没後45年に偉業達成!三島由紀夫のエンタメ小説『命売ります』が2015年 紀伊國屋書店新宿本店 文庫年間ランキング1位に
[16/01/21]
提供元:@Press
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株式会社筑摩書房(所在地:東京都台東区、代表取締役社長:山野浩一)が1998年に刊行した三島由紀夫『命売ります』(ちくま文庫)が、2015年紀伊國屋書店新宿本店文庫年間ランキング1位となりました。
三島由紀夫生誕90年・没後45年のメモリアルイヤーに刻まれたこの歴史的な快挙に、関係者の間でも驚きの声が上がっています。
『命売ります』は刊行から2015年6月までの17年間では累計発行部数4万部という静かな売れ行きで、三島由紀夫ファンの間でも“知る人ぞ知る”という作品でした。しかし出版社営業部員による「隠れた怪作小説 発見!」という手書き文字の新帯にして再展開を始めた2015年7月から一気に人気に火がつき、その後計22万部を重版。現在の累計発行部数は26万部を超えています。(2016年1月21日現在 26刷 累計26万6,200部)
<『命売ります』帯付き書影>
https://www.atpress.ne.jp/releases/87951/img_87951_3.jpg
紀伊國屋書店新宿本店では、『命売ります』にこの新帯が正規に付けられる前段階において、出版社の営業担当者が社内印刷で手作りした帯を巻き、いち早くテスト販売の実施を始めていました。著者の代表作である『金閣寺』『仮面の告白』などの横に並べて置いた直後から爆発的に売れ始めたため、店頭入り口のワゴン台を始め、店の全フロアでこの商品を展開するという異例の対応をとり、まさにこのブームの火付け役となっていました。
その後も、文豪の隠れた名作フェアを実施するなどしてブームを牽引し続け、1日だけで40冊を超える販売実績も記録(2015年9月27日)し、同店の『命売ります』累計販売冊数は4,500冊を超えています。(2016年1月21日現在)
<文庫年間売上ベスト100 第1位拡大写真>
https://www.atpress.ne.jp/releases/87951/img_87951_1.jpg
<文庫年間売上ベスト100 書店展開の様子>
https://www.atpress.ne.jp/releases/87951/img_87951_2.jpg
■紀伊國屋書店新宿本店コメント
古い販売データが残っていないため定かではありませんが、記憶にある限り、紀伊國屋書店新宿本店で三島由紀夫が文庫年間ランキング1位となるのは初めてのことだと思います。代表作ですら成し得なかったのに、刊行から17年も経っていた、いわば三島の隠れた作品でこのような結果になったことは当事者としても驚きです。今回は2位とは1,000冊以上も差の出た、文句なしの1位でした。文豪・三島由紀夫の名前が、映画化やドラマ化されるわけでもなく、2015年の文庫年間ランキングを獲得したということは「事件」と言えるかもしれません。
購買層は30代〜40代が中心ですが、三島由紀夫を今まであまり読んだことのなかった若い方からの支持もあったのが、今回の結果の大きな要因だと思います。“あの三島”に、こんな“面白い作品”があったのか!というギャップの驚きが口コミで広がっていったのだと思います。なぜ今、三島?と思われるかも知れませんが、この作品を読んでもらえたら“今だから”ということに納得してもらえると思います。(紀伊國屋書店新宿本店 石井さん)
■読者の声
・怪作再発掘〜と書店で積まれていたので暇つぶしに買ってみた。そうしたところ、とんでもない面白さで、食事中・電車で移動中・ちょっとした空き時間を縫うように1日で読みました。こんなに夢中になれたのは数年ぶりかも。友人はじめすすめまくっています!(30代男性)
・かまえることなく、ただただ文章を読みすすめられる作品。実はこういった作品こそ、筆者の力量が存分に発揮されているのではないだろうか。力作・大作だと肩肘張ってて疲れちゃう。(30代男性)
・三島の印象がガラリと変わった!四半世紀も前の作品だなんて信じられないくらいのしっくり感。「いま1番面白い」ってことならコレがダントツです。(30代男性)
・代表作というわけではないが、オモシロイということではこれがイチオシ。半世紀近く経って再読したが、風俗描写もストーリーも全く古びていないことに驚かされた。サブカルチャーや流行にも敏感であった三島は、「永すぎた春」や「よろめき」といった流行語の創出にもひと役かっているが、この作品では「サイケデリック冒険小説」を試みようとしたらしい。三島は、エンタメ小説を書くに当たっても決して手抜きをしなかっためずらしい作家であるが、この作品も例外ではない。文章の装飾や警句こそ控えめなのだが…。この作品は、ストーリーそのものがアイロニーになっていて、如何にも「三島由紀夫の世界」である。三島の死生観も窺える。(60代男性)
・非常に今日的なテーマで、かつエンターテイメントとして楽しめました。(60代女性)
■『命売ります』内容紹介
目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ…。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくない―。三島の考える命とは。
『命売ります』は1968年(昭和43年)、『週刊プレイボーイ』に連載された長編小説です。物語は自殺に失敗した男が「命売ります」と新聞広告を出すところから始まり、それを利用しようとする人間が次々に現れては騒動を起こしていきます。
従来の三島作品のイメージを覆すような軽いタッチとスリリングな展開に引き込まれ一気読みしてしまう、極上のエンタメ小説です。特に、心変わりしていく男の心理描写や痛烈な皮肉は、さすが三島、と言いたくなる完成度を誇っています。さらに、三島本人がこの2年後に自ら死を選んでいるということを考えて読むと、より一層の奥行きをもった読後感が体験できるかもしれません。
