GfK Japan調べ 実売より見るBlu-rayソフト市場の現状 Eコマースが牽引、年末は50億円市場に
[08/11/28]
提供元:@Press
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ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、全国の有力DVDソフト取扱店、家電量販店、Eコマース等の実売実績を基に、Blu-rayソフトの実売動向を発表した。
【概要】
・ Blu-rayソフトは対前年同期比で三桁成長を維持
・ ジャンル別では「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速
・ チャネル別ではアニメ効果によりEコマースが牽引
・ 年末にはBlu-rayソフトは50億円市場へ成長の見込み
【Blu-rayソフトの実売は、対前年同期比で三桁成長を維持】
2008年1〜9月期のBlu-rayソフト市場規模は68万枚、38億円で、対前年比が数量ベースで357%、金額ベースで373%となり、三桁成長を続けている。
また、DVDソフト全体市場におけるBlu-rayソフトの金額構成比が、1月0.9%⇒9月3.8%に成長、着実に構成比は拡大してきている。タイトル数も9月期時点で500タイトルを超えた。
【「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速】
2008年1〜9月期までのBlu-rayソフトジャンル構成比をみると、「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速している。とくに7月以降、バンダイビジュアル社がBlu-rayソフトの発売を拡大してからは「邦アニメ」が急増し、9月期単月では金額構成比で64%にまで上っている(図1)。同社は新作・旧作を合わせて、毎月10タイトル前後の発売を予定しており、「邦アニメ」の勢いは今後も続くと予測される。
タイトルの数では過半数を占めながら、一時的には押されている「洋画」も、強力タイトルを有するパラマウント社とユニバーサル・ピクチャーズ社の発売が決定。年末にかけて攻勢をかけてくることは確実で、「洋画」「邦アニメ」の2ジャンルが市場を牽引するという構図は、しばらく継続する見込みである。
一方、依然として様子見の感が強い「邦画」だが、興行が好調の東宝が、ようやく10月末に「スウィングガールズ」などの劇場公開作品をBlu-ray化。
他邦画メーカーのBlu-ray参入計画のベンチマークとなるだろう。
図1: Blu-rayソフトジャンル別金額構成比と邦アニメ実売タイトル数ジャンル別金額構成比の規格別比較
【チャネル別構成比は、アニメ効果でEコマースが一歩リード】
図2と図3のグラフは、当社が調査するメディアストア・家電量販店・Eコマース(以下 EC)のチャネル別金額構成比を表している。図2で明らかなように、2008年1〜9月の全Blu-rayソフトのチャネル別金額構成比を見ると、ECが頭一つリードした形である。
ECチャネル拡大の要因のひとつとしては、アニメ作品の躍進が挙げられる。
邦アニメが一気に構成比を伸ばした2008年7〜9月では、同ジャンルにおけるEC金額構成比は66%にのぼる(図3)。「洋画」は各チャネルの構成比にあまり差がない為、「邦アニメ」がいかにECを牽引しているかが顕著であることがわかる。
図2: 全Blu-rayソフトチャネル別金額構成比(1〜9月期)
図3:「邦アニメ」「洋画」Blu-rayソフトチャネル別金額構成比(7〜9月期)
【年末の50億円市場への成長は、達成の見込み】
今年末までの市場規模の当社予測として、7月1日発表の当社プレスリリースで50億円市場への成長の可能性を見込んだが、その達成はほぼ見えてきたといえる。Blu-rayによってその効果が引き立つVFX(ビジュアル・エフェクツ)を多用した洋画大作は、1タイトルの販売数量のうち10%以上をBlu-ray版が占める場合もある。急増する「邦アニメ」においては「マクロスF第2巻」のように、発売時の動きで通常DVD版の売上げをBlu-ray版の売上げが上回るタイトルが現れ始めた。ただし、現時点でDVDソフト市場全体においてのBlu-rayソフトの構成比が数%であることを考えると、Blu-rayソフトがDVDソフト市場の過半数を占めるのは、まだ先になりそうである。
Blu-rayソフトの一般層への普及のためには、発売タイトル数の充実、ジャンルの早期拡充に期待されるところが大きい。年末までには700タイトルを超え、来年前半には一千タイトルに及ぶ可能性も見えてきているため、家電量販店、Eコマース、大手CDチェーン等のメディアストアにおける今後のBlu-rayソフト露出の飛躍的増加により、来年以降のBlu-rayソフト市場の本格的成長も現実味を帯びてきたといえるだろう。
(マーケット・インテリジェンス部 メディアコンテンツグループ 西川)
