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ガセリ菌ヨーグルト、大麦ごはんが注目株機能性表示食品 専門家が選ぶ!2016年注目成分

 2015年4月から消費者庁は機能性表示食品制度を開始。これまでに273件もの届出受理がなされ(2016年3月30日時点)、機能性の表示が認められています。各社がこぞって申請に行列をなす機能性表示食品ですが、業界関係者の中ではどのような食品や成分に注目が集まっているなか、これから期待の高まる成分とは?専門家も注目する機能性表示食品についてご紹介いたします。

■注目すべき3大成分は・・・
 近日機能性表示食品の届出が受理されている商品を見てみると、新商品といえども既に以前受理されたものと同様の成分を使ったものが多く、そういった商品はあまり販売を伸ばせていないものが多い印象です。また、トクホと同じ機能・成分で機能性表示を取得しているものについても、トクホで認められている範囲を超えない範囲でしか訴求ができないため、あまりメリットがないのが現実です。
 しかし、トクホでは言えなかったクレームが機能性表示で言えるようになった場合は印象的な商品アピールに繋がるので、機能性表示の受理の意義は大きいでしょう。
 例えば、乳酸菌、ビフィズス菌などの“菌”に関する商品はトクホとしても売れ筋でしたが、機能性表示食品への届出でトクホでは認められていなかった「体脂肪が気になる方に」というクレームを乳酸菌で取得できているケースがあります。雪印のヨーグルト メグミルク 恵に入っているガセリ菌がそれに当たります。“菌”に関して認知度の高い整腸作用などにとどまらず、人気の高いダイエットへのメリットをより強く打ち出していけるので、今後の販売促進に直結するとみています。機能性表示食品市場の中でもヨーグルト製品は非常に広いシェアを占めており、年間3500〜3800億円の市場であるといわれています。その市場の中で、新商品の割合は約1割。つまり、新しい機能性をもった商品が出ると、一気に300〜400億円を売り上げる商品になることが予想されます。他の機能性表示食品と比較しても桁が違うので、そういった意味ではヨーグルトの中でも新しいクレームができるものが今後も注目を集めるのではないでしょうか。
https://www.atpress.ne.jp/releases/92924/img_tmp_2.png
 また既存の受理成分と同じ機能クレームをしている商品でも、成分自体に独自性のあるものは注目。例えば、「糖の吸収を抑える」「おなかの調子を整える」というクレームをしている機能性表示食品は多くありますが、成分の名称自体が既視感のある、真新しさに欠けるものだと苦戦する傾向にあります。注目すべきは、トクホ認可成分ではなかった、機能性表示食品において新たに機能表示が認められた成分。例えば、 「糖の吸収を抑える」「コレステロールを低下させる」「おなかの調子を整える」という機能が認められている大麦β-グルカン。大塚製薬の「大麦生活」大麦ごはんというレトルトパックのごはんが機能性表示を認められたことを皮切りに、複数商品の認可が進んでいます。大麦という天然の食材自体の機能が認められているということもちょっと興味深いです。日本ではまだ始まっていませんが、大麦はヨーロッパ全域とアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでは健康強調表示が認められており、日本においてもその機能性の浸透が加速度的に進む可能性を秘めています。

