サクソバンク、「2016年大胆予測」を発表
[15/12/17]
提供元:@Press
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デリバティブ取引の世界的大手であるサクソバンク(Saxo Bank A/S、デンマーク)の100%子会社であるサクソバンクFX証券は、サクソバンクの市場分析チームが執筆したレポート「2016年大胆予測(原題:Outrageous Predictions for 2016)」の邦訳版を発表しました。
この大胆予測は、実際には起こりえないかもしれませんが、現実に起こった場合は、世界市場に多大な影響を及ぼす10大テーマを取り上げたものです。来年の投資アイデアを練るうえで欠かせない、「想定外を予想する機会」を読者に提供します。
今回の大胆予測では、急落を続ける原油相場、ユニコーンと呼ばれる新興企業が注目を集めるシリコンバレー、さらにはリオ五輪の開催が予定されているブラジルなど、サクソバンクが投資機会を提供する広範な市場について言及しています。
2016年大胆予測の発表にあたり、サクソバンクのチーフエコノミスト兼最高運用責任者(CIO)であるスティーン・ヤコブセンは、日本の読者に向けて以下のコメントを寄せています。
「今回の大胆予測には、日本について直接言及する予測は含まれませんでした。しかし、日本を取り巻く経済及び政治環境に影響を与える予測として、以下の3つが挙げられます。
●原油価格一時100ドル回復
●エルニーニョ現象でインフレ発生
●ユーロ/ドルの行き先は「1.23」(ドル安)
アベノミクスは2%の経済成長と2%のインフレ目標を掲げましたが、ともに失敗に終わりました。経済における古いルールには「政策の成果を図る指標は一つにすべし」というものがありますが、このルールは安倍首相の試みを止めることはできず、成果はいまのところ乏しいと言わざるをえません。
●原油価格一時100ドル回復とドル安
日本の貿易分野では、円安と原油安により劇的な改善が見られます。貿易収支は、原油価格が10ドル下落するごとに0.3%改善しており、日本の貿易赤字は依然として赤字であるものの、原油価格が急落してからGDP対比で1.5%の改善がみられます。
原油価格が平均100ドルで推移しているときの貿易代金は、およそ年間17兆円でした。
仮に、私たちの原油相場における先行きと価格の予測が正しいとすれば、必然的にコスト高により、貿易におけるデータは悪化することになるでしょう。一方で、インフレーションは「改善」し、CPIも上昇することが予想されます。
上述の0.3%の改善を紐解いてみると、0.1%は原油安から、残りの0.2%は円安に起因していると試算できます。経済理論によれば、過去1年間において原油価格に影響を与えた要因は多方面に及ぶため、円安にも関わらずインフレーションが低下している現況は、原油価格に直接的な影響を与える要因よりも、間接的な影響を与える要因の方が影響の度合いが大きいと言えます。換言すれば、原油価格の上昇と円高は、インフレーションの上昇に寄与することでしょう。
ドル安に関する大胆予測は、ドル円相場ではなく、ユーロドル相場を示唆したものですが、私たちが分析からドル円を含めて「ドル安」の必要性を感じる一方で、ドル高の現状が続いているのは、日本の当局が意図的に「安定的な円安」に誘導しているからだと思います。
●干ばつとエルニーニョ現象
エルニーニョ現象は、農業に重大な影響を与える気象現象です。日本は食品の純輸入国ですが、影響の大部分はアジア諸国との貿易の低下という形で受けます。例えばインドネシアでは、労働人口の約半分が農業に携わっており、多くのアジア諸国で、食品はインフレーションバスケットの大部分を占める分野です。
IMFが発表した論文では、エルニーニョ現象によりインド、インドネシア、タイのインフレーションは0.5%〜0.9%程度上昇すると言及されており、それゆえ日本のように、バランスの取れたインフレを測る指標が少ないと言えます。
エルニーニョ現象の予測は難しいですが、2009年〜2010年にかけて発生した比較的穏やかなものでも、24,000名の命が犠牲となり、340億ドルの経済的損失をもたらしたことを忘れるべきではありません。
皆様の2016年の投資が、より豊かで実りの多いものとなることを願っています。」
チーフエコノミスト兼最高運用責任者(CIO)
スティーン・ヤコブセン
【2016年大胆予測】
1. ユーロ/ドルの行き先は「1.23」
2. ロシアルーブルは16年末までに20%上昇
3. シリコンバレーのユニコーンに吹く現実の風
4. リオ五輪がブラジル主導の新興国景気回復を加速
5. 民主党、米大統領選、議会選、ダブル圧勝
6. OPEC内部対立で、原油価格一時100ドル回復
7. 低迷が続く金を尻目に銀は33%高騰
8. 社債市場のメルトダウンの犯人はFRB
9. エルニーニョ現象でインフレ発生
10. 不平等是正で消える高級産業の最後の笑み
レポートはこちらからダウンロードできます(無料)。
URL: http://www.saxobank.co.jp/predictions2016/
【サクソバンクFX証券株式会社について】
社名 : サクソバンクFX証券株式会社
第一種金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第239号
商品先物取引業者 農林水産省 指令22総合第1352号
経済産業省 平成22・12・22商第6号
