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短観9月調査を受けて追加緩和への思惑が高まる(訂正)

ランチタイムコメント
 日経平均は大幅に続伸。302.55円高の17690.70円(出来高概算10億8000万株)で前場の取引を終えている。米国市場では9月のADP雇用統計では、民間部門の雇用者数は前月比20万人増と予想を上回ったことが好感され、NYダウは235ドル高となった。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比165円高の17495円となり、これにさや寄せする格好。寄り付き前に日銀が発表した企業短期経済観測調査(短観9月調査)は、大企業・製造業の業況判断が6月調査から3ポイント悪化してプラス12となり、3四半期ぶりに悪化した。悪化は想定内となるなか、日銀による追加の緩和政策への思惑が高まっている。
 寄り付き直後は17400-17500円を挟んでのもみ合いが続いていたが、前場半ば辺りから上げ幅を拡大させており、前引け間際には17700円を回復する局面もみられている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超えており、全体の7割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに2ケタの上昇。セクターでは、その他金融、不動産、鉱業、電気機器、精密機器、輸送用機器、海運、銀行、証券などが強い。

 日経平均は上げ幅を拡大させており、一昨日の下落局面で空けていたマドを埋めている。ボリンジャーバンドでは-1σを上回ってきており、中心値(25日)辺りへの意識が高まりやすい。週足形状では長い下ひげを残しての陽線形成に変わる可能性があり、週足の一目均衡表の雲下限からのリバウンドなど、目先底を意識させてくる形状となる。短観9月調査の結果を受けて、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定する10月30日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切る可能性が高まっている。
 セクターもこれに関連した業種が上位に位置しており、市場の期待が表れているようである。一方で、参加者は限られていると考えられ、過剰な反応をみせてくる銘柄も少なくない。科研薬<4521>はクレナフィン(爪白癬薬)の競合品の開発動向が一部で伝わり、15%を超える大幅な下げとなっている。建設株については清水建<1803>のCB発行の報道を受け、他の建設株にも需給悪化を警戒した売りが波及する格好である。資金の逃げ足も速いため、好悪材料によって明暗がはっきりしそうである。(村瀬智一)

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