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日経平均は反落、資金は中小型の好業績やテーマ株に向かわせよう

ランチタイムコメント
 日経平均は反落。80.81円安の22309.05円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えた。注目されたパウエル議長の議会証言では、議員らとの質疑応答で米経済の力強さとインフレ見通しへの自信について言及し長期金利が上昇。これを受けて米国市場は下げに転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比205円安の22175円となり、これにサヤ寄せする格好となった。ただし、想定内の流れでもあり、日経平均は前日までの上昇で25日線を捉えてきており、いったんは跳ね返されやすい水準。一時22244.16円まで下げ幅を広げる局面もみられたが、その後は寄付き水準でのこう着が続いている。

 セクターでは鉱業、鉄鋼、石油石炭、銀行、不動産が軟調。一方で、精密機器、空運、サービス、小売、水産農林、倉庫運輸がしっかりだった。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1100を超えており、過半数を占めている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が重し。

 日経平均は25日線レベルでのこう着をみせている。円相場がやや円高に振れているなかでは底堅さが意識されよう。また、国連の機密扱いの報告書によると、北朝鮮はシリアの化学兵器工場とみられる施設の建設用に50トン分の資材を輸出したと報じられている。地政学が警戒されやすいところであるが、VIX指数は落ち着いた動きをみせている。

 また、米国市場は長期金利の上昇が嫌気された格好とはいえ、VIX指数は危険水準とされる20ptは下回っているため、市場は落ち着いた状態。引き続きVIX指数の落ち着きがみられるようだと、市場は利上げを織り込み、プラス面を手掛かりとした物色に向かわせよう。
日経平均は25日線が上値抵抗とはいえ、下を売り込む流れにはなりづらく、こう着ながらも底堅さが意識される局面においては、中小型の好業績やテーマ株に向かわせよう。
(村瀬智一)


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