日経平均は大幅続落、米株睨み決算へ警戒ムード
[19/01/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
ランチタイムコメント
日経平均は大幅続落。200.53円安の20448.47円(出来高概算5億4000万株)で前場の取引を終えている。
28日の米株式市場でNYダウは208ドル安と反落。建設機械のキャタピラーや半導体のエヌビディアが相次いで慎重な業績見通しを示し、中国経済の減速懸念から売りが広がった。
円相場も1ドル=109円台前半と下げ渋っており、本日の日経平均は米株安を嫌気して93円安からスタートすると、下げ幅を広げる展開となった。東京市場でも建機、半導体関連を中心に輸出株や景気敏感株が幅広く売られ、日経平均は一時20406.22円(242.78円安)まで下落すると、その後も軟調に推移した。東証1部の値下がり銘柄は全体の7割弱となっている。
個別では、任天堂<7974>、武田薬<4502>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>など売買代金上位は全般軟調。東エレク<8035>やファナック<6954>は4%近く下落し、SUMCO<3436>やコマツ<6301>は5%近い下落となった。1月の月次売上が減少に転じたアスクル<2678>、第3四半期決算が市場予想を下回ったコーエーテクモ<3635>なども下げが目立つ。また、前期業績を下方修正したトレンド<4704>が急落し、RSTECH<3445>などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。一方、東京電力HD<9501>が2%超上昇し、KDDI<9433>や良品計画<7453>もしっかり。前日は利益確定売りに押された内需・ディフェンシブ株だが、外部環境の不透明感から再び資金が向かったようだ。業績観測が報じられたデジアーツ<2326>は急伸。また、決算発表のトランコム<9058>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、機械、電気機器、石油・石炭製品などが下落率上位。反面、電気・ガス業、水産・農林業、陸運業などが上昇率上位だった。
前日の米国市場ではキャタピラーが9%の下落、エヌビディアが14%近い下落となった。
市場では「世界経済の減速は織り込み済み」との見方から、このところ輸出株や景気敏感株に買い戻しの動きが広がっていた。しかしキャタピラーやエヌビディアの決算に対する株価反応を見ると、これから決算発表が本格化する東京市場でも警戒感を強めざるを得ないだろう。中国などのアジア株も全般下落しており、後場の日経平均は引き続き軟調な展開となりそうだ。なお、本日は前引け後にJPX<8697>、取引終了後に信越化<4063>やANA<9202>が決算発表を予定している。
相場全体の地合い悪を背景に、新興市場でもマザーズ指数や日経ジャスダック平均が下落した。ただ、サンバイオ<4592>がプラスに切り返すなど相対的に底堅さを見せている。
積極的に上値は追いづらい状況ではあるが、主力株が手掛けにくいだけに中小型株の循環物色は目先続きそうだ。
(小林大純)
<AK>
28日の米株式市場でNYダウは208ドル安と反落。建設機械のキャタピラーや半導体のエヌビディアが相次いで慎重な業績見通しを示し、中国経済の減速懸念から売りが広がった。
円相場も1ドル=109円台前半と下げ渋っており、本日の日経平均は米株安を嫌気して93円安からスタートすると、下げ幅を広げる展開となった。東京市場でも建機、半導体関連を中心に輸出株や景気敏感株が幅広く売られ、日経平均は一時20406.22円(242.78円安)まで下落すると、その後も軟調に推移した。東証1部の値下がり銘柄は全体の7割弱となっている。
個別では、任天堂<7974>、武田薬<4502>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>など売買代金上位は全般軟調。東エレク<8035>やファナック<6954>は4%近く下落し、SUMCO<3436>やコマツ<6301>は5%近い下落となった。1月の月次売上が減少に転じたアスクル<2678>、第3四半期決算が市場予想を下回ったコーエーテクモ<3635>なども下げが目立つ。また、前期業績を下方修正したトレンド<4704>が急落し、RSTECH<3445>などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。一方、東京電力HD<9501>が2%超上昇し、KDDI<9433>や良品計画<7453>もしっかり。前日は利益確定売りに押された内需・ディフェンシブ株だが、外部環境の不透明感から再び資金が向かったようだ。業績観測が報じられたデジアーツ<2326>は急伸。また、決算発表のトランコム<9058>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、機械、電気機器、石油・石炭製品などが下落率上位。反面、電気・ガス業、水産・農林業、陸運業などが上昇率上位だった。
前日の米国市場ではキャタピラーが9%の下落、エヌビディアが14%近い下落となった。
市場では「世界経済の減速は織り込み済み」との見方から、このところ輸出株や景気敏感株に買い戻しの動きが広がっていた。しかしキャタピラーやエヌビディアの決算に対する株価反応を見ると、これから決算発表が本格化する東京市場でも警戒感を強めざるを得ないだろう。中国などのアジア株も全般下落しており、後場の日経平均は引き続き軟調な展開となりそうだ。なお、本日は前引け後にJPX<8697>、取引終了後に信越化<4063>やANA<9202>が決算発表を予定している。
相場全体の地合い悪を背景に、新興市場でもマザーズ指数や日経ジャスダック平均が下落した。ただ、サンバイオ<4592>がプラスに切り返すなど相対的に底堅さを見せている。
積極的に上値は追いづらい状況ではあるが、主力株が手掛けにくいだけに中小型株の循環物色は目先続きそうだ。
(小林大純)
<AK>