平成26年度 新生!ふくしまの恵み発信事業 第2回メディアセミナー「福島牛」その安全・安心と品質向上に向けた取り組み― 繁殖・肥育農家の生産現場から ―平成26年11月17日、都内にて開催される
[14/12/10]
提供元:@Press
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福島県では、「平成26年度 新生!ふくしまの恵み発信事業」の一環として、第2回メディアセミナー「『福島牛』その安全・安心と品質向上に向けた取り組み ― 繁殖・肥育農家の生産現場から ―」を、去る平成26年11月17日(月)に浅草ビューホテル(東京都台東区)で開催しました。新聞・雑誌記者、フリージャーナリスト、テレビ局の報道担当者など45名のメディア関係者を集め、ブランド復活を目指す「福島牛」について、風評の影響や安全・安心への取組み、生産者のこだわりなどについて紹介いたしました。
・満席となり関心の高さをうかがわせるセミナー会場
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_1.jpg
福島県では、原子力災害に伴う県産農林水産物の風評払拭を図るため「新生!ふくしまの恵み発信事業」を立ち上げ、『おいしいふくしま、できました。』をキャッチフレーズに、安全・安心への取組みとともに、ふくしまの豊かな自然と生産者のひたむきな思いが育む農林水産物の魅力やおいしさを、全国の消費者に向けて広く発信しています。本セミナーも、その趣旨に基づき行われたものです。
セミナー冒頭、主催者を代表して、福島県農林水産部農産物流通課 課長 金子 達也が、「『福島牛』は、震災前から県が誇るブランドですが、特に枝肉の取り引きにおいては、今なお低い評価に苦しんでいる。ぜひ、関係者や生産者の真摯な取り組みをご理解いただきたい」と挨拶してセミナーがスタートしました。
・県農産物流通課 金子課長
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_2.jpg
■全頭検査で安全性を確認して流通
最初のプログラムでは「福島県産肉用牛の概況と原発事故の影響」と題して、県畜産課 主任主査の矢内 清恭から、「福島牛」を出荷する全ての生産者の飼養状況を確認していること、県内外のと場と協力体制を構築し、放射性物質の全頭検査が行われ、「安全性が確認され流通していること」が強調されました。また、こうした取り組みにもかかわらず、「風評の影響が根強く残っている」ことも市場の取り引きデータとともに報告されました。
・県畜産課 矢内主任主査
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_3.jpg
■東京都中央卸売市場における全頭検査の様子をビデオで紹介
矢内主任主査から全頭検査についての説明があった後、東京都中央卸売市場食肉市場・芝浦と場で行われている実際の検査の様子がビデオで紹介されました。なお、同市場に出荷された福島県産の全ての肉用牛について、これまで基準値(100Bq/kg)を超える牛肉は、一切出荷されていないこともビデオの中で報告されました。
■JA担当者が語るブランド、
繁殖・肥育生産者が訴える「福島牛」にかける思い、
そして流通関係者が伝える「福島牛」の魅力
後半のプログラムでは、生産者や関係団体、流通業者にご登壇いただき、「福島牛」について、それぞれの立場から語っていただきました。
まず、はじめに登壇したのは、JA全農福島 畜産部の金澤 邦吉部長です。部長からは、「福島牛」が「県内で肥育・生産された(最長飼養地が福島県の)黒毛和牛」を指し、「霜降りの鮮やかな『福島牛』は豊かな自然と職人の技で大切に作り上げられた逸品」とのアピールがありました。
肉用牛については、母牛を飼育し子牛を産ませて9カ月間育てて市場に出す繁殖農家と、その子牛を仕入れて21カ月間肥育して出荷する肥育農家という2つのタイプの農家が、その生産を担っています。
