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資金の逃げ足は速いが、割り切りスタンスで中小型株へ

ランチタイムコメント
 日経平均は続落。24.92円安の15070.08円(出来高概算9億5000万株)で前場の取引を終えた。27日の米国市場が小じっかりだった流れもあり、朝方は先週末の大幅な下げに対するリバウンドの動きが先行した。しかし、寄り付き直後につけた15177.87円を高値に、その後はこう着感が強まるなか、下げに転じている。セクターではその他金融、ガラス土石、パルプ紙、サービス、食料品などが小じっかり。一方で、鉱業、保険、不動産、情報通信、証券、輸送用機器などが冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えており、全体の6割を占めている。規模別指数では大型株指数のみがマイナス。
 指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>が冴えないほか、堅調な値動きをみせていたソフトバンク<9984>が下げに転じたほか、KDDI<9433>も軟調。また、円相場が円高に振れて推移するなか、スズキ<7269>、富士重<7270>、トヨタ<7203>などが冴えない。
 円相場で一気に円高の動きが強まってきており、輸出関連などへの重しとなっている。また、ソフトバンク<9984>が下げに転じてきていることも、手掛けづらくさせているだろう。一方、物色の流れは中小型株やテーマ銘柄にシフトしており、「総務省は大手携帯電話各社が自社の通信サービスしか使えないようにする端末の機能制限を2015年度にも解除させる」と報じられており、日本通信<9424>などSIM・MVNO(仮想移動体通信事業者)などの関連銘柄に短期筋の資金が集中している。
 マザーズ指数、ジャスダック平均はプラス圏で推移している。資金の逃げ足の速さには注意する必要があるものの、日経平均が15000円処での攻防となるなか、中小型株などに資金はシフトしやすいだろう。(村瀬智一)

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