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日経平均は反発、ハイテク決算前に上値重い、短期資金動向を注視

ランチタイムコメント
 日経平均は反発。184.10円高の20740.64円(出来高概算約6億2326万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、主要企業の好決算を受けて買いが先行するなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過した後に一段高となり、引けにかけても堅調推移となった。
前日に注目されたFOMCでは、大方の予想通り政策金利は据え置かれた。これまで年内2回を想定していた追加利上げ見通しを「様子見する」と実質的に一時停止する方針へと転換したことや量的緩和で膨らんだ米国債などの資産縮小も近く終了する可能性を示唆した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比180円高の20790円となり、東京市場では朝方から買いが先行した。為替相場では、朝方から1ドル=109.00円を割り込む場面もみられるなど、前日から円高方向に振れるなか、朝高後は上げ幅を縮小する格好に。

 東証1部の値上がり銘柄数は1620銘柄となっており、全体の76%程度となった。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>とTDK<6762>が、2銘柄で日経平均約46円分の押し上げ要因となった。前日に第3四半期決算を発表されたTDKの10-12月期営業利益は、増益率が鈍化し、市場予想も10億円ほど下回ったものの、足元の外部環境悪化から想定の範囲内と捉えられたようだ。同時に発表された通期予想の下方修正幅も限定的であったとの見方が優勢となったもよう。

 本日の日経平均は12月3日の直近戻り高値(22698.79円)から12月26日につけた昨年来安値(18948.58円)の半値戻しレベル(20820円)を朝方に達成した後、1月21日につけた年始からの高値(20892.68円)水準を前に利益確定の動きが出やすくなっている。好業績銘柄に対する物色は活発であるものの、本日はハイテク関連企業などをはじめとした約400社が決算発表を控えていることからも、相場全体の地合いとしてはこれを前に主力大型株に対する積極的な買いは入れにくい状況だ。

 他方、新興市場では、前日から急落するサンバイオによる余波を買いのタイミングと捉える向きも観測されており、前日に大きく売り込まれたマザーズ銘柄には個人投資家による自律反発狙いの売買が優勢となっているほか、東証1部の中小型株に対する資金流入もみられている。資金の逃げ足は速くなりやすい需給状況ではあるが、後場にかけてもこれら短期資金の動向には注目しておきたいところである。
(雲宮 祥士)


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