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【中国の視点】電子商取引の功罪:アリババは国内小売1割占める、小売店などに打撃

コラム【EMW】
中国電子商取引(EC)大手アリババはこのほど、2016年の取引目標額を3兆元(約48兆円)以上に設定すると発表した。2020年には6兆元突破するとの見通しを示した。2015年の中国の小売売上高約30兆元で計算すると、アリババ傘下の4つのショッピングサイトは1割のシェアを握ることになる。

また、この数字はすでに世界最大手スーパーマーケット・チェーン、ウォルマートの2015年の売上高4821億米ドル(約54兆5000億円)に接近する。アリババのショッピングサイトを運営するには必要な従業員数約8000人に対し、ウォルマートは全世界で約220万人の従業員を抱えている。ウォルマートは2015年0.7%の減収となり、減収に陥ったのは1980年以来となる。これとは対照的に、アリババは2015年10-12月期に22.5%の増収となった。

ECの拡大は人々の生活に多大な利便性をもたらす一方、ショッピングモールなど実体店はECの拡大で衝撃を受けている。小売店の閉店ペースの加速に伴い、商業不動産の低迷も続いている。また、これと関連している倉庫や物流業などもその悪影響を受けている。ほかに、若年層による外出機会の減少に伴い、娯楽や飲食産業などの売上減も報告されている。地方都市だけでなく、上海など大都市のショッピングモールでも人の流れは減少し続けていると報告されている。

一方、ネットで販売されている商品の品質や偽物問題が続出しているほか、返品などで送料がかかるため、洋服や食品などネットで購入することを抵抗する人が増えていると報告されている。専門家は、ECが一段と発展することは否定できないと指摘。ただ、将来的には実体店と密着した形で発展していくと予測した。

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