 ほかに期待したいのは美容成分の分野。スキンケアの機能性表示食品は比較的少なく、キューピーの「ヒアロモイスチャー240」のように肌の保湿を訴求する機能のものしか認められていません。女性に一番人気の分野であることは間違いないので、多様な機能性クレームが生まれていくことで市場が活性化すると考えます。
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■今後新成分の受理が期待される注目5ジャンル
これから注目すべきは「目」、「ひざ関節」、「睡眠・メンタル」、「疲労」、「免疫系」の5ジャンルです。
 世界的に見ても、アイケアは新分野。成分としてはルテインやアスタキサンチンといったものが出てきています。
 「ひざ関節」について、グルコサミン、コラーゲンという成分はよく知られていると思いますが、機能性表示として初めて言えるヘルスクレームであるため、さらに注目されるジャンルとなるかもしれません。
 「睡眠・メンタル」はグリシン、テアニンなどの成分になりますが、この成分を含んだ食品で効き目を大きく実感できるものが出たら面白い分野といえます。「疲労」はテアニン、ギャバという成分が注目株ですが、これらは血管を拡張する構造を持つため、冷えにも効くといわれています。
 「免疫系」については、直接“免疫を高める”とクレームできる商品は出てきておらず、“目や鼻の不快感”という訴求に留まっています。“免疫を高める”とクレームできる成分や商品が出てくると、注目できる分野となりそうです。
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◆ガセリ菌SP株
 ガセリ菌SP株は乳酸菌の一種で、悪玉菌を抑え腸内環境を整える善玉菌。胃酸や胆汁に強いため、生きたまま腸に届いて定住することが確認されており、また日本人由来の菌であるため、馴染みやすいといわれています。整腸作用が期待できるほか、体脂肪の増加を抑える機能があります。 
出典:雪印メグミルク 「ガセリ菌SP株」長くとどまる乳酸菌 商品ページ
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◆大麦β-グルカン
 大麦β-グルカンとは食物繊維の1種で、大麦に多く含まれ
る成分。水に溶ける水溶性食物繊維で、糖の吸収を緩やかにする効果があり、食後の血糖値上昇を抑制するので低GI(Glycemic Index)食品として話題です。さらに、強い粘性でコレステロールを吸着・排出。善玉菌のエサになるなどの働きもし、免疫系をコントロールしているとも言われる話題の腸内フローラ(腸内細菌叢)の善玉菌比率改善にも繋がります。
 大麦β-グルカンを含む食品の摂取により、糖質の吸収が53%の抑制されることが報告されています。また、朝食に大麦を食べると、朝食の直後だけでなく、昼食や夕食の糖質吸収を抑制することも分かってきました。最初に食べたもの(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の血糖値にも影響を及ぼすこの持続作用は「セカンドミール効果」と呼ばれており、ある研究では朝食に大麦を摂取した被験者の昼食後の糖質の吸収が、白小麦パンを摂取した被験より44%も抑制されたという結果も出ています。
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◆メチル化カテキン
 メチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)は紅富貴(べにふうき)という茶品種に多く含まれる成分で、ハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減することが報告されています。アレルギーを抑制する可能性があり、花粉症対策としてもその効果に近年期待が高まっています。
出典:アサヒ飲料 めめはな茶の機能HP
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■まだまだ低い、機能性表示食品についての消費者の認知度
 一般消費者700名を対象にアンケート調査を行ったところ、機能性表示食品について「明確に知っている」と答えたのは28名に留まり、全体の4%しか正確に認識していないということが分かりました。男女で比較すると、「明確に知っている」または「なんとなく知っている」と答えたのは男性が151人であったのに対し、女性は181人で、さらに「名称をアンケートで初めて知った」と答えたのは男性が63人であったのに対し、女性は39人でした。この結果から、名称自体への認知は女性のほうが比較的高いということが明らかになりました。
 また、機能性表示食品を認知している人の数を年代別に比較すると、10代が圧倒的に低く、60代・70代の健康に関心の高いとされるシニア世代の数が最も高くなりました。また、20代も50代と並んで3番目に数値が高い年代だったことから、若い世代でも徐々に浸透してきているということが伺えます。
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 また、機能性表示の対象となる成分についての認知度を調べたところ、ビフィズス菌527人、ラクトフェリン346人、ルテイン211人の順に認知度が高かったものの、その他の成分(難消化デキストリン、ヒアルロン酸Na、アスタキサンチン、大麦β-グルカンなど)については、全て3割を下回る結果となりました。また、さらに各成分の機能まで知っているか尋ねると、全ての成分への認知が大幅に下がり、成分名称認知とあわせ、機能の認知獲得をすることがメーカー各社の今後の課題と言えそうです。それぞれの成分を含む食品の購入経験については、ビフィズス菌製品が圧倒的多数。また、700人中313人(44.7%)がなんらかの機能性表示食品の購入経験がありました。
https://www.atpress.ne.jp/releases/92924/img_tmp_8.png

【参考情報】
■機能性表示食品とは
機能性を表示することができる食品は、これまで国が個別に許可した特定保健用食品(トクホ)と国の規格基準に適合した栄養機能食品に限られていました。そこで、機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者の皆さんがそうした商品の正しい情報を得て選択できるよう、平成27年4月に、新しく「機能性表示食品」制度がはじまりました。
https://www.atpress.ne.jp/releases/92924/img_92924_9.png

特定保健用食品(トクホ)・・・健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。
 
栄養機能食品・・・一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。
 
機能性表示食品・・・事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。
 
機能性表示食品の表示内容
・ パッケージの主要な面に「機能性表示食品」
・ 一日に摂取する量の目安、摂取方法、注意事項
・ 届出番号、消費者庁長官に届け出た内容
・ 事業者への問合せ電話番号
・ 一日当たりの摂取目安量を摂取した場合、どのくらいの機能性関与成分が摂取できるか
※「機能性表示食品」は、医薬品ではありません。疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病のある方、薬を服用されている方は、必ず医師、薬剤師にご相談ください。
※疾病のある方、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している方を含む)、授乳中の方を対象に開発された食品ではありません。
※主食、主菜、副菜がそろっていると、色々な栄養素をバランスよく摂取することにつながります。
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