所在地 : 〒106-0041 東京都港区麻布台1-7-2 神谷町サンケイビル10F
加入団体: 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
URL : http://www.saxobank.co.jp
この大胆予測は、実際には起こりえないかもしれませんが、現実に起こった場合は、世界市場に多大な影響を及ぼす10大テーマを取り上げたものです。来年の投資アイデアを練るうえで欠かせない、「想定外を予想する機会」を読者に提供します。
今回の大胆予測では、急落を続ける原油相場、ユニコーンと呼ばれる新興企業が注目を集めるシリコンバレー、さらにはリオ五輪の開催が予定されているブラジルなど、サクソバンクが投資機会を提供する広範な市場について言及しています。
2016年大胆予測の発表にあたり、サクソバンクのチーフエコノミスト兼最高運用責任者(CIO)であるスティーン・ヤコブセンは、日本の読者に向けて以下のコメントを寄せています。
「今回の大胆予測には、日本について直接言及する予測は含まれませんでした。しかし、日本を取り巻く経済及び政治環境に影響を与える予測として、以下の3つが挙げられます。
●原油価格一時100ドル回復
●エルニーニョ現象でインフレ発生
●ユーロ/ドルの行き先は「1.23」(ドル安)
アベノミクスは2%の経済成長と2%のインフレ目標を掲げましたが、ともに失敗に終わりました。経済における古いルールには「政策の成果を図る指標は一つにすべし」というものがありますが、このルールは安倍首相の試みを止めることはできず、成果はいまのところ乏しいと言わざるをえません。
●原油価格一時100ドル回復とドル安
日本の貿易分野では、円安と原油安により劇的な改善が見られます。貿易収支は、原油価格が10ドル下落するごとに0.3%改善しており、日本の貿易赤字は依然として赤字であるものの、原油価格が急落してからGDP対比で1.5%の改善がみられます。
原油価格が平均100ドルで推移しているときの貿易代金は、およそ年間17兆円でした。
仮に、私たちの原油相場における先行きと価格の予測が正しいとすれば、必然的にコスト高により、貿易におけるデータは悪化することになるでしょう。一方で、インフレーションは「改善」し、CPIも上昇することが予想されます。
上述の0.3%の改善を紐解いてみると、0.1%は原油安から、残りの0.2%は円安に起因していると試算できます。経済理論によれば、過去1年間において原油価格に影響を与えた要因は多方面に及ぶため、円安にも関わらずインフレーションが低下している現況は、原油価格に直接的な影響を与える要因よりも、間接的な影響を与える要因の方が影響の度合いが大きいと言えます。換言すれば、原油価格の上昇と円高は、インフレーションの上昇に寄与することでしょう。
ドル安に関する大胆予測は、ドル円相場ではなく、ユーロドル相場を示唆したものですが、私たちが分析からドル円を含めて「ドル安」の必要性を感じる一方で、ドル高の現状が続いているのは、日本の当局が意図的に「安定的な円安」に誘導しているからだと思います。
●干ばつとエルニーニョ現象
エルニーニョ現象は、農業に重大な影響を与える気象現象です。日本は食品の純輸入国ですが、影響の大部分はアジア諸国との貿易の低下という形で受けます。例えばインドネシアでは、労働人口の約半分が農業に携わっており、多くのアジア諸国で、食品はインフレーションバスケットの大部分を占める分野です。
IMFが発表した論文では、エルニーニョ現象によりインド、インドネシア、タイのインフレーションは0.5%〜0.9%程度上昇すると言及されており、それゆえ日本のように、バランスの取れたインフレを測る指標が少ないと言えます。
エルニーニョ現象の予測は難しいですが、2009年〜2010年にかけて発生した比較的穏やかなものでも、24,000名の命が犠牲となり、340億ドルの経済的損失をもたらしたことを忘れるべきではありません。
皆様の2016年の投資が、より豊かで実りの多いものとなることを願っています。」
チーフエコノミスト兼最高運用責任者(CIO)
スティーン・ヤコブセン
【2016年大胆予測】
1. ユーロ/ドルの行き先は「1.23」
2. ロシアルーブルは16年末までに20%上昇
3. シリコンバレーのユニコーンに吹く現実の風
4. リオ五輪がブラジル主導の新興国景気回復を加速
5. 民主党、米大統領選、議会選、ダブル圧勝
6. OPEC内部対立で、原油価格一時100ドル回復
7. 低迷が続く金を尻目に銀は33%高騰
8. 社債市場のメルトダウンの犯人はFRB
9. エルニーニョ現象でインフレ発生
10. 不平等是正で消える高級産業の最後の笑み
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社名 : サクソバンクFX証券株式会社
第一種金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第239号
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経済産業省 平成22・12・22商第6号
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日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
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