■『命売ります』ちくま文庫
刊行日 :1998年2月
ページ数 :269
定価 :本体680円+税
ISBN :9784480033727
解説 :種村季弘
カバー装画:山本容子
三島由紀夫生誕90年・没後45年のメモリアルイヤーに刻まれたこの歴史的な快挙に、関係者の間でも驚きの声が上がっています。
『命売ります』は刊行から2015年6月までの17年間では累計発行部数4万部という静かな売れ行きで、三島由紀夫ファンの間でも“知る人ぞ知る”という作品でした。しかし出版社営業部員による「隠れた怪作小説 発見!」という手書き文字の新帯にして再展開を始めた2015年7月から一気に人気に火がつき、その後計22万部を重版。現在の累計発行部数は26万部を超えています。(2016年1月21日現在 26刷 累計26万6,200部)
<『命売ります』帯付き書影>
https://www.atpress.ne.jp/releases/87951/img_87951_3.jpg
紀伊國屋書店新宿本店では、『命売ります』にこの新帯が正規に付けられる前段階において、出版社の営業担当者が社内印刷で手作りした帯を巻き、いち早くテスト販売の実施を始めていました。著者の代表作である『金閣寺』『仮面の告白』などの横に並べて置いた直後から爆発的に売れ始めたため、店頭入り口のワゴン台を始め、店の全フロアでこの商品を展開するという異例の対応をとり、まさにこのブームの火付け役となっていました。
その後も、文豪の隠れた名作フェアを実施するなどしてブームを牽引し続け、1日だけで40冊を超える販売実績も記録(2015年9月27日)し、同店の『命売ります』累計販売冊数は4,500冊を超えています。(2016年1月21日現在)
<文庫年間売上ベスト100 第1位拡大写真>
https://www.atpress.ne.jp/releases/87951/img_87951_1.jpg
<文庫年間売上ベスト100 書店展開の様子>
https://www.atpress.ne.jp/releases/87951/img_87951_2.jpg
■紀伊國屋書店新宿本店コメント
古い販売データが残っていないため定かではありませんが、記憶にある限り、紀伊國屋書店新宿本店で三島由紀夫が文庫年間ランキング1位となるのは初めてのことだと思います。代表作ですら成し得なかったのに、刊行から17年も経っていた、いわば三島の隠れた作品でこのような結果になったことは当事者としても驚きです。今回は2位とは1,000冊以上も差の出た、文句なしの1位でした。文豪・三島由紀夫の名前が、映画化やドラマ化されるわけでもなく、2015年の文庫年間ランキングを獲得したということは「事件」と言えるかもしれません。
購買層は30代〜40代が中心ですが、三島由紀夫を今まであまり読んだことのなかった若い方からの支持もあったのが、今回の結果の大きな要因だと思います。“あの三島”に、こんな“面白い作品”があったのか!というギャップの驚きが口コミで広がっていったのだと思います。なぜ今、三島?と思われるかも知れませんが、この作品を読んでもらえたら“今だから”ということに納得してもらえると思います。(紀伊國屋書店新宿本店 石井さん)
■読者の声
・怪作再発掘〜と書店で積まれていたので暇つぶしに買ってみた。そうしたところ、とんでもない面白さで、食事中・電車で移動中・ちょっとした空き時間を縫うように1日で読みました。こんなに夢中になれたのは数年ぶりかも。友人はじめすすめまくっています!(30代男性)
・かまえることなく、ただただ文章を読みすすめられる作品。実はこういった作品こそ、筆者の力量が存分に発揮されているのではないだろうか。力作・大作だと肩肘張ってて疲れちゃう。(30代男性)
・三島の印象がガラリと変わった!四半世紀も前の作品だなんて信じられないくらいのしっくり感。「いま1番面白い」ってことならコレがダントツです。(30代男性)
・代表作というわけではないが、オモシロイということではこれがイチオシ。半世紀近く経って再読したが、風俗描写もストーリーも全く古びていないことに驚かされた。サブカルチャーや流行にも敏感であった三島は、「永すぎた春」や「よろめき」といった流行語の創出にもひと役かっているが、この作品では「サイケデリック冒険小説」を試みようとしたらしい。三島は、エンタメ小説を書くに当たっても決して手抜きをしなかっためずらしい作家であるが、この作品も例外ではない。文章の装飾や警句こそ控えめなのだが…。この作品は、ストーリーそのものがアイロニーになっていて、如何にも「三島由紀夫の世界」である。三島の死生観も窺える。(60代男性)
・非常に今日的なテーマで、かつエンターテイメントとして楽しめました。(60代女性)
■『命売ります』内容紹介
目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ…。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくない―。三島の考える命とは。
『命売ります』は1968年(昭和43年)、『週刊プレイボーイ』に連載された長編小説です。物語は自殺に失敗した男が「命売ります」と新聞広告を出すところから始まり、それを利用しようとする人間が次々に現れては騒動を起こしていきます。
従来の三島作品のイメージを覆すような軽いタッチとスリリングな展開に引き込まれ一気読みしてしまう、極上のエンタメ小説です。特に、心変わりしていく男の心理描写や痛烈な皮肉は、さすが三島、と言いたくなる完成度を誇っています。さらに、三島本人がこの2年後に自ら死を選んでいるということを考えて読むと、より一層の奥行きをもった読後感が体験できるかもしれません。
■『命売ります』ちくま文庫
刊行日 :1998年2月
ページ数 :269
定価 :本体680円+税
ISBN :9784480033727
解説 :種村季弘
カバー装画:山本容子