ふだんの料理「和食が多い・どちらかといえば和食が多い」家庭は2年前より5ポイントダウンして55.7%にだしは「だしパック」利用が34.9%と急増。和食復権の兆しか?!お箸がきちんと使えていると自信のある人は全体の4割
[15/11/17]
提供元:@Press
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2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されてからというもの、国内外の和食への関心は高まるばかり。その“和食”を食べているのは私たち日本人ですが、「はて、和食ってなんだろう」という疑問がわき起こる昨今の食卓事情。とんかつは?ハンバーグは? と突き詰めていくと、ますます現代日本の家庭料理がいかに世界的にみてユニークな様相を呈しているかがわかります。健康寿命を保つという点でも世界が注目し、伝えていきたい「和食」は今どうなっていて、将来どうなるのでしょうか。和食月間の11月を前に「オレンジページくらし予報」が調査したのは「家での食事」について。調査の主目的は「日本人は和食を食べているか、伝えているか」です。
【ダイジェスト】
日本の食卓。和食も食べているけれど、実はなんだかわからないものが多い?!
「だしパック」躍進。手軽に、でも、ちょっとこだわりたい人が増加し、和食伝承に明るい兆し
お箸は「まあ、使える」が1位の49.9%、家で必ず「いただきますと言う人」68.5%
日本の食卓。和食も食べているけれど、実はなんだかわからないものが多い?!
「一般家庭の料理」で世界一バリエーション豊富なのは日本、という評価を時折耳にしますが、この調査結果をみてもそれにはうなずけます。そもそも日本の食卓の定番「とんかつ」の元であるフランス料理の「コートレット」が日本に伝えられたのが明治時代、そこから100年以上を経て“日本の食卓の万国博覧会”傾向はさらに強まっているのではないでしょうか。ふだん作っている料理は、という問いに「どちらかと言えば和食が多い」と答えた人が38.7%、次に多かったのは「和洋中、どれとも言い切れないアレンジ料理が多い」という回答で25.8%。その実態はこの二つを合わせた「和食も食べているけれど、実はなんだかわからないものが多い」という状況なのでは? そんななか、「和食が多い」ときっぱりと答えた人は17.0%でした。が、「米飯を主食とする夕食の頻度を教えてください」という質問には「ほとんど毎日」と66.6%もの人が回答、「週に4〜5日くらい」の20.1%と合わせると86.7%。2013年調査で「ほとんど毎日・週に4〜5日くらい」は85.7%とほぼ同率。料理は無国籍化しても、日本の夕飯の主食はやはりお米であることは変わらない結果となりました。
「だしパック」躍進。手軽に、でも、ちょっとこだわりたい人が増加し、和食伝承に明るい兆し
農林水産省が試案としてまとめた「和食文化を構成する核となる要素とその周辺要素」は4つ。島国日本の気候風土に根差した「食材」、素材の味わいを活かす調味料や道具の「調味」、一汁三菜の献立、箸づかいやふるまい、美しい盛り付けなどの「食べ方」、そして行事や地域・家族と密接にかかわる「日本の伝統」がそれです。そもそもユネスコ無形文化遺産に認定された、ということは、これらの要素が「放っておいたらなくなる」と危惧されているのと同じ。今後の伝承においては「子ども」というワードがポイントになりそうです。というのも、その国の料理、味を伝承するためには幼いころからの味覚教育が必須だからです。とくに「だし」は和食の肝。アミノ酸やイノシン酸からなる「おいしい味」を作るスープストックは素材を変えて世界中にありますが、国によってだしの取り方が異なるため、初めて日本のだしを味わった外国人は“おいしいけれど、魚や昆布の「海臭さ」が苦手”、と感じるそう。風味や香りは後天的には慣れにくく、離乳食のころからかつお節や昆布、いりこやあごといった海産物からとる「日本のだし」教育が必要と言われるゆえんです。その「日本のだし」は世界一簡単に取れるスープストックと言われます。しかし、「だし」の現状を調査すべく投げかけた質問への答えは「だし」を顆粒だしでとっている人が62.4%と最も多数。かつお節などから自分でとる人は26.3%に留まりましたが、それでも2013年調査より6.5ポイントアップしています。何より注目すべきは「市販のだしパックを使ってとる」人が急増した点。前回調査の9.9%から今回調査では34.9%と3.5倍に急増しています。手軽に、でも、ちょっとこだわりたい人が増加したことは、和食伝承に明るい兆しと言えるのではないでしょうか。
お箸は「まあ、使える」が1位の49.9%、家で必ず「いただきます」と言う人68.5%
