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急速に下げ渋る格好だが慎重姿勢は崩せない状況

ランチタイムコメント
 日経平均は反落。88.21円安の15661.63円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引を終えている。7日の米国市場ではNYダウが170ドル超の下落となった。原油相場の下げが嫌気され売りが先行し、その後も為替相場で急激にドル安が進行したことで、世界経済の後退懸念が高まり、終日軟調な展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比285円安の15445円となり、これにさや寄せする格好となった。

 ただし、オプションSQに絡んだ商いが買い越しだったほか、財務相による「為替相場は安定しているのが望ましい」との口先介入もあり、15500円を上回っての推移に。その後一時15471.80円と15500円を割り込む場面もみられたが、前引けにかけては下げ幅を縮めている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは食料品、水産農林、その他製品、機械、パルプ紙などがしっかり。半面、鉱業、海運、輸送用機器、ゴム製品、不動産、建設などが冴えない。

 日経平均は一時15500円を下回る場面がみられたが、その後は15700円に接近するなど、下げ渋りをみせている。円相場がやや円安に振れて推移していることで急速に下げ渋る格好だが、このところは後場に入ると弱含む場面もみられているため、慎重姿勢は崩せない状況であろう。

 とはいえ、米追加利上げへの観測が後退しているほか、前日には安倍首相による為替介入への慎重姿勢なども伝わっていたこともあり、下振れへの警戒感は強まっていたと考えられる。市場は意外と落ち着きをみせていることもあり、日経平均の15500円処を上回って推移している局面においては、プラス圏で推移している銘柄等に短期的な値幅取り狙いの資金が入りやすいだろう。また、中小型株などは一気に需給整理が進む可能性もあるほか、テーマ株などはこれまでの調整も踏まえて、目先底を意識した押し目拾いも意識しておきたいところである。(村瀬 智一)

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