機能性脂肪酸「HYA」に血糖値を改善する働きがあることを発表
[16/03/29]
提供元:@Press
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医薬品の製造販売を手掛ける日東薬品工業株式会社(本社:京都府向日市、代表取締役社長:北尾 哲郎、以下:日東薬品)は、東京農工大学大学院農学研究院(以下:東京農工大)木村 郁夫テニュアトラック特任准教授、宮本 潤基研究員との共同研究で、機能性脂肪酸10-ヒドロキシ-シス-12-オクタデセン酸(以下:HYA)に腸管ホルモンであるGLP-1[*1]の分泌を促進する作用があることを確認しました。GLP-1はすい臓からのインスリン[*2]分泌を促進することから、HYAに血糖値を改善する効果があることが期待されます。
本研究結果について、2016年3月27日(日)〜30日(水)に実施されている日本農芸化学会2016年度大会のランチョンセミナーと一般講演にて発表し、東京農工大 同研究員の一般講演が、全演題の中から選出されるトピックス賞にノミネートされました。
日東薬品ホームページ
http://www.nitto-pharma.co.jp/
機能性脂肪酸HYA
https://www.atpress.ne.jp/releases/96170/img_96170_1.jpg
■機能性脂肪酸HYAとは
HYAは植物油に乳酸菌を加えて、植物油中のリノール酸を変換させることで作られるシス型のオメガ6脂肪酸[*3]であり、腸の炎症を抑える効果、肝臓への脂肪蓄積を抑制する効果など、健康に有益な様々な作用があることを確認しています。
この度、東京農工大との共同研究で、HYAが腸管ホルモンであるGLP-1の分泌を促進させることを新たに確認しました。GLP-1は、すい臓からのインスリン分泌を促進することから、HYAに血糖値を改善する効果があることが期待されます。またこの度の実験で、HYAに食欲を抑制するホルモンPYY[*4]の分泌を促進させる働きがあることについても確認しており、肥満を抑制する効果も期待できます。
メタボリックシンドローム、血糖値の異常など、生活習慣病を患う一歩手前の状態にある人々の健康状態の改善にHYAが役立つ可能性があり、日東薬品はこの機能を生かした食品を平成31年度に実用化することを目指しています。
■実験結果
HYAをマウスに経口投与した結果、リノール酸と比較して以下の効果を確認しました。
・血中のインスリン量が増加
・血中のGLP-1量が増加
・血中のPYY量が増加
グラフ1:血中のインスリン量
https://www.atpress.ne.jp/releases/96170/img_96170_2.jpg
グラフ2:血中のGLP-1量
https://www.atpress.ne.jp/releases/96170/img_96170_3.jpg
■HYAが血糖値を改善するメカニズム
HYAが腸管に存在する脂肪酸受容体(GPR40[*5]とGPR120[*6])を直接刺激すると、腸管から腸管ホルモンであるGLP-1が分泌されます。GLP-1によってインスリンの分泌が促進されることで、血糖値が改善されると考えられます。HYAは、リノール酸などの他の脂肪酸と比較し、脂肪酸受容体に強く働きかけることができ、GLP-1を多く作り出すことが可能です。
以上の研究結果から、血糖値の異常や肥満の改善にHYAが役立つ可能性があると考えられます。日東薬品は引き続き、HYAが持つ健康に有益な効果の研究に取り組むとともに、機能性食品や医薬品分野での実用化を目指します。
■注釈
[*1] GLP-1
グルカゴン様ペプチド-1のこと。インスリンの分泌を促進するホルモン(インクレンチン)の一種で、小腸から分泌されます。
[*2] インスリン
すい臓から出るホルモンの一種で、血糖値を調節する働きがあります。食後に増加した血糖は、インスリンの働きによって、エネルギーとして利用されたり、臓器に蓄えられたりと速やかに処理されます。
[*3] オメガ6脂肪酸
脂肪酸のメチル末端から6位の炭素に二重結合を持つ脂肪酸。
[*4] PYY
ペプチドホルモンの一種で、食欲を抑制する働きをします。食後に腸管から分泌され、血液を介して脳へ移行し食欲抑制作用を示します。
[*5] GPR40(G protein-coupled receptor 40)
主にすい臓や腸管に発現している膜タンパク質で、中鎖〜長鎖脂肪酸の刺激によって活性化され、インスリンや腸管ホルモンの分泌を促します。
[*6] GPR120(G protein-coupled receptor 120)