一粒の米も残さず食べ、上手にお魚の骨をとってきれいに食べることと、箸づかいの上手、下手は大いに関係します。そして、これらはすべて食べ物をいつくしみ、感謝し、食材を無駄にしない和食の礼儀の基盤です。が、その日本人のお家芸たるべき箸づかいにも危機が。「お箸のマナーを正しく身につけていますか?」の質問に「きちんと使えるし、家族にも教えられる」と答えた人は40.0%で、1位は「まあ使えるが、教えてあげられるほどではない」の49.9%でした。また、「お子さんにお箸の持ち方や食べ方を指導したり、食のマナーを教育していますか」の答えは47.5%が「なんとなく」、45.3%が「きちんと」指導している(いた)というものでした。正しい箸の使い方を教えること=和食のマナーを教えることとも言え、和食の伝承は単に料理や味だけではなく、「文化」の伝承であることがわかります。礼儀上の問題として、「いただきます」と言わない若者が増えたことも問題視されていることのひとつ。ですが、今回の調査では「いただきます」の挨拶を必ずする人が68.0%と、おばあちゃんやおじいちゃんを少しだけ安心させる結果になりました。
将来、日本の食卓はどのようになっているのでしょうか。「和食」は、「だし」は、「箸づかい」は、伝承されていくのでしょうか。今回の調査でふだんの料理は「和食が多い」とする層は2年前と比較して5ポイント減少したものの、主食は「米」が維持傾向。「自分でだしをとる」「だしパック利用」の増加から、今の時代なりに「和食」を食卓に取り入れようという機運が高まっているのでは、とくらし予報は読み取ります。
和食月間も残り半月弱に。この機会に、だしにこだわった一椀のみそ汁を味わいながら「和」について、次世代への伝え方について考えてみたいものです。
アンケート概要
●今回調査
対象:オレンジページくらし予報モニター会員・国内在住の女性(有効回答数1050人)
調査方法:インターネット調査 ●調査期間:2015年9月24日〜9月29日
●前回調査
対象:オレンジページくらし予報モニター会員・国内在住の女性(有効回答数1052人)
調査方法:インターネット調査 ●調査期間:2013年11月28日〜12月4日
●「オレンジページくらし予報」について
オレンジページくらし予報とは、オレンジページ社のモニターのなかでもアクティブな会員1万人の声を集めたリサーチ・コミュニティです。当社のモニターには、〈一般女性よりも「食意識」「生活全般に対する意識」が高い〉という特徴があります。くらし予報では、20代後半から50代の生活者が感じていることを引き出します。食意識を軸に対象者を6つのタイプに分類し、調査、比較検討することも可能です。 WEB上でのアンケート調査、キッチンスタジオ「オレンジページサロン」を利用した座談会など、ご相談に応じて展開いたします。
●『オレンジページ』について
失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊30周年を迎えた生活情報誌。30代〜40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=348,980部(2014年印刷証明書付発行部数)。
【ダイジェスト】
日本の食卓。和食も食べているけれど、実はなんだかわからないものが多い?!
「だしパック」躍進。手軽に、でも、ちょっとこだわりたい人が増加し、和食伝承に明るい兆し
お箸は「まあ、使える」が1位の49.9%、家で必ず「いただきますと言う人」68.5%
日本の食卓。和食も食べているけれど、実はなんだかわからないものが多い?!
「一般家庭の料理」で世界一バリエーション豊富なのは日本、という評価を時折耳にしますが、この調査結果をみてもそれにはうなずけます。そもそも日本の食卓の定番「とんかつ」の元であるフランス料理の「コートレット」が日本に伝えられたのが明治時代、そこから100年以上を経て“日本の食卓の万国博覧会”傾向はさらに強まっているのではないでしょうか。ふだん作っている料理は、という問いに「どちらかと言えば和食が多い」と答えた人が38.7%、次に多かったのは「和洋中、どれとも言い切れないアレンジ料理が多い」という回答で25.8%。その実態はこの二つを合わせた「和食も食べているけれど、実はなんだかわからないものが多い」という状況なのでは? そんななか、「和食が多い」ときっぱりと答えた人は17.0%でした。が、「米飯を主食とする夕食の頻度を教えてください」という質問には「ほとんど毎日」と66.6%もの人が回答、「週に4〜5日くらい」の20.1%と合わせると86.7%。2013年調査で「ほとんど毎日・週に4〜5日くらい」は85.7%とほぼ同率。料理は無国籍化しても、日本の夕飯の主食はやはりお米であることは変わらない結果となりました。
「だしパック」躍進。手軽に、でも、ちょっとこだわりたい人が増加し、和食伝承に明るい兆し
