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水準としては現状維持を織り込む

ランチタイムコメント
 日経平均は大幅に下落。380.80円安の19678.15円(出来高概算12億株)で前場の取引を終えた。29日の米国市場ではNYダウ、ナスダックともに下落。1-3月期GDP速報値が予想を大きく下回り、景気先行き懸念が拡大したことで売りが先行。シカゴ日経225先物清算値は大阪比235円安の19805円と大きく下げており、日経平均はこれにさや寄せする格好からの、ギャップ・ダウンから始まった。
 200円を超える下落で始まった日経平均だが、その後もじりじりと下げ幅を広げており、21日以来の19700円を割り込んでいる。日銀の金融政策決定会合の結果を控えているほか、大型連休を控えていることから、ポジションを圧縮する流れも強まっている。セクターでは原油先物相場の上昇を背景に鉱業が上昇。ゴム製品が小じっかりのほか、海運がトントン。一方で、情報通信の下落率が3%を超えているほか、食料品、証券、化学、精密、医薬品、サービス、陸運、機械、保険が2%を超える下落に。
 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の7割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに2ケタの下落となった。

 売り一巡後は底堅い値動きが意識されていたが、大型株を中心に下落基調が強まっており、日経平均は25日線を割り込んできている。武田薬品<4502>が最終赤字に転落する見通し、ホンダ<7267>は収益回復遅れなどが嫌気されているが、寄付き水準は上回っており、底堅さは意識される。
 一方でファナック<6954>、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、ソフトバンク<9984>が重石になっており、利益確定の流れが強まっているようである。また、足元で動意をみせていた中小型株なども急速に値を消す銘柄が目立ってきており、こちらも大型連休を前にしたポジション調整といったところであろう。
 日経平均は支持線として意識されていた25日線を割り込む調整をみせてきていることもあり、日銀の金融政策決定会合の結果が現状維持としても、アク抜けにつながる可能性がありそうだ。ただし、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、改めて売り仕掛け的な商いに押される可能性がある。物色対象は絞られてくるため、決算を手掛かりとした個別対応になりそうだ。(村瀬智一)

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