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(中国)倹約令のあおり受けるホテル業、銀行貸し渋りが苦境に拍車

コラム【EMW】
中国のホテル業界を取り巻く環境が悪化している。背景にあるのは、綱紀粛正の一環として中国政府が推し進めている倹約令。公費の無駄遣いやぜいたくが禁じられる中、高級ホテルの常連客だった地方政府や国有企業が会議や宴会、宿泊利用を控えているためだ。経営業績が悪化する中で、銀行はホテルへの融資に慎重スタンス。融資を制限する銀行もすでにみられるなど、ホテルの資金繰りは一段と悪化。負のスパイラルに陥っているという。中国政府系メディアが12日付で伝えた。

広東省東莞市では、厚町、常平などの繁華街に立ち並ぶホテルの多くが赤字経営、あるいは採算ぎりぎりの自転車操業の状態にある。ホテル業から撤退する経営者も散見されるという。ホテル業界の関係者は、「倹約令が打ち出された直後、ホテル経営者の間にまだ希望があった。経営モデルを刷新するなどして新たな収益源を見出そうとする努力がみられた。しかし今年に入ってからは、経営苦境から脱出できない現実を悲観し、店をたたむ経営者が散見されるようになった」と苦しい業界の現状を吐露した。

これに追い打ちをかけているのが銀行の貸し渋りだ。ホテル業からの資本引き揚げの動きがみられる中で、今年に入って多くの銀行がホテル業を融資制限業種に新たに組み入れた。その最大の理由は、キャッシュフローの悪化。「土地や建物などの抵当物件の資産価値はなお安定しているものの、売り上げ、利益がともに低下している状態では、債務返済の資金源を到底確保できない」と判断されたという。

東莞市のホテル業界を巡っては、同市に3年前に開業した人気ホテル「康帝国際酒店(カンデ・インターナショナル・ホテル)について、「1日60万人民元、1カ月で1000万人民元以上の損失を計上している」と伝えられた。同ホテル側はこの噂を否定しているものの、こうしたネガティブ情報の蔓延は、同市のホテル業が置かれる苦境を根拠としたものであることは間違いない。

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