県内で生産される黒毛和牛の子牛は、震災後も全国の平均取引価格を上回る高い評価を得ているのに対し、肥育された肉用牛(枝肉)は風評の影響を受け、他産地のものと比べると2〜3ランク下のものとほぼ同等の価格で取引きされています。このような状況を踏まえ、繁殖農家、肥育農家双方の生産者にご登壇いただき、その現状について語っていただきました。
・JA全農福島 金澤部長
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_4.jpg
○繁殖農家の声 良質な子牛を生産し続けることで風評払拭の一助に
――JAグループ和牛繁殖飼育者協議会 会長 山 富士雄氏
繁殖農家を代表して、JAグループ和牛繁殖飼育者協議会の山 富士雄会長からは、県産子牛の評価が高い理由として、「良質な血統(母牛と種牛)を研究し取り入れていること、福島の生産者は、みな、丁寧に子牛を育てていること、子牛のときに牧草やわらなど繊維質が中心となる飼料(粗飼料)を積極的に与えて胃袋を鍛え、大きい牛ではなく『大きく育つ牛』を飼育していること」などをあげていただきました。
さらに山会長からは、「これまで、肥育農家の方々が県産子牛を立派に肥育し、その評価を高めていただいてきたので、今の状況は非常に心苦しく思う。今後も良質な子牛を生産することで、少しでも風評払拭のお役に立ちたい」とのコメントがありました。
・JAグループ和牛繁殖飼育者協議会 会長 山 富士雄氏
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_5.jpg
○肥育農家の声 経済的にはトリプルパンチ
――JAグループ福島肉牛振興協議会 副会長 狗飼 功氏
○もう一度、牛飼いにロマンを求めたい
――JAグループ福島肉牛振興協議会 副会長 沼野 博氏
肥育農家の代表者として、JAグループ福島肉牛振興協議会副会長をつとめる狗飼 功氏と沼野 博氏にご登壇いただきました。
狗飼副会長からは、肥育のポイントとして、「1日に何度も牛舎に通い、とにかく牛をよく見ることが重要。体調を崩したり、怪我をした牛に対しては、なるべく早く対応しないといけない」と教えていただきました。また、風評の影響については、「子牛の仕入れ値が高騰し、以前は堆肥と交換で入手できた稲わらなども有料で調達しなければならず、その上、肉牛が安値で取り引きされるというトリプルパンチ」という苦しい状況が報告されました。
一方、沼野副会長からも風評について、「それは厳しいものがあります。ほとんど利益が出ない状況が続いている」との報告がありました。続けて沼野副会長は、「震災前は、もちろん儲かっていた時代もあり、利益が出れば牛舎を大きくして肥育頭数を増やし規模を拡大する。そして生産した牛が市場で高い評価を得るということが、牛飼いにとって大きなロマンだった。もう一度、面白い牛飼いをやりたい」という胸の内を吐露しました。
・JAグループ福島肉牛振興協議会 副会長 狗飼 功氏、沼野 博氏
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_6.jpg
○流通関係者の声“もも抜けがよい”のが「福島牛」の品質の証
―― 株式会社コシヅカ 代表取締役社長 腰塚 源一氏
流通関係者として最後に登壇したのは、株式会社コシヅカ 代表取締役社長 腰塚 源一氏。食肉の卸売業と精肉店を営む腰塚社長は、約30年前から福島県産の和牛を仕入れてきました。その魅力についてお伺いすると「何といっても肉質の良さがあげられます」と語り始めました。「“もも抜けがよい”というのですが、肩の肉質のよさがももの先まで続いていて全体的に良質な肉がとれるということが、『福島牛』の品質の証です」と腰塚社長。
「精肉店で『福島牛』のフェアをやっても、敬遠するお客さんはほとんどいない。われわれは牛を生産することはできないが、販売を通じて『福島牛』のブランド力向上に寄与したい」と語っていただきました。
・株式会社コシヅカ 代表取締役社長 腰塚 源一氏
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■セミナー終了後に「福島牛」の試食を提供、
その口溶けの良さをシェフも絶賛