主に腸管に発現している膜タンパク質で、長鎖脂肪酸の刺激によって活性化され、腸管ホルモンの分泌を促します。
■会社概要
名称 : 日東薬品工業株式会社
所在地 : 京都府向日市上植野町南開35-3
代表者 : 代表取締役社長 北尾 哲郎
事業内容: 医薬品の研究開発、製造販売、機能性食品の研究開発
URL : http://www.nitto-pharma.co.jp/
本研究結果について、2016年3月27日(日)〜30日(水)に実施されている日本農芸化学会2016年度大会のランチョンセミナーと一般講演にて発表し、東京農工大 同研究員の一般講演が、全演題の中から選出されるトピックス賞にノミネートされました。
日東薬品ホームページ
http://www.nitto-pharma.co.jp/
機能性脂肪酸HYA
https://www.atpress.ne.jp/releases/96170/img_96170_1.jpg
■機能性脂肪酸HYAとは
HYAは植物油に乳酸菌を加えて、植物油中のリノール酸を変換させることで作られるシス型のオメガ6脂肪酸[*3]であり、腸の炎症を抑える効果、肝臓への脂肪蓄積を抑制する効果など、健康に有益な様々な作用があることを確認しています。
この度、東京農工大との共同研究で、HYAが腸管ホルモンであるGLP-1の分泌を促進させることを新たに確認しました。GLP-1は、すい臓からのインスリン分泌を促進することから、HYAに血糖値を改善する効果があることが期待されます。またこの度の実験で、HYAに食欲を抑制するホルモンPYY[*4]の分泌を促進させる働きがあることについても確認しており、肥満を抑制する効果も期待できます。
メタボリックシンドローム、血糖値の異常など、生活習慣病を患う一歩手前の状態にある人々の健康状態の改善にHYAが役立つ可能性があり、日東薬品はこの機能を生かした食品を平成31年度に実用化することを目指しています。
■実験結果
HYAをマウスに経口投与した結果、リノール酸と比較して以下の効果を確認しました。
・血中のインスリン量が増加
・血中のGLP-1量が増加
・血中のPYY量が増加
グラフ1:血中のインスリン量
https://www.atpress.ne.jp/releases/96170/img_96170_2.jpg
グラフ2:血中のGLP-1量
https://www.atpress.ne.jp/releases/96170/img_96170_3.jpg
■HYAが血糖値を改善するメカニズム
HYAが腸管に存在する脂肪酸受容体(GPR40[*5]とGPR120[*6])を直接刺激すると、腸管から腸管ホルモンであるGLP-1が分泌されます。GLP-1によってインスリンの分泌が促進されることで、血糖値が改善されると考えられます。HYAは、リノール酸などの他の脂肪酸と比較し、脂肪酸受容体に強く働きかけることができ、GLP-1を多く作り出すことが可能です。
以上の研究結果から、血糖値の異常や肥満の改善にHYAが役立つ可能性があると考えられます。日東薬品は引き続き、HYAが持つ健康に有益な効果の研究に取り組むとともに、機能性食品や医薬品分野での実用化を目指します。
■注釈
[*1] GLP-1
グルカゴン様ペプチド-1のこと。インスリンの分泌を促進するホルモン(インクレンチン)の一種で、小腸から分泌されます。
[*2] インスリン
すい臓から出るホルモンの一種で、血糖値を調節する働きがあります。食後に増加した血糖は、インスリンの働きによって、エネルギーとして利用されたり、臓器に蓄えられたりと速やかに処理されます。
[*3] オメガ6脂肪酸
脂肪酸のメチル末端から6位の炭素に二重結合を持つ脂肪酸。
[*4] PYY
ペプチドホルモンの一種で、食欲を抑制する働きをします。食後に腸管から分泌され、血液を介して脳へ移行し食欲抑制作用を示します。
[*5] GPR40(G protein-coupled receptor 40)
主にすい臓や腸管に発現している膜タンパク質で、中鎖〜長鎖脂肪酸の刺激によって活性化され、インスリンや腸管ホルモンの分泌を促します。
[*6] GPR120(G protein-coupled receptor 120)
主に腸管に発現している膜タンパク質で、長鎖脂肪酸の刺激によって活性化され、腸管ホルモンの分泌を促します。
■会社概要
名称 : 日東薬品工業株式会社
所在地 : 京都府向日市上植野町南開35-3
代表者 : 代表取締役社長 北尾 哲郎
事業内容: 医薬品の研究開発、製造販売、機能性食品の研究開発
URL : http://www.nitto-pharma.co.jp/