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日経平均はSQ値を意識、後場はフィンテック関連に資金集中か

ランチタイムコメント
 日経平均は大幅に反発。296.91円高の16795.67円(出来高概算8億2000万株)で前場の取引を終えた。24日の米国市場では、NYダウが210ドルを超す上昇となった。欧州株が全面高となった流れを受けて買いが先行。原油相場の上昇が好感されたほか、新築住宅の販売件数が市場の予想を大きく上回り、およそ8年ぶりの高水準だったことから、景気の先行きへの期待感が広がった。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比285円高の16765円となり、これにさや寄せする格好から幅広い銘柄に買いが先行した。

 その後はこれまでのもち合いレンジ上限に接近したことで強弱感が対立しており、一時16800円を回復する場面もみられたが、日中値幅は70円程度の狭いレンジでの推移となった。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1400を超えており、全体の7割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは、保険、鉄鋼、情報通信、証券、輸送用機器、電気機器、パルプ紙、その他製品、機械、非鉄金属などが強い。一方で、医薬品のみが小幅に下落している。売買代金上位では、ソニー<6758>、トヨタ自<7203>、SOSEI<4565>、アキュセラ<4589>、ソフトバンクグ<9984>、ファーストリテ<9983>などが堅調。

 日経平均は狭いレンジ内での推移が続いている。ただし、価格帯別出来高で商いが膨れているほか、5月SQ値が位置しているため、16800円からは強弱感が対立しやすいだろう。これについては想定されていたこともあり、上値の重さはそれ程嫌気されないとみられる。一方で、高値圏での底堅い値動きが続いており、下値の堅さが評価されやすいだろう。

 また、ソニー<6758>が高値圏での強い値動きが続いている。業績見通しの発表がアク抜けにつながり、買い先行後は利食いに押される展開が想定されていたとみられるが、寄り付き後も強い値動きが続いている。投資家のセンチメントを明るくさせるなか、日経平均は抵抗となる5月SQ値を捉えてくるようだと、ショートカバーを交えての一段の上昇が意識されてくるだろう。

 その他、ビットコインなどの仮想通貨を実際の通貨と交換する業者を登録制とするなどの規制を盛り込んだ法律の改正案が、25日の参議院本会議で可決・成立した。このほか、金融と最新のIT技術を融合したフィンテックと呼ばれる新しい金融サービスの普及を後押しする規制緩和が盛り込まれた銀行法の改正案も可決・成立しており、フィンテック関連への物色が強まりそうだ。(村瀬 智一)

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