セミナー終了後は会場内にて、「福島牛」のステーキを試食用として参加者に提供しました。調理した浅草ビューホテルのシェフからは、参加者に対して、「脂の融点が低く、口に入れるとサッと溶ける上質な肉」とそのおいしさを絶賛するコメントをいただきました。試食コーナーに用意した約80人分のステーキは、短時間で完食となりました。
・会場内に設置された「福島牛」試食コーナー
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_8.jpg
・満席となり関心の高さをうかがわせるセミナー会場
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_1.jpg
福島県では、原子力災害に伴う県産農林水産物の風評払拭を図るため「新生!ふくしまの恵み発信事業」を立ち上げ、『おいしいふくしま、できました。』をキャッチフレーズに、安全・安心への取組みとともに、ふくしまの豊かな自然と生産者のひたむきな思いが育む農林水産物の魅力やおいしさを、全国の消費者に向けて広く発信しています。本セミナーも、その趣旨に基づき行われたものです。
セミナー冒頭、主催者を代表して、福島県農林水産部農産物流通課 課長 金子 達也が、「『福島牛』は、震災前から県が誇るブランドですが、特に枝肉の取り引きにおいては、今なお低い評価に苦しんでいる。ぜひ、関係者や生産者の真摯な取り組みをご理解いただきたい」と挨拶してセミナーがスタートしました。
・県農産物流通課 金子課長
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_2.jpg
■全頭検査で安全性を確認して流通
最初のプログラムでは「福島県産肉用牛の概況と原発事故の影響」と題して、県畜産課 主任主査の矢内 清恭から、「福島牛」を出荷する全ての生産者の飼養状況を確認していること、県内外のと場と協力体制を構築し、放射性物質の全頭検査が行われ、「安全性が確認され流通していること」が強調されました。また、こうした取り組みにもかかわらず、「風評の影響が根強く残っている」ことも市場の取り引きデータとともに報告されました。
・県畜産課 矢内主任主査
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_3.jpg
■東京都中央卸売市場における全頭検査の様子をビデオで紹介
矢内主任主査から全頭検査についての説明があった後、東京都中央卸売市場食肉市場・芝浦と場で行われている実際の検査の様子がビデオで紹介されました。なお、同市場に出荷された福島県産の全ての肉用牛について、これまで基準値(100Bq/kg)を超える牛肉は、一切出荷されていないこともビデオの中で報告されました。
■JA担当者が語るブランド、
繁殖・肥育生産者が訴える「福島牛」にかける思い、
そして流通関係者が伝える「福島牛」の魅力
後半のプログラムでは、生産者や関係団体、流通業者にご登壇いただき、「福島牛」について、それぞれの立場から語っていただきました。
まず、はじめに登壇したのは、JA全農福島 畜産部の金澤 邦吉部長です。部長からは、「福島牛」が「県内で肥育・生産された(最長飼養地が福島県の)黒毛和牛」を指し、「霜降りの鮮やかな『福島牛』は豊かな自然と職人の技で大切に作り上げられた逸品」とのアピールがありました。
肉用牛については、母牛を飼育し子牛を産ませて9カ月間育てて市場に出す繁殖農家と、その子牛を仕入れて21カ月間肥育して出荷する肥育農家という2つのタイプの農家が、その生産を担っています。
県内で生産される黒毛和牛の子牛は、震災後も全国の平均取引価格を上回る高い評価を得ているのに対し、肥育された肉用牛(枝肉)は風評の影響を受け、他産地のものと比べると2〜3ランク下のものとほぼ同等の価格で取引きされています。このような状況を踏まえ、繁殖農家、肥育農家双方の生産者にご登壇いただき、その現状について語っていただきました。
・JA全農福島 金澤部長
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_4.jpg
○繁殖農家の声 良質な子牛を生産し続けることで風評払拭の一助に
