまだ特定できていません。そして、これまでで最も急速に成長したアプリケーションのひとつであるChatGPTでさえ、定期的に利用している人の割合はそれほど高くありません。

世界のテクノロジーリーダーを対象として実施した最新の調査「The Impact of Technology in 2025 and Beyond: an IEEE Global Study(2025年以降のテクノロジーインパクト:IEEEグローバルスタディ)」によると、「2025年は、生成AIの可能性や役割についての一般の人の関心や認識がより深い理解や高い期待へとシフトし、結果の正確度やディープフェイクに関する透明性などの問題で痛手を受けるだろう」と考える回答者が91%にのぼりました。

一方、この調査では、生成AIを妨げるものはいつまでも続くものではないと予測しています。回答者の大多数(91%)が、「生成AIのイノベーション、模索、採用が2025年も凄まじいスピードで進む」と考えています。

2025年、生成AIに待ち受けているものとは?製品ロードマップは?我々の仕事や生活にどのような影響があるでしょうか?


■機能のマルチモーダル化
IEEEシニアメンバーのDaozhuang Lin 氏は、今後数年で生成AIモデルが短いテキストスニペットを元に画像や動画をより簡単に生成できるようになるだろうと予想しています。テキストからの画像や動画の生成、音声合成の技術が向上し、モデルは様々な入力を、よりコンテキストに基づいて理解できるようになります。

「その第一歩として、マルチモーダルで深い統合が進み、より複雑で詳細で正確で自己整合性のあるコンテンツを消費者、さらにはプロのコンテンツクリエイターに提供できるようになる」とLin氏は話します。


■正確度とバイアスに対処する
ハルシネーション、正確度、バイアスに関する懸念も生成AIモデル普及の足かせとなっています。バイアスは、偏ったデータでモデルがトレーニングされることで忍び込む場合があります。画像生成モデルの中には特定の人種を選好するものもあるようです。

「モデルの開発者は、消費者データトレーニングのプロセスにおいて、いかにAIが生成するバイアスや倫理的な問題を排除するかに注力する必要がある。ユーザーを、より普遍的で恒常的な価値に導き、モデルがより『親切』になるよう導くことが重要だ」とLin氏は話します。


■コンテキストウィンドウの改善
生成AIが直面する制約のひとつに、プロンプトで一度に処理できる情報量があります。コンテキストウィンドウ、またはコンテキストサイズと呼ばれるものです。例えば、画像を生成するために、非常に長いプロンプト、あるいは説明を入力する必要があるとします。これがある一線を超えると、生成AIモデルはプロンプト全体を処理できなくなります。出力結果にはプロンプトの一部しか反映されず、重要かもしれない情報が排除されてしまいます。

また別の例として、ある長大な文書についてモデルと会話する必要があるとします。会話が進むにつれて、モデルは会話の最初の方の内容を忘れてしまうことがあります。
コンテキストウィンドウを改善することで、生成AIモデルはより複雑なタスクを扱い、レスポンスの一貫性を向上させることができます。

IEEEメンバー(大学院生)のHector Azpurua 氏は「生成AIでできることはまだ頭打ちではない。つまりこのテクノロジーはまだ安定期に達していない」と話します。


■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。

詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。

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