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日経平均の底堅さよりも新興市場の弱さが警戒される

ランチタイムコメント
 日経平均は小動き。1.86円高の21837.39円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。米国市場の上昇は織り込み済みとなる半面、日米首脳会談の行方を見極めたいとする模様眺めムードの中、こう着感の強い相場展開となった。小幅に反落して始まった日経平均は、引き続き5日線が支持線として意識され、前日終値を挟んでの推移が続いている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>が反発しており、これが日経平均を下支えする格好。

 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは石油石炭、食料品、陸運、小売、鉱業がしっかり。半面、証券、鉄鋼、非鉄金属、銀行、不動産、繊維が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテのほか、ユニファミマ<8028>、武田<4502>、エーザイ<4523>がしっかり。半面、ソフトバンクG<9984>、TDK<6762>、中外薬<4519>が小安い。

 日経平均は狭いレンジでのこう着が続いているが、緩やかに上昇する5日線が支持線として機能しており、底堅さが意識されやすいところ。TOPIXはマイナスで終えているため、日銀のETF買い入れへの思惑が下支えとして期待されよう。しかし、海外勢の需給の下支えが期待しづらいマザーズ、JASDAQの下げはきつく、どちらかというと日経平均の底堅さよりも、新興市場の弱さが現在のセンチメントを現しているとみられる。決算が材料視されるなか、参加者が限られていることもあって大きくインパクトを与えている。連日での高値更新、安値更新が散見されるなか、決算内容を見極めたいとする手控えムードも意識されやすいだろう。

 また、米国では決算発表が本格化する中、金融株の弱さが目立つ。決算内容は良好ながらも株価への反応は限られており、ハイテク企業の決算での反応を見極めたいところでもある。金融の反応がさえないなか、ハイテク決算の反応も限られてしまうと、日本株への波及効果は期待しづらくなる。日経平均は一目均衡表の雲下限を捉えているが、雲下限を突破し、更に雲上限を上放れるには、相当な材料が必要だろう。まずは、日米首脳会談の成果を待ちたい。
(村瀬智一)


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