――JAグループ和牛繁殖飼育者協議会 会長 山 富士雄氏
繁殖農家を代表して、JAグループ和牛繁殖飼育者協議会の山 富士雄会長からは、県産子牛の評価が高い理由として、「良質な血統(母牛と種牛)を研究し取り入れていること、福島の生産者は、みな、丁寧に子牛を育てていること、子牛のときに牧草やわらなど繊維質が中心となる飼料(粗飼料)を積極的に与えて胃袋を鍛え、大きい牛ではなく『大きく育つ牛』を飼育していること」などをあげていただきました。
さらに山会長からは、「これまで、肥育農家の方々が県産子牛を立派に肥育し、その評価を高めていただいてきたので、今の状況は非常に心苦しく思う。今後も良質な子牛を生産することで、少しでも風評払拭のお役に立ちたい」とのコメントがありました。
・JAグループ和牛繁殖飼育者協議会 会長 山 富士雄氏
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_5.jpg
○肥育農家の声 経済的にはトリプルパンチ
――JAグループ福島肉牛振興協議会 副会長 狗飼 功氏
○もう一度、牛飼いにロマンを求めたい
――JAグループ福島肉牛振興協議会 副会長 沼野 博氏
肥育農家の代表者として、JAグループ福島肉牛振興協議会副会長をつとめる狗飼 功氏と沼野 博氏にご登壇いただきました。
狗飼副会長からは、肥育のポイントとして、「1日に何度も牛舎に通い、とにかく牛をよく見ることが重要。体調を崩したり、怪我をした牛に対しては、なるべく早く対応しないといけない」と教えていただきました。また、風評の影響については、「子牛の仕入れ値が高騰し、以前は堆肥と交換で入手できた稲わらなども有料で調達しなければならず、その上、肉牛が安値で取り引きされるというトリプルパンチ」という苦しい状況が報告されました。
一方、沼野副会長からも風評について、「それは厳しいものがあります。ほとんど利益が出ない状況が続いている」との報告がありました。続けて沼野副会長は、「震災前は、もちろん儲かっていた時代もあり、利益が出れば牛舎を大きくして肥育頭数を増やし規模を拡大する。そして生産した牛が市場で高い評価を得るということが、牛飼いにとって大きなロマンだった。もう一度、面白い牛飼いをやりたい」という胸の内を吐露しました。
・JAグループ福島肉牛振興協議会 副会長 狗飼 功氏、沼野 博氏
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_6.jpg
○流通関係者の声“もも抜けがよい”のが「福島牛」の品質の証
―― 株式会社コシヅカ 代表取締役社長 腰塚 源一氏
流通関係者として最後に登壇したのは、株式会社コシヅカ 代表取締役社長 腰塚 源一氏。食肉の卸売業と精肉店を営む腰塚社長は、約30年前から福島県産の和牛を仕入れてきました。その魅力についてお伺いすると「何といっても肉質の良さがあげられます」と語り始めました。「“もも抜けがよい”というのですが、肩の肉質のよさがももの先まで続いていて全体的に良質な肉がとれるということが、『福島牛』の品質の証です」と腰塚社長。
「精肉店で『福島牛』のフェアをやっても、敬遠するお客さんはほとんどいない。われわれは牛を生産することはできないが、販売を通じて『福島牛』のブランド力向上に寄与したい」と語っていただきました。
・株式会社コシヅカ 代表取締役社長 腰塚 源一氏
http://www.atpress.ne.jp/releases/54743/img_54743_7.jpg
■セミナー終了後に「福島牛」の試食を提供、
その口溶けの良さをシェフも絶賛
セミナー終了後は会場内にて、「福島牛」のステーキを試食用として参加者に提供しました。調理した浅草ビューホテルのシェフからは、参加者に対して、「脂の融点が低く、口に入れるとサッと溶ける上質な肉」とそのおいしさを絶賛するコメントをいただきました。試食コーナーに用意した約80人分のステーキは、短時間で完食となりました。
・会場内に設置された「福島牛」試食コーナー
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