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【生活トレンド研究所レポート2014 vol.8】「増税前の駆け込み購入(家電編)」に関する調査を実施 〜駆け込み消費で最も買われた家電は「パソコン/タブレット」(26.9%)〜 〜増税前後で“1,000円”の差があると、人は「駆け込み消費」をしやすくなる!?〜

株式会社オールアバウト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:江幡 哲也)が運営する「生活トレンド研究所」は、2014年第8弾のレポートとして「家電」に関するアンケート調査を実施しました。調査日は2014年3月11日(火)、全国の20〜69歳男女のうち、消費税増税を見越して家電を購入した331名から有効回答を得ました。

2014年4月1日(火)より消費税が5%から8%に上がったことを受けて、耐久消費財である「家電」の駆け込み消費による反動減が予想されています。この度の消費増税を見越して、何らかの「家電」を購入した消費者に対し、どういった種類の家電を購入したかを聞いたところ、「パソコン/タブレット」が26.9%と一番多いことがわかりました。次に、「冷蔵庫」(24.8%)、「炊飯器」(19.6%)、「掃除機」(17.5%)といった白物家電が挙げられていました。
これに対し、All About「家電」ガイドの戸井田 園子氏は、「家電は大きく分けて、生活必需品と嗜好品に分けられますが、必需品である『冷蔵庫・洗濯乾燥機・エアコン』あたりは、手持ちの製品に寿命が来ているので、増税前に買い換えていると考えられます。一方、嗜好品に近い『パソコン・テレビ・オーディオ・コーヒーマシン』などは、この際だから…という購入動機が多いのではないでしょうか」と述べています。

以降、このたびの消費増税における「家電」購入者の実態と、専門家の解説をご紹介します。

■「生活トレンド研究所」のURL: http://allabout.co.jp/trend_lab/


【調査サマリー】
1) 増税前に最も買われた家電は「パソコン/タブレット」(26.9%)/購入理由は増税の次に「ずっと欲しかったから」が続き、家電の“言い訳消費”が明らかに
<戸井田氏コメント>
パソコンはWindows XPのサポート終了も重なり、買い替えなくてはならない人が多いのが要因と思われます。
また、普段誰もが『欲しいもの』をすべて手に入れられる訳ではないので、何らかの我慢はしているものです。しかし、我慢することで少なからず損をしてしまう可能性があるとわかれば、『じゃあ買ったほうがいいよね?』という理論が自分の中で成立し、購入の“正当性”が出てくるのではないでしょうか。このたびの消費増税は、“消費=罪悪”という感覚を払拭してくれる良い理由になっているのだと思います。

2) “駆込み消費”のボーダーラインは約1,000円!?購入家電の価格帯から明らかに
購入者が多かった上位10種の家電の購入時の価格帯は、10種中8種が3万円以上であることがわかりました。
<戸井田氏コメント>
3万円を超えると、今回の増税の差額分(3%)は900円以上ということになります。およそ、1,000円の差が“駆け込み消費をするかどうか”のボーダーと推測されます。
支払う価格に1,000円以上の差があると心理的にお得感(あるいは『損をしたくない』)という感覚になるのだと言えるのではないでしょうか


1) 増税前に最も買われた家電は「パソコン/タブレット」(26.9%)/家電の購入理由は増税の次に「ずっと欲しかったから」が続き、家電の“言い訳消費”が明らかに
さらに、家電購入者のうち331名に、購入した家電の種類について聞いたところ、「パソコン/タブレット」(26.9%)、「冷蔵庫」(24.8%)、「炊飯器」(19.6%)などが挙げられました(グラフ1 http://www.atpress.ne.jp/releases/45160/img_45160_1.gif )。これを年代別に見ると、20代は炊飯器や冷蔵庫といった白物家電が上位にきており、30〜50代はパソコン/タブレットが1位という内容でした(表1 http://www.atpress.ne.jp/releases/45160/img_45160_2.gif )。これについて、戸井田氏は次のように分析しています。
「家電は大きく分けて、生活必需品と嗜好品に分けられますが、必需品である『冷蔵庫・洗濯乾燥機・エアコン』あたりは、手持ちの製品に寿命が来ているので、増税前に買い換えていると考えられます。一方、嗜好品に近い『パソコン・テレビ・オーディオ・コーヒーマシン』などは、この際だから…という購入動機が多いのではないでしょうか。
ただし、パソコンはWindows XPのサポート終了も重なり、買い替えなくてはならない人が多いのが要因と思われます。

