日経平均は大幅に3日続伸、買い戻し続くが持続性は慎重に見極め
[18/09/18]
提供元:株式会社フィスコ
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ランチタイムコメント
日経平均は大幅に3日続伸。248.18円高の23342.85円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。
17日の米国市場でNYダウは92ドル安と5日ぶりに反落した。中国が米国の提案した通商交渉再開を拒否することを検討していると報じられて売りが先行。トランプ政権が取引終了後に中国からの輸入品2000億ドル相当の関税引き上げについて発表するとの観測も相場の重しとなった。実際に米政権は17日、追加関税を24日に発動すると発表し、為替市場では円相場が一時111.60円台まで上昇。連休明けの日経平均はこうした流れを嫌気して52円安からスタートした。しかし、追加関税発表で目先の悪材料出尽くしと捉えられ、日経平均は寄り付き直後にプラスへ転じると上げ幅を広げる展開となった。中国・上海総合指数の反発も売り方の買い戻しを誘い、日経平均は前引けにかけて23352.50円(257.83円高)まで上昇する場面があった。
個別では、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、東海カーボ<5301>の堅調ぶりが目立ち、ソニー<6758>、武田薬<4502>、トヨタ自<7203>などもしっかり。武田薬は欧製薬大手シャイアーの買収について中国当局から承認を得たと発表している。また、融資書類改ざん問題で再発防止策を公表したTATERU<1435>、遅れていた第1四半期決算を発表したジャストシス<4686>はストップ高水準で前場を折り返し、ラクトJPN<3139>も新規レーティング付与観測を受けて一時ストップ高を付けた。一方、ソフトバンクG<9984>は2%超の下落。中国アリババグループなどの株価下落が影響したとみられる。東エレク<8035>、スタートトゥ<3092>、村田製<6981>などもさえない。セクターでは、全33業種がプラスとなり、保険業、空運業、鉄鋼、石油・石炭製品、不動産業が上昇率上位だった。
米国による対中追加関税の発動が発表され、朝方には日経平均は23000円を挟んだ攻防になるとの見方が多かった。しかし、日経平均は悪材料出尽くし感などから大方の予想に反し23000円水準を大きく上放れする形となった。こうなると売り方による一段の買い戻しや出遅れていた投資家の追随買いを誘いやすいだろう。今週は20日に自民党総裁選の投開票が予定されており、政策期待が高まりやすいとの指摘もある。
一方で、日経平均は先週13日から連日で200円を超える上昇となっており、短期的な過熱感も徐々に意識されてきそうだ。米中貿易摩擦の激化を深刻に捉える向きは限定的のようだが、交渉が停滞する恐れもあり楽観できる状況にはないだろう。また、今週末にも開催予定の日米通商協議(FFR)で日本に対する米国の圧力も一段と強まる可能性がある。日経平均のリバウンドがどこまで続くかは慎重に見極めたいところだ。
(小林大純)
<AK>
17日の米国市場でNYダウは92ドル安と5日ぶりに反落した。中国が米国の提案した通商交渉再開を拒否することを検討していると報じられて売りが先行。トランプ政権が取引終了後に中国からの輸入品2000億ドル相当の関税引き上げについて発表するとの観測も相場の重しとなった。実際に米政権は17日、追加関税を24日に発動すると発表し、為替市場では円相場が一時111.60円台まで上昇。連休明けの日経平均はこうした流れを嫌気して52円安からスタートした。しかし、追加関税発表で目先の悪材料出尽くしと捉えられ、日経平均は寄り付き直後にプラスへ転じると上げ幅を広げる展開となった。中国・上海総合指数の反発も売り方の買い戻しを誘い、日経平均は前引けにかけて23352.50円(257.83円高)まで上昇する場面があった。
個別では、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、東海カーボ<5301>の堅調ぶりが目立ち、ソニー<6758>、武田薬<4502>、トヨタ自<7203>などもしっかり。武田薬は欧製薬大手シャイアーの買収について中国当局から承認を得たと発表している。また、融資書類改ざん問題で再発防止策を公表したTATERU<1435>、遅れていた第1四半期決算を発表したジャストシス<4686>はストップ高水準で前場を折り返し、ラクトJPN<3139>も新規レーティング付与観測を受けて一時ストップ高を付けた。一方、ソフトバンクG<9984>は2%超の下落。中国アリババグループなどの株価下落が影響したとみられる。東エレク<8035>、スタートトゥ<3092>、村田製<6981>などもさえない。セクターでは、全33業種がプラスとなり、保険業、空運業、鉄鋼、石油・石炭製品、不動産業が上昇率上位だった。
米国による対中追加関税の発動が発表され、朝方には日経平均は23000円を挟んだ攻防になるとの見方が多かった。しかし、日経平均は悪材料出尽くし感などから大方の予想に反し23000円水準を大きく上放れする形となった。こうなると売り方による一段の買い戻しや出遅れていた投資家の追随買いを誘いやすいだろう。今週は20日に自民党総裁選の投開票が予定されており、政策期待が高まりやすいとの指摘もある。
一方で、日経平均は先週13日から連日で200円を超える上昇となっており、短期的な過熱感も徐々に意識されてきそうだ。米中貿易摩擦の激化を深刻に捉える向きは限定的のようだが、交渉が停滞する恐れもあり楽観できる状況にはないだろう。また、今週末にも開催予定の日米通商協議(FFR)で日本に対する米国の圧力も一段と強まる可能性がある。日経平均のリバウンドがどこまで続くかは慎重に見極めたいところだ。
(小林大純)
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