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出来高膨れず、循環的に一部の銘柄に集中する状況に

ランチタイムコメント
 日経平均は大幅に反発。253.19円高の15057.47円(出来高概算10億2000万株)で前場の取引を終えている。21日の米国市場は、欧州中央銀行(ECB)が社債の買い入れを検討しているとの報道を手掛かりに買いが先行。アップルなどハイテク企業の決算も好感され、NYダウは200ドルを超える上昇となった。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比300円高の15080円と節目の15000円を回復する流れを受けて、幅広い銘柄に買いが先行した。
 ただし、寄り付き直後に15129.11円まで上げ幅を拡大させたが、その後はこう着感が強まっており、15000円処での推移をみせている。東証1部の売買代金は9400億円程度と1兆円を下回っており、出来高が減少傾向にあるなか、積極的な売買は手控えられているようだ。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、海運の上昇率が4%を超えたほか、金属製品、建設、機械、不動産、非鉄金属、情報通信、陸運などの強さが目立つ。

 日経平均は15000円での底堅さがみられているが、一方、直近で空けたマド下限レベルでは上値の重さが意識されている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が全体の9割を占めているが、寄付きが高値圏となる銘柄も多く、回転が利きづらい状況である。戻りの鈍さから利益確定の流れで下げに転じる銘柄も散見されており、日経平均の底堅さほど地合いは良くなさそうだ。
 また、出来高が膨れない状況であり、売買代金については2兆円を下回ってくる可能性がある。物色対象も広がりが見られるというよりは、循環的に一部の銘柄に集中する状況になりそうだ。いったん資金が逃げ始めると急速に値を消す可能性もあるため、短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりやすい。冷静に売り込まれている好業績株などの押し目を狙いたいところである。(村瀬智一)

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