ちなみに、炊飯器・オーブンレンジは、この時期にあまり活発に動く製品ではないので、緊急で必要な訳ではないけれど増税前に、ということで購入している人が多いのではないかと推察します。
空気清浄機は1〜2月が旬となり、増税に関わらず販売台数が多くなるシーズンなので、増税だからという理由だけではないと思います。しかし、新規購入か買い替えかを聞いた際に新規購入者が6割もいたことから、今まで持っていなかった人がこの際だから購入に踏み切った、というケースが多いことがうかがえます。
世代別の特徴としては、20代は新生活に必要な家電ということが見受けられます。子育て世代である30代、40代は『必要』より『欲しい』家電を購入している傾向が感じられます。50代以上は、オーディオや携帯を除いては、必需品が優先されているように思えます。
オーディオは、最近『ハイレゾ』という高音質の光学機器が流行っていて、レコード世代である50代以上が食いついているという話も聞きます。そういった層が増税前に購入しているのだと思われます」

また、購入理由について聞いてみると、1位はもちろん「消費税が上がるから」(57.3%)でしたが、その次に高かったのが「ずっと欲しいと思っていたから」(32.5%)でした(グラフ2 http://www.atpress.ne.jp/releases/45160/img_45160_3.gif )。

この結果について戸井田氏は、次のようにコメントしています。
「購入理由に『ずっと欲しいと思っていたから』と答えた人が多いのは、先述のオーディオなどのような商品を購入した層なのではないでしょうか。
これはまさしく『言い訳消費』といえます。普段、誰もが『欲しいもの』をすべて手に入れられる訳ではないので、何らかの我慢はしていると思います。しかし、我慢することで少なからず損をしてしまう可能性があるとわかれば、『じゃあ買ったほうがいいよね?』という理論が自分の中で成立し、購入の“正当性”が出てくるのではないでしょうか。このたびの消費増税は、“消費=罪悪”という感覚を払拭してくれる良い理由になっているのだと思います」


2) “駆込み消費”のボーダーラインは約1,000円!?購入家電の価格帯から明らかに
購入者が多かった上位10種の家電の購入時の価格帯は、10種中8種が3万円以上であることがわかりました(表2 http://www.atpress.ne.jp/releases/45160/img_45160_4.gif )。
この結果に対し、戸井田氏は次のようコメントしています。
「3万円を超えると、今回の増税の差額分(3%)は900円以上ということになります。およそ、1,000円の差が“駆け込み消費をするかどうか”のボーダーという推測ができます。100円の単位まではなんとなく気にならなくても、1,000円台になると『おっ』と思うのは、個人的にもわかる気がします。ですので、支払う価格に1,000円以上の差があると心理的にお得感(あるいは『損をしたくない』)という感覚になるのだと言えるのではないでしょうか」


■調査監修者プロフィール
「家電」ガイド 戸井田 園子(といだ そのこ)
大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当し、インテリア研究所を経て商品企画部へ。そのとき身に付けた性能・デザイン・価格などをトータルに比較し、商品の優劣を見極める技術をもとに、独立してフリーに。現在はインテリア&家電コーディネーターとして活動中。


■調査概要(調査方法:インターネット調査)
・調査日 :2014年3月11日(火)
・調査対象:全国の20〜69歳男女
      (ジャストシステム「ファストアスク」リサーチ会員)
・割付  :消費増税を理由に家電を購入した人 331人


■「生活トレンド研究所」について http://allabout.co.jp/trend_lab/
「生活者のトレンドと未来をひも解くマーケティング・チャネル」であることをミッションに掲げ、総合情報サイト「All About」で活躍する住宅、マネー、健康、グルメ、一般消費財等、様々な領域における専門家(=ガイド)が研究員となって、企業と生活者がより良い関係性を構築するための調査、市場分析を行なっていきます。その分野における高い専門性はもちろんのこと、生活者・実務家としての考えや想いも兼ね備えた「All Aboutガイド」ならではの分析・考察を重ねることで、表面的な定量データでは捉えられない新たな潮流や課題を浮き彫りにしていきます。
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