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柱が定まり難い状況で資金の逃げ足は速そう

ランチタイムコメント
 日経平均は小幅に続落。29.70円安の15632.29円(出来高概算10億9000万株)で前場の取引を終えた。注目されていた欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の会見だったが、追加緩和策に言及しなかったことで、2日の欧州市場は急落となった。この影響から米国市場も不安定となるなか、シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の15585円だった。そのため、これにサヤ寄せする格好から売りが先行した格好に。
 一方、既存店の好調が伝えられたファーストリテ<9983>が買い気配から始まったほか、米映画会社への出資が伝えられたソフトバンク<9984>などが日経平均をけん引する格好となり、一時15700円を回復。円相場が円安に振れて推移してきたことも、リバウンド狙いの意識に向かわせた。ただ、ファーストリテ<9983>は寄り付き近辺を高値に伸び悩み、ソフトバンク<9984>は下げに転じるなか、日経平均もマイナス圏に。
 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が全体の6割を占めている。セクターでは建設、空運、金属、化学、サービスなどがしっかり。半面、鉱業、不動産、パルプ紙、電力、証券、海運、輸送用機器、鉄鋼などが冴えない。
 日経平均は前日終値を挟んでのこう着をみせている。中小型株などにはリバウンド狙いの動きがみられるが、主力大型株が重しとなっている。とりわけ自動車株への利益確定の流れが目立っており、規模別指数では大型株指数のみがマイナス。週末要因のほか、今晩の米雇用統計の結果を見極めたいとする様子見ムードもあり、積極的な売買は手控えられよう。
 そのため、物色の流れとしては中小型株に向かいやすい。ただ、サイバーダイン<7779>が利食い優勢なほか、ミクシィ<2121>は買い先行後は前日終値を挟んでのこう着であり、主力処に動意が見られないと、手掛けづらい状況になる。柱が定まり難いため、資金の逃げ足も速いだろう。(村瀬智一)

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