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【中国の視点】英国:AIIB加入表明、英米同盟よりも自国利益を重視

コラム【EMW】
主要7カ国(G7)の構成メンバーである英国はこのほど、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に加入すると表明した。また、英国に続き、フランスやドイツ、韓国、オーストラリアなどもAIIBへの加入を検討すると発表した。

一方、同盟国である米国が英国のAIIB加入表明について、不快を示した。中国による国際社会での影響力の拡大を防ぐため、米国は西欧のほか、韓国などにもAIIBに参加しないよう説得したと報じられた。また、米政府は英国に対し、「中国に妥協している」と批判した。

中国の専門家は、英国の行動について、自国利益を最優先に考えて出した結論だと指摘。AIIBへの参加を通じて英国が中国の金融強化などに便乗したい狙いがあると分析した。ロンドンは人民元取引の中核市場の一角として、人民元の決済システムを導入している。また、イングランド銀行(中央銀行)は2013年、中国とポンド・人民元通貨スワップ協定を締結した。

英ジョージ・オズボーン財務相はこのほど、AIIBの加入決定が正しい選択だと強調。米国の反発は想定の範囲内だと発言した。また、AIIBの設立がアジアインフラ整備の資金不足を補うという重要な役割を果たしていると強調し、AIIBの透明性を高めるため、英国がもっと早い段階で行動すべきだと発言した。

また、中国側もAIIBの透明性や格付けを高めるため、英国やフランス、ドイツなどの参加を歓迎している。なお、AIIBは昨年10月にスタートし、500億米ドルの初期資本金の大部分は中国が出資している。現在の参加国はスタート当時21カ国から27カ国に拡大。AIIBの拡大は日米が主導するアジア開発銀行(ADB)に影響を与えると懸念されている。

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