農林水産省が試案としてまとめた「和食文化を構成する核となる要素とその周辺要素」は4つ。島国日本の気候風土に根差した「食材」、素材の味わいを活かす調味料や道具の「調味」、一汁三菜の献立、箸づかいやふるまい、美しい盛り付けなどの「食べ方」、そして行事や地域・家族と密接にかかわる「日本の伝統」がそれです。そもそもユネスコ無形文化遺産に認定された、ということは、これらの要素が「放っておいたらなくなる」と危惧されているのと同じ。今後の伝承においては「子ども」というワードがポイントになりそうです。というのも、その国の料理、味を伝承するためには幼いころからの味覚教育が必須だからです。とくに「だし」は和食の肝。アミノ酸やイノシン酸からなる「おいしい味」を作るスープストックは素材を変えて世界中にありますが、国によってだしの取り方が異なるため、初めて日本のだしを味わった外国人は“おいしいけれど、魚や昆布の「海臭さ」が苦手”、と感じるそう。風味や香りは後天的には慣れにくく、離乳食のころからかつお節や昆布、いりこやあごといった海産物からとる「日本のだし」教育が必要と言われるゆえんです。その「日本のだし」は世界一簡単に取れるスープストックと言われます。しかし、「だし」の現状を調査すべく投げかけた質問への答えは「だし」を顆粒だしでとっている人が62.4%と最も多数。かつお節などから自分でとる人は26.3%に留まりましたが、それでも2013年調査より6.5ポイントアップしています。何より注目すべきは「市販のだしパックを使ってとる」人が急増した点。前回調査の9.9%から今回調査では34.9%と3.5倍に急増しています。手軽に、でも、ちょっとこだわりたい人が増加したことは、和食伝承に明るい兆しと言えるのではないでしょうか。
お箸は「まあ、使える」が1位の49.9%、家で必ず「いただきます」と言う人68.5%
一粒の米も残さず食べ、上手にお魚の骨をとってきれいに食べることと、箸づかいの上手、下手は大いに関係します。そして、これらはすべて食べ物をいつくしみ、感謝し、食材を無駄にしない和食の礼儀の基盤です。が、その日本人のお家芸たるべき箸づかいにも危機が。「お箸のマナーを正しく身につけていますか?」の質問に「きちんと使えるし、家族にも教えられる」と答えた人は40.0%で、1位は「まあ使えるが、教えてあげられるほどではない」の49.9%でした。また、「お子さんにお箸の持ち方や食べ方を指導したり、食のマナーを教育していますか」の答えは47.5%が「なんとなく」、45.3%が「きちんと」指導している(いた)というものでした。正しい箸の使い方を教えること=和食のマナーを教えることとも言え、和食の伝承は単に料理や味だけではなく、「文化」の伝承であることがわかります。礼儀上の問題として、「いただきます」と言わない若者が増えたことも問題視されていることのひとつ。ですが、今回の調査では「いただきます」の挨拶を必ずする人が68.0%と、おばあちゃんやおじいちゃんを少しだけ安心させる結果になりました。
将来、日本の食卓はどのようになっているのでしょうか。「和食」は、「だし」は、「箸づかい」は、伝承されていくのでしょうか。今回の調査でふだんの料理は「和食が多い」とする層は2年前と比較して5ポイント減少したものの、主食は「米」が維持傾向。「自分でだしをとる」「だしパック利用」の増加から、今の時代なりに「和食」を食卓に取り入れようという機運が高まっているのでは、とくらし予報は読み取ります。
和食月間も残り半月弱に。この機会に、だしにこだわった一椀のみそ汁を味わいながら「和」について、次世代への伝え方について考えてみたいものです。
アンケート概要
●今回調査
対象:オレンジページくらし予報モニター会員・国内在住の女性(有効回答数1050人)
調査方法:インターネット調査 ●調査期間:2015年9月24日〜9月29日
●前回調査
対象:オレンジページくらし予報モニター会員・国内在住の女性(有効回答数1052人)
調査方法:インターネット調査 ●調査期間:2013年11月28日〜12月4日
●「オレンジページくらし予報」について
オレンジページくらし予報とは、オレンジページ社のモニターのなかでもアクティブな会員1万人の声を集めたリサーチ・コミュニティです。当社のモニターには、〈一般女性よりも「食意識」「生活全般に対する意識」が高い〉という特徴があります。くらし予報では、20代後半から50代の生活者が感じていることを引き出します。食意識を軸に対象者を6つのタイプに分類し、調査、比較検討することも可能です。 WEB上でのアンケート調査、キッチンスタジオ「オレンジページサロン」を利用した座談会など、ご相談に応じて展開いたします。
●『オレンジページ』について
失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊30周年を迎えた生活情報誌。30代〜40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=348,980部(2014年印刷証明書付発行部数)。