カナダ、北米初の人民元取引拠点を目指す
[14/09/09]
提供元:@Press
提供元:@Press
カナダ・オンタリオ州にある、トロント・ファイナンシャル・サービシズ・アライアンス(Toronto Financial Services Alliance、以下TFSA) *1と、同国ブリティッシュ・コロンビア州(BC)にあるアドバンテージBC国際ビジネスセンター・バンクーバー(AdvantageBC International Business Centre-Vancouver、以下AdvantageBC)*2はこのほど、カナダを中国人民元取引の拠点として推進していくために、カナダ連邦政府をはじめ、両州政府の関係者、および金融業界との間で協力していくことを発表しました。
今回のカナダの発表を受けて、人民元の国際取引シェアをめぐる各国の争奪戦は一層激しさを増すと予測されます。人民元建ての取引が世界的に拡大しており、2009年には中国の対外貿易における人民元決済は1%も満たなかったのに対し、現在は約20%まで増えてきています。中国最大の貿易相手である欧州連合(EU)でも人民元に対する注目度は高く、今年に入ってからもロンドン、フランクフルト、ルクセンブルグといった金融都市が次々と人民元決済拠点となりました。
今回の発表に際して、TFSAのジャネット・エッカー(Janet Ecker)代表とAdvantageBCのコリン・ハンセン(Colin Hansen)代表は、次のように共同声明を発表しました。
「カナダは、中国とのビジネスや貿易関係を拡大しており、人民元の国際化を促進している中国のパートナーとして多くの強みを提供することができます。時差による優位性、充実した金融インフラ、資本市場や金融危機管理の専門知識、好調に拡大し続ける中国との強い経済関係、トロントやバンクーバーで増加する中国系カナダ住民などが、中国とカナダが、お互いの金融と経済界におけるパートナーシップを考慮する多くの理由となります」。
「カナダの金融ハブはトロントにありますが、カナダ・中国二国間の貿易の多くはBC州にあるバンクーバーを通じて行われています。そのため、カナダの企業がこの構想を最大限に活用するには、オンタリオ・BC両州の協力は非常に重要となります」とも述べています。
カナダ商工会議所のパーリン・ビーティ(Perrin Beatty)会頭をはじめ、カナダ経営者協議会 (Canadian Council of Chief Executives)、カナダ製造業者輸出業者連盟 (Canadian Manufacturers & Exporters)、カナダ中国ビジネス協議会 (Canada China Business Council)など、カナダ経済界の代表からこの構想に対して、すでに支持表明が出されています。
この構想の実現化へむけた動きは既に始動しており、2013年にBC州は、ディムサム・ボンド(dim sum bond) と呼ばれるカナダ初の人民元建て政府債権を発行し、アジアの投資家を中心に、たちまち募集額を超える申し込みがありました。また、TFSAとAdvantageBCは、13の金融機関の代表からなるTFSA人民元ワーキング・グループとBC州の同様のグループとの連携強化のための運営委員会を設置し、北米初の人民元取引拠点の実現へむけて活動を推進していきます。
※なお、本件に関して、TFSAのジャネット・エッカー代表へのご取材を希望される場合には、下記までご連絡ください。
カナダ・オンタリオ州政府経済開発省 日本広報窓口
株式会社トークス レオン
Tel: 03-3261-7715 E-mail: ontario@pr-tocs.co.jp
■関連情報
・人民元は現在、国際貿易・金融の決済で使用される通貨の中で2位を占め、そのシェアはどの通貨よりも急速に伸びています。
・2009年に香港で初めてオフショア人民元決済拠点が設立され、シンガポール、ロンドン、フランクフルト、ルクセンブルグなどの金融都市にも人民元の決済拠点が認可されました。しかしながら現時点では、南・北アメリカに人民元決済拠点がありません。
・カナダの対中貿易は2013年に730億カナダドルまで拡大しました。
・カナダにいる約150万人の中国系住民のうち40%はトロントに居住しています。
・TFSA人民元ワーキング・グループのメンバー:
(共同会長)モントリオール銀行、中国銀行カナダ、カナダHSBC銀行、中国商工銀行カナダ
(メンバー)中国建設銀行、カナダ帝国商業銀行(CIBC)、マニュライフ・ファイナンシャル、ナショナル・バンク・オフ・カナダ、カナダ・ロイヤル銀行(RBC)、スコシアバンク、サン・ライフ・ファイナンシャル、TDバンク・グループ、TMXグループ(トロント証券取引所など所有)
(オブザーバー)カナダ銀行、カナダ財務省、オンタリオ州融資局