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
※ご不明な点がありましたら、下記の連絡先までお気軽にお問い合わせ下さい。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。
【概要】
・ Blu-rayソフトは対前年同期比で三桁成長を維持
・ ジャンル別では「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速
・ チャネル別ではアニメ効果によりEコマースが牽引
・ 年末にはBlu-rayソフトは50億円市場へ成長の見込み
【Blu-rayソフトの実売は、対前年同期比で三桁成長を維持】
2008年1〜9月期のBlu-rayソフト市場規模は68万枚、38億円で、対前年比が数量ベースで357%、金額ベースで373%となり、三桁成長を続けている。
また、DVDソフト全体市場におけるBlu-rayソフトの金額構成比が、1月0.9%⇒9月3.8%に成長、着実に構成比は拡大してきている。タイトル数も9月期時点で500タイトルを超えた。
【「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速】
2008年1〜9月期までのBlu-rayソフトジャンル構成比をみると、「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速している。とくに7月以降、バンダイビジュアル社がBlu-rayソフトの発売を拡大してからは「邦アニメ」が急増し、9月期単月では金額構成比で64%にまで上っている(図1)。同社は新作・旧作を合わせて、毎月10タイトル前後の発売を予定しており、「邦アニメ」の勢いは今後も続くと予測される。
タイトルの数では過半数を占めながら、一時的には押されている「洋画」も、強力タイトルを有するパラマウント社とユニバーサル・ピクチャーズ社の発売が決定。年末にかけて攻勢をかけてくることは確実で、「洋画」「邦アニメ」の2ジャンルが市場を牽引するという構図は、しばらく継続する見込みである。
一方、依然として様子見の感が強い「邦画」だが、興行が好調の東宝が、ようやく10月末に「スウィングガールズ」などの劇場公開作品をBlu-ray化。
他邦画メーカーのBlu-ray参入計画のベンチマークとなるだろう。
図1: Blu-rayソフトジャンル別金額構成比と邦アニメ実売タイトル数ジャンル別金額構成比の規格別比較
【チャネル別構成比は、アニメ効果でEコマースが一歩リード】
図2と図3のグラフは、当社が調査するメディアストア・家電量販店・Eコマース(以下 EC)のチャネル別金額構成比を表している。図2で明らかなように、2008年1〜9月の全Blu-rayソフトのチャネル別金額構成比を見ると、ECが頭一つリードした形である。
ECチャネル拡大の要因のひとつとしては、アニメ作品の躍進が挙げられる。
邦アニメが一気に構成比を伸ばした2008年7〜9月では、同ジャンルにおけるEC金額構成比は66%にのぼる(図3)。「洋画」は各チャネルの構成比にあまり差がない為、「邦アニメ」がいかにECを牽引しているかが顕著であることがわかる。
図2: 全Blu-rayソフトチャネル別金額構成比(1〜9月期)
図3:「邦アニメ」「洋画」Blu-rayソフトチャネル別金額構成比(7〜9月期)
【年末の50億円市場への成長は、達成の見込み】
今年末までの市場規模の当社予測として、7月1日発表の当社プレスリリースで50億円市場への成長の可能性を見込んだが、その達成はほぼ見えてきたといえる。Blu-rayによってその効果が引き立つVFX(ビジュアル・エフェクツ)を多用した洋画大作は、1タイトルの販売数量のうち10%以上をBlu-ray版が占める場合もある。急増する「邦アニメ」においては「マクロスF第2巻」のように、発売時の動きで通常DVD版の売上げをBlu-ray版の売上げが上回るタイトルが現れ始めた。ただし、現時点でDVDソフト市場全体においてのBlu-rayソフトの構成比が数%であることを考えると、Blu-rayソフトがDVDソフト市場の過半数を占めるのは、まだ先になりそうである。
Blu-rayソフトの一般層への普及のためには、発売タイトル数の充実、ジャンルの早期拡充に期待されるところが大きい。年末までには700タイトルを超え、来年前半には一千タイトルに及ぶ可能性も見えてきているため、家電量販店、Eコマース、大手CDチェーン等のメディアストアにおける今後のBlu-rayソフト露出の飛躍的増加により、来年以降のBlu-rayソフト市場の本格的成長も現実味を帯びてきたといえるだろう。
(マーケット・インテリジェンス部 メディアコンテンツグループ 西川)
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
※ご不明な点がありましたら、下記の連絡先までお気軽にお問い合わせ下さい。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。