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香港情勢を警戒も、引けにかけてショートカバー意識か

ランチタイムコメント
 日経平均は大幅に反落。239.74円安の16070.90円(出来高概算11億6000万株)で前場の取引を終えた。香港情勢への不透明感が嫌気されて売りが先行している。米株安の流れを受けたシカゴ先物にサヤ寄せする格好で始まった日経平均は、寄り付きの16252.72円が高値となり、その後もじりじりと下げ幅を広げている。香港市場の弱い動きを受けて、前引けにかけては先物主導で下げ幅を広げており、一時16058.72円まで下げ幅を拡大させた。
 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1500を超えており、全体の8割を超えている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに2ケタの下げに。セクターでは東証33業種全てが下げており、卸売の下落率が3%を超えたほか、証券が2%超、その他金融、建設、鉄鋼、倉庫運輸、金属、パルプ紙、電力ガス、情報通信、輸送用機器、電気機器、銀行などが1%を超える下落となった。日経平均構成銘柄では値下がりが214となり、ソフトバンク<9984>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、ダイキン<6367>などが押し下げる要因に。
 やや過剰反応のようにみえるが、香港情勢への不透明感から様子見姿勢のなか、インデックスに絡んだ商いによって値幅が出やすいようである。また、ソフトバンク<9984>など指数インパクトの大きい値がさが総じて軟調なほか、円相場がやや円高に振れていることもあり、輸出関連などへの利益確定に向かわせているようだ。中小型の値がさなども前引けにかけて値を崩す動きがみられてきており、ポジション圧縮を迫られる状況か。
 もっとも、大幅な下げによって節目の16000円に接近しており、押し目買いの動きも意識されるところである。大幅な下げによって日銀によるETF買い入れも下支え要因として意識されよう。短期筋の売り仕掛け的な商いも出てくるだろうが、上海、香港は祝日に入るため、連休中にも情勢は落ち着くとの見方もある。そのため、一段安というよりは、ショートカバーを意識しておきたいところである。(村瀬智一)

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