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【中国の視点】買物なしの旅行なんて楽しくない、「春節商戦」は各国で定番化へ

コラム【EMW】
購買力の高い中国旅行客が欧米などで「歩く財布」と呼ばれている。春節(中華圏や韓国、ベトナムなどの旧正月)や国慶節(中国の建国記念日)の長期休暇を利用して海外旅行を楽しむ中国人旅行者を対象に実施した調査では、半数以上は「買い物」が主要目的だと回答した。一部は「ショッピングなしの旅行なんて楽しくない」とも答えた。

欧米や日本、東南アジア、韓国などの国・地域の報告によると、ほかの国に比べて中国人旅行客の平均支出額が圧倒的に高いという。また、中国人に対するビザ発給用件の緩和に伴い、予想以上の中国人旅行客が各国に押し寄せているとも報告されている。こうした旺盛な購買力を背景に、「春節商戦」や「国慶節商戦」は各国で定番になりつつあるといわれている。

中国人旅行客を争奪するため、各国政府や民間企業が様々な対策を講じている。米政府昨年、旅行やビジネスを目的で米国を訪問する中国人を対象に最長10年の短期滞在数次査証(マルチビザ)を導入。訪米中国人の一段増加を見込んで中国人の慣習などを学ぶ勉強会はあちこちで開催されている。また、日本政府は今年からも中国人の個人観光客に対する新たなマルチビザ(最長5年)を認めた。

スペインでは、「中国友好型ホテル(中国人の好みや食事などを配慮したホテル)」が急増している。多くのホテルは中国語の表示などを導入している。また、タイなど東南アジアの国々は10数年前から中国人旅行客などを対象に空港など現地でビザ取得制度を導入している。

専門家は、中国人の海外旅行ブームが始まったばかりだと指摘した。人口大国に加え、所得の増加や人民元の先高感を受け、海外旅行の増加ペースがしばらく高い水準で維持すると予測。今後は中国人の消費嗜好が各国の旅行産業に大きく影響するとの見方を示した。

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