※1 トロント・ファイナンシャル・サービシズ・アライアンス
(Toronto Financial Services Alliance、TFSA)について
トロント・ファイナンシャル・サービシズ・アライアンスは2001年に金融サービス業界とトロント市の連携で創設された官民連携のイニシアティブで、トロントを世界一の金融センターとするため、長期的な競争力の強化と促進を図る目的で運営されています。現在は連邦および州政府の支援を受けており、会員には銀行、証券会社、投資ファンドマネージャー、保険会社などの主要な金融サービス企業のほか、会計、法律や教育分野の企業が含まれています。
ウェブサイト: http://www.tfsa.ca (英語)
※2 アドバンテージBC 国際ビジネスセンター・バンク
(AdvantageBC International Business Centre-Vancouver)について
アドバンテージBCは、ブリティッシュ・コロンビア州(BC)における国際ビジネス活動を行っており、148の加盟企業・団体の資金で運営されている非営利団体です。同団体は優遇税制措置や、その他さまざまの優遇措置を提供することで国際ビジネスをBC州に誘致するために1986年に設立されました。
ウェブサイト:http://www.advantagebc.ca/JP/about-JP.htm (日本語)
■オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの38%、人口の39%、カナダの輸出品の39%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州は、カナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ10の経済圏となっています。
約200社の日系企業が、オンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キャノンなどの主要企業が現地法人を置いています。日本はオンタリオ州の5番目の貿易相手国となっており、また、当州への海外資本投資額のうち、日本からの投資額が約9%を占めます。2010年の日本の対オンタリオ州の輸入額は10億6,000万カナダドル、同輸出額は、91億6,000万カナダドルとなっています。
■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年6月、オンタリオ州政府経済開発省(Ontario Ministry of Economic Development, Trade and Employment)によって、開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。
今回のカナダの発表を受けて、人民元の国際取引シェアをめぐる各国の争奪戦は一層激しさを増すと予測されます。人民元建ての取引が世界的に拡大しており、2009年には中国の対外貿易における人民元決済は1%も満たなかったのに対し、現在は約20%まで増えてきています。中国最大の貿易相手である欧州連合(EU)でも人民元に対する注目度は高く、今年に入ってからもロンドン、フランクフルト、ルクセンブルグといった金融都市が次々と人民元決済拠点となりました。
今回の発表に際して、TFSAのジャネット・エッカー(Janet Ecker)代表とAdvantageBCのコリン・ハンセン(Colin Hansen)代表は、次のように共同声明を発表しました。
「カナダは、中国とのビジネスや貿易関係を拡大しており、人民元の国際化を促進している中国のパートナーとして多くの強みを提供することができます。時差による優位性、充実した金融インフラ、資本市場や金融危機管理の専門知識、好調に拡大し続ける中国との強い経済関係、トロントやバンクーバーで増加する中国系カナダ住民などが、中国とカナダが、お互いの金融と経済界におけるパートナーシップを考慮する多くの理由となります」。
「カナダの金融ハブはトロントにありますが、カナダ・中国二国間の貿易の多くはBC州にあるバンクーバーを通じて行われています。そのため、カナダの企業がこの構想を最大限に活用するには、オンタリオ・BC両州の協力は非常に重要となります」とも述べています。
カナダ商工会議所のパーリン・ビーティ(Perrin Beatty)会頭をはじめ、カナダ経営者協議会 (Canadian Council of Chief Executives)、カナダ製造業者輸出業者連盟 (Canadian Manufacturers & Exporters)、カナダ中国ビジネス協議会 (Canada China Business Council)など、カナダ経済界の代表からこの構想に対して、すでに支持表明が出されています。
