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ネットエイジア調べ 炎上騒動は大学の大きなリスクに 「学生が不祥事・炎上を起こした大学は志望意欲減退」5割弱

モバイルリサーチ(http://www.mobile-research.jp/)を展開するネットエイジア株式会社(http://www.netasia.co.jp/)(本社:東京都中央区、代表取締役:三清 慎一郎、以下ネットエイジア)は、大学選びに関する調査をモバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により実施し、大学・短大への進学(併設大への進学を除く)を志望している高校生または浪人生(以下「進学希望者」)463名と、現在大学・短大に通っている大学生・短大生(以下「現役大学生」)704名、合わせて1,167名の回答を集計いたしました。
今後もネットエイジアでは、世の中の関心が高いテーマの調査、今後のトレンドを占える調査など、マーケティングシーンで役立つさまざまな情報をモバイルリサーチによりタイムリーに提供してまいります。


少子化の進行で18歳人口が減少し、大学の入学希望者数が入学定員数を下回る、“大学全入時代”が到来して久しく、定員割れが続いて経営が危ぶまれる大学も出てくると、“大学倒産時代”といった表現も使われるようになった。大学間競争が激化している状況下、デジタル・ネイティブと称される、生まれた時からインターネットが当たり前の環境として存在していた世代は大学選びでどんな情報を参照し、どのように大学を選定しているのだろうか。
昨今の大学選びの実態を明らかにするべく、進学希望者と現役大学生1,167名を対象にモバイル調査を実施した。(調査期間2014年6月19日〜6月25日)

《デジタル・ネイティブの情報収集実態》
◆受験生はPCよりスマホでインターネット
◆デジタル・ネイティブの情報収集は紙媒体より電子媒体が主流
「ニュースサイト」利用率57%、「SNS」は47%、「キュレーションサイト」は17%
◆デジタル・ネイティブは“フォロワー型”?情報収集は「検索よりニュースサイトやSNS」で

大学選びで重視するポイントや情報収集方法について質問する前段として、調査対象者が普段どんな端末を利用し、どのように世の中の情報に接しているか、確認を行った。
インターネットをする際に利用する情報端末を尋ねたところ、「スマートフォン」が81.7%、「パソコン」が77.6%、「従来型の携帯電話(ガラケー・フィーチャーフォン)」が13.4%となった。現役大学生は「スマートフォン」83.8%と「パソコン」85.2%が同程度だが、高校生や浪人生からなる進学希望者は「スマートフォン」78.6%が「パソコン」66.1%よりも高い利用率となっており、スマートフォンの普及が見て取れる。

ニュースなどの世の中の動きを知るために利用している媒体・方法を尋ねると、「テレビ」が86.1%で最も高く、「ニュースサイト(Yahoo!ニュース・新聞/雑誌のインターネット版など)」が56.6%、「SNS(Twitter・Facebook・mixiなど)」が46.7%、「インターネット検索(ブラウジング)」が31.9%、「新聞(インターネット版を除く)」が31.4%、「友人・家族との会話」が30.8%、「ニュースアプリ・まとめサイト(キュレーションサイト)」が17.3%で続いた。テレビは依然として、世の中の動きを知る方法として上位に位置するものの、新聞や雑誌などの紙媒体より、インターネットを介した情報収集が優勢となっていることがわかる。また、インターネットを利用した情報収集のなかでも、興味のあるキーワードの検索をする能動的な方法(ブラウジング)よりも、特定のニュースサイトをチェックしたり、SNSで興味のある対象をフォローして流れてくる情報をキャッチしたりといった、受動的な方法の回答率が高くなっていることが特徴的である。


《大学観》
◆大学は就職予備校?2人に1人が「大学は就職の準備をする場所」と回答

当世の若年層は、大学にどんな目的を持って進学しようとしているのだろうか。彼・彼女らの“大学観”を探るべく、自身にとって、大学とはどんな場かを尋ねたところ、「興味のあることを学ぶ場所」が72.7%で最も高くなった。次いで、「社会に出る前の準備をする場所(社会で役立つ知識を吸収する場所)」が53.7%、「就職に向けて準備をする場所」が50.1%と5割台、「将来やりたい仕事を見つける場所(興味が持てるものを探す場所)」が40.4%、「学歴を得る場所(受験戦争のゴール地点)」が31.9%で続く。学びを追求する場所であると同時に、社会や就職で役立つから進学した/進学したい、との思惑が窺えた。


《大学の情報収集》
◆大学選び、情報収集は「大学のHP」「オープンキャンパス」「説明会」で
◆情報収集の対象となる大学は?「興味のあるキーワードで検索してヒットした大学」が4割に
◆広告はきっかけにならない?「よく広告を見る大学」に関心を持つ受験生は1割強に留まる
◆受験生のハートを掴むためには「広告」よりも「知名度」「オーガニック検索」「口コミ」「話題性」

大学を選ぶにあたり、どのような方法で情報収集を行うか(行ったか)尋ねたところ、「大学のホームページを見て」が62.4%、「オープンキャンパスに参加して」が58.7%となり、以下3割台で「進学・入試説明会に参加して」38.6%、「学校の先生に話を聞いて」36.9%、「大学発行誌(大学案内・パンフレットなど)を見て」33.4%、「インターネット検索して」31.4%が続く。大学のホームページやオープンキャンパス、進学説明会など、大学側が用意した情報やイベントを活用して情報を収集しているようだ。男女別に見ると、「オープンキャンパスに参加して」では男性が52.8%、女性が64.1%と、女性の回答率が高くなった。

それでは、数ある大学の中から、情報収集の対象となる大学はどのように絞り込まれるのだろうか。どんな大学のことを調べてみようと思うか(思ったか)を尋ねたところ、「自分の偏差値・学力に合った大学(入試難易度ランキング・偏差値一覧などから)」が52.7%で最も高くなった。次いで、「興味のあるキーワード(学科名など)で検索してヒットした大学」が41.0%、以下、3割台で「地元にある大学」32.5%、「人(親・先生・友人など)から勧められた大学」31.8%、2割台で「知名度の高い大学(もともと知っていた大学)」26.4%、「よく話題にあがる大学」22.6%が続いた。偏差値や地理的条件での絞り込み以外では、興味のあるキーワード検索による大学の絞り込みが主流のようだ。他方で「よく広告を見る大学」は13.4%と1割強に留まっている。

同様に、どんな大学に好感を持つか(持ったか)を尋ねたところ、「知名度の高い大学」34.4%、「自分の偏差値・学力に合った大学」34.3%、「興味のあるキーワードで検索してヒットした大学」32.3%が3割台で上位回答となり、2割台で「人(親・先生・友人など)から勧められた大学」24.1%、「よく話題にあがる大学」23.4%が続いた。また、「よく広告を見る大学」は12.7%となっている。普段からインターネットを主な情報源とし、多量の情報に接している若年層の好感度を高めるには、広告による接触量を増やすのみでは充分でなく、SEO対策などの、彼・彼女らが能動的に情報収集をする際に目につきやすくする施策や、親や教師の世代も対象に含めたバズマーケティングなど、口コミで話題になるような施策がより重要になってきているのではないだろうか。


《志望校選び》
◆第一志望の決め手「学びたい学部・学科がある」7割強、「知名度が高い」は2割半
◆「アカハラの噂を聞く大学には絶対に行かない」2割半、「アルハラの噂」では1割強
◆炎上騒動は大学の大きなリスクに 「学生が不祥事・炎上を起こした大学は志望意欲減退」5割弱

現時点で第一志望校を決めている進学希望者(282名)と、現役大学生(704名)(合計986名)に対し、第一志望校を選んだ決め手は何か尋ねたところ、「学びたい学部・学科がある」が73.6%で最も高くなった。以下、2割台の回答率で「偏差値/学力が自分に合っている」29.6%、「専門分野を深く学べそう」28.1%、「就職に有利そう」27.9%、「知名度が高い・評判が良い」24.1%、「立地条件がよい(自宅から通えそう、など)」23.1%、「設備・環境が整っている」21.4%が続く。入試の難易度や立地条件などの諸条件で絞り込むほかは、知名度が高い・評判が良いことや、就職や専門分野に強そう、といった“大学から受けるイメージ”にも多分に影響を受けながら、第一志望校を選定しているようだ。

それでは、第一志望校として絞り込んだ大学について、悪い噂や不祥事など、マイナスの情報を見聞きした場合、志望意欲にどの程度変化があるのだろうか。第一志望校で悪い噂や不祥事などが起きた場合の志望意欲の変化を尋ねたところ、「絶対に行かない(志望校から外す)」割合は【アカデミックハラスメントがあると噂を聞いた】で最も高く、25.9%。以下、志望校から外す割合が高い順に、【アルコールハラスメントがあると噂を聞いた】が12.8%、【大学教授や教員が、不祥事・炎上を起こした】が10.9%、【学生が不祥事・炎上を起こした】が5.1%となった。学生が不祥事・炎上を起こした学校を志望校から除外するのは20人に1人の割合と、一見影響が強くないようにも思えるが、「行きたくない気持ちになる」42.0%を合わせると、半数近く(47.1%)は、その学校に対する志望意欲が減退すると回答している。SNSに悪ふざけや犯罪行為が投稿されて起こった炎上騒動が、昨今世間を騒がせていたが、これらは学生が起こしたものも多かった。また、こうした炎上騒動は、一旦起きてしまうとインターネット上にいつまでも残り続けるので、受験生が志望大学の情報収集をする際に、目にする機会も多いだろう。炎上騒動や不祥事などによるインターネット上の悪評は、大学の運営や広報において大きなリスクとなり得るだろうことが窺えた。
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