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【中国の視点】不動産市場の救済に限界、来年に新たな危機も

コラム【EMW】
中国人民銀行(中央銀行)による一連の金融緩和(今年に入ってから5回の利下げと4回の預金準備率の引き下げ)の実施を受け、北京や上海など主要都市の住宅成約件数が回復していると報告されている。また、住宅ローン規制の緩和なども実施されたため、不動産市場の回復や価格の上昇が向こう数カ月まで続くと予測されている。

ただ、エコノミストは、不動産市場の回復が一時的なものだと指摘。最近の成約件数の増加について、不動産救済策がもたらしたものだと分析し、この背後に新たな危機が潜んでいると警告した。中国の住宅市場はすでに2010年前後に飽和状態に達していると強調。在庫の消化が中国の不動産市場の最重要課題だと強調した。

今年1-9月の不動産投資額は7兆535億元となり、前年同期比で2.6%の増加にとどまった。増加ペースは1-8月から0.9%下回ったため、デベロッパーの投資意欲の低下や需要不足を反映していると分析された。

また、米利上げ観測の高まりに伴う米ドル建て資産が好まれる可能性が高いため、国内の不動産よりも良質な米国不動産が歓迎されると指摘された。ほかに、北京や上海などの住宅価格が一段と上昇した場合、当局が今度引き締めに転じる恐れがあるため、成約件数の減少など不動産市場の低迷が再びやってくると予測された。

エコノミストは、一連の緩和効果が今年いっぱいまで続くと予測。ただ、不動産開発の拡大を通じて国内総生産(GDP)を押し上げるという従来の成長モデルがすでに行き詰まっているため、来年以降は予想以上の不動産不況がやってくる可能性が否定できないと警鐘を鳴らした。

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