この構想の実現化へむけた動きは既に始動しており、2013年にBC州は、ディムサム・ボンド(dim sum bond) と呼ばれるカナダ初の人民元建て政府債権を発行し、アジアの投資家を中心に、たちまち募集額を超える申し込みがありました。また、TFSAとAdvantageBCは、13の金融機関の代表からなるTFSA人民元ワーキング・グループとBC州の同様のグループとの連携強化のための運営委員会を設置し、北米初の人民元取引拠点の実現へむけて活動を推進していきます。
※なお、本件に関して、TFSAのジャネット・エッカー代表へのご取材を希望される場合には、下記までご連絡ください。
カナダ・オンタリオ州政府経済開発省 日本広報窓口
株式会社トークス レオン
Tel: 03-3261-7715 E-mail: ontario@pr-tocs.co.jp
■関連情報
・人民元は現在、国際貿易・金融の決済で使用される通貨の中で2位を占め、そのシェアはどの通貨よりも急速に伸びています。
・2009年に香港で初めてオフショア人民元決済拠点が設立され、シンガポール、ロンドン、フランクフルト、ルクセンブルグなどの金融都市にも人民元の決済拠点が認可されました。しかしながら現時点では、南・北アメリカに人民元決済拠点がありません。
・カナダの対中貿易は2013年に730億カナダドルまで拡大しました。
・カナダにいる約150万人の中国系住民のうち40%はトロントに居住しています。
・TFSA人民元ワーキング・グループのメンバー:
(共同会長)モントリオール銀行、中国銀行カナダ、カナダHSBC銀行、中国商工銀行カナダ
(メンバー)中国建設銀行、カナダ帝国商業銀行(CIBC)、マニュライフ・ファイナンシャル、ナショナル・バンク・オフ・カナダ、カナダ・ロイヤル銀行(RBC)、スコシアバンク、サン・ライフ・ファイナンシャル、TDバンク・グループ、TMXグループ(トロント証券取引所など所有)
(オブザーバー)カナダ銀行、カナダ財務省、オンタリオ州融資局
※1 トロント・ファイナンシャル・サービシズ・アライアンス
(Toronto Financial Services Alliance、TFSA)について
トロント・ファイナンシャル・サービシズ・アライアンスは2001年に金融サービス業界とトロント市の連携で創設された官民連携のイニシアティブで、トロントを世界一の金融センターとするため、長期的な競争力の強化と促進を図る目的で運営されています。現在は連邦および州政府の支援を受けており、会員には銀行、証券会社、投資ファンドマネージャー、保険会社などの主要な金融サービス企業のほか、会計、法律や教育分野の企業が含まれています。
ウェブサイト: http://www.tfsa.ca (英語)
※2 アドバンテージBC 国際ビジネスセンター・バンク
(AdvantageBC International Business Centre-Vancouver)について
アドバンテージBCは、ブリティッシュ・コロンビア州(BC)における国際ビジネス活動を行っており、148の加盟企業・団体の資金で運営されている非営利団体です。同団体は優遇税制措置や、その他さまざまの優遇措置を提供することで国際ビジネスをBC州に誘致するために1986年に設立されました。
ウェブサイト:http://www.advantagebc.ca/JP/about-JP.htm (日本語)
■オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの38%、人口の39%、カナダの輸出品の39%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州は、カナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ10の経済圏となっています。
約200社の日系企業が、オンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キャノンなどの主要企業が現地法人を置いています。日本はオンタリオ州の5番目の貿易相手国となっており、また、当州への海外資本投資額のうち、日本からの投資額が約9%を占めます。2010年の日本の対オンタリオ州の輸入額は10億6,000万カナダドル、同輸出額は、91億6,000万カナダドルとなっています。
■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年6月、オンタリオ州政府経済開発省(Ontario Ministry of Economic Development, Trade and